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バルカー(7995)23/3Q3決算 先端産業向け増額修正で24/3期中計利益上回る見通し

23/3期先端産業向け好調で増額修正し14.7%増収21.9%営利増予想で最高収益更新へ

 

株価3100円(2/2) 時価総額579億円 発行済株18,689千株

PER(22/3DO予:8.3X)PBR(1.24X) 配当(23/3予)150円  配当利回り:4.8%

 

要約

 

・23/3Q3は先端産業向けが半導体関連中心に伸長、15.3%増収33.1%営利増に

・23/3期先端産業向け好調で増額修正し14.7%増収21.9%営利増予想で最高収益更新へ

・24/3期も特殊タンクビジネス、国内半導体設備向け等拡大で連続最高益更新期待

 

23/3Q3は先端産業向けが半導体関連中心に伸長、15.3%増収33.1%営利増に

 

 配管、パッキンなどシール材大手。  23/3Q3決算が1/30に発表され、説明資料が2/2に掲載された。23/3Q3は売上高160.84億円(15.3%増)、営業利益25.83億円(33.1%増)と収益上伸が続いた。

 

 事業別にシール事業は売上高103.26億円(17.3%増)、営利19.31億円(26.8%増)に。市場別売上では先端産業向けが49億円(58%増)と伸長。高シェアのエラストマー製品でフッ素樹脂ガスケット、Oリング等が内外半導体産業向けに伸びる。機能性樹脂製品も売上高50.00億円(11.6%増)、営利6.77億円(49.8%増)。先端産業向けが売上高25億円(4%増)ながら、プラントが16億円(23%増)と部材不足の緩和で納期ズレによるコストアップが一服、利益は大幅増に。その他事業は売上高7.58億円(13.8%増)、営業損失0.25億円(0.1億円改善)で、ウエハ再生が6.5億円(8%増)とサムスン向けが回復も新規事業の先行投資負担が重く、赤字縮小も黒字転換には至らなかった。

 

 仕向先では国内99.59億円(12.3.%増)、海外61.25億円(20.5%増)で、北米が18.04億円(50.3%増)と半導体製造装置向けが拡大、アジア向けも42.83億円(11.2%増)と台湾など半導体工場設備投資などで好調に推移している。

 

 利益面では戦略製品の販売数量が増加、生産拠点の整備効果も寄与、売上総利益率が2.4ポイント向上し42.3%となった。ちなみに市場別で先端産業向け売上が81億円(56%増)となり、売上構成比も50.4%(13.1ポイント上昇)と初めて50%を超え、MIX良化の寄与も大きい。販管費は人件費増、物流費等のコストアップで販管費が16.2%増となり、販管費比率が0.2ポイント悪化も、全体として増収効果が大きく大幅営利増に。

 

23/3期先端産業向け好調で増額修正し14.7%増収21.9%営利増予想で最高収益更新へ

 

 23/3.期の期初会社予想に対し、Q3累計での進捗率は売上高で81.5%も、営利では100.4%と上回ったことから増額修正し売上高610億円(期初計画比50億円増額、14.7%増)、営利85億円(同20億円増額、21.9%増)予想とした。逆算しQ4は5.9%増収ながら15.5%営利減見込む。

 

 市場別では先端産業向け284億円(同48億円増額、27.4%増)が大きく、セグメント別ではシール製品が売上高397億円(同32億円増額13.4%増)、機能樹脂183億円(同18億円増額、21.3%増)と各々で先端市場向けが増額となる。利益面でもシール製品が67億円(同13億円増額、21.7%増)、機能樹脂19億円(同6億円増額、38.4%増)とそれぞれ減益予想が一転2桁営利増予想に。但しQ4の営利予想ではシール製品の営利率の下落を想定、これがQ4の営利減の主因となる見通しに。
 

 現状、Q3の受注が21/3Q1以来のBBレシオ1割れの0.9となっていること、また為替の円安一巡などもあり先端産業向け売上も伸び悩むとしてQ4利益を控え目に見積もっているとみられる。ただし部材高の鎮静化などもあり、利益率の落ち込みは軽微とみられ、会社予想利益の上振れが見込まれる。

 

24/3期は特殊タンクビジネス、国内半導体設備投資向け等拡大で連続最高益更新期待

 

 同社は新中計で24/3期に売上高700億円、営利75億円を目指す計画とした。しかし今回の増額修正で営利85億円と中計予想を上回る見通しとなった。但し売上面では23/3期修正予想比でも24/3期は15%増収が必要であるが、この中にはM&Aによる増収効果70億円程度が加味されず、実質は630億円(3%増)で24/3期中計の売上もクリアできる。

 

 24/3期は先端産業向けで半導体生産がコンセンサスで5%減、半導体製造装置は15%程度の減が見込まれるが、同社は特殊タンクビジネスの拡大が見込まれる他、国内向けではTSMC、キオクシア、マイクロン、これにパワーデバイス各社の工場新設に伴い半導体工場設備関連での売上寄与が見込める。また先端半導体では微細化で薬液処理など工程数が増え、スクリーンの増額等もあり、半導体製造装置需要の落ち込みの中でも同社製品の売上を維持しよう。このため半導体製造装置向けの低迷があっても24/3期も微増収微増益が見込まれ、連続最高益更新が期待される。

 

 

 

(H.Mirai)

 

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