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鉄鋼・ステンレス輸出入実績 2022年12月 ②輸入 その1 概況速報

 2023年1月30日、一般社団法人日本鉄鋼連盟が、2022年12月の鉄鋼輸出入概況を発表した。普通鋼鋼材輸入量(速報)は36万5,761トン、前年同月比で3.2 %増と2か月ぶりの増加となった。2022暦年では422万8,893トンと21暦年比0.9%増と2年連続の増加の見込み。

 

 普通鋼材輸入量(速報)では前月11月(35万8,561トン)比で2.0 %増となり、2か月ぶりの増加。4月〜12月累計は318万9,287トンで前年同月比2.5 %増となる見通し。

 

 一方、2022暦年の普通鋼鋼材の輸入量は前年(419.1万トン)比0.9 %増の422.9万トンとなる見通し。

 2022年9月から前年同期を下回る水準で推移したものの、5月〜8月において海外相場の急落で東南アジアなど日本周辺マーケットで熱延コイル価格が600ドルを下回り、内外価格差が拡大した。それに伴い、輸入材への引き合いが増加した。

 ただし、鋼材倉庫などの湾港インフラの不足や、薄板類を中心とした市中在庫の過剰感から輸入拡大が抑制された面もあり、21年並みの水準に落ち着くこととなった。

 

 2022年12月の全鉄鋼輸入量(速報)は、62.1万トンと前年同月(69.3万トン)比で10.3 %減と4か月連続で減少。前月(63.5万トン)比では2.3 %減。

 

 2022年11月の全鉄鋼輸入量(確定)は、63.5万トンと前年同月(69.2万トン)比で8.2 %減と3か月連続で減少。前月(62.1万トン)比では2.2 %増。

 

 2022暦年(速報)の全鉄鋼輸入量は745万5,648トンと2021暦年(754万8,350トン)比で、1.2 %減となり、21暦年をわずかに下回る見通し。

 

 2022年4月〜12月(速報)累計の全鉄鋼輸入量は、557万9,608トンと、前年同期比で1.9 %減。

 

 

<2022年 12月輸入速報概況>

<全鉄鋼輸入量>

・全鉄鋼輸入速報(図1総合計:水色棒グラフ)では202212月の輸入量は62.1万トンでと前月11月(63.5万トン)比では2.3 %減、前年同月(69.3万トン)比では10.4 %減となる見込み。

 

 図1に全鉄鋼(総合計)、普通鋼及びフェロアロイの輸入量推移を示す。暦年、年度及び四半期データは、月率換算で表示している。

 

図1 品種別輸入量推移(月率換算)2016年(暦年)~2022年12月(速報)

 

 主要3国からの全鉄鋼輸入量について、韓国からは、前月比10.7 %減の24.1万トン(11月は27.0万トン)と減少した、一方、中国からは、前月並みの13.0万トン(11月は13.0万トン)、台湾からは同6.2 %増の9.2万トン(11月は8.7万トン)と増加した。

 

 韓国、中国及び台湾からの月別輸入量推移を表1に示す。

 

<普通鋼鋼材輸入量>

普通鋼鋼材12月速報(図1:茶色折れ線)では、輸入量は36.7万トンで、前年同月(35.6万トン)比で3.2 %増と2か月ぶりの増加となった。前月(35.9万トン)比では2.4 %増と2か月ぶりの増加となった。

 

 2022暦年速報の普通鋼鋼材の輸入量は前年(419.1万トン)比0.9 %増の422.9万トンとなる見通し。

 

 2022年4-6月期では、99.7万トンと前年同期比3.8 %減と、前年実績を下回る水準での推移となっていたが、2022年4-9月累計は208万5,549トンと前年同期比3.1 %増に転じた。

 4-12月(速報)累計でも、318万9,287トンと前年同期(311万644トン)比では2.5 %増と、増加を維持した。

 

 図2に普通鋼鋼材仕入れ先別輸入量推移(月率換算)を示す。

図2 普通鋼鋼材仕入れ先別輸入量推移(月率換算)2017年(暦年)~2022年12月

 

<普通鋼鋼材仕入れ先別 10月確定>

・10月の普通鋼鋼材仕入れ先別(図2)では、前年同月比では、韓国は(22.4万トン:茶色折れ線)2.7 %減の2か月連続の減少となった。一方、台湾は(7.9万トン:うぐいす色棒グラフ)同50.0 %増の2か月ぶり、中国は(7.0 万トン:青棒グラフ)同9.2 %増の6か月連続の増加となった。

 

<普通鋼鋼材仕入れ先別 11月確定>

・11月の普通鋼鋼材仕入れ先別(図2)では、前年同月比では、韓国は(22.6 万トン:茶色折れ線)2.0 %増の3か月ぶり、台湾は(7.2万トン:うぐいす色棒グラフ)同23.8 %増の7か月連続の増加となった。一方、中国は(5.4万トン:青棒グラフ)同7.6 %減の7か月ぶりの減少となった。

 

<普通鋼鋼材仕入れ先別 12月速報>

・12月の普通鋼鋼材仕入れ先別(図2)では、前年同月比では、韓国は(20.9 万トン:茶色折れ線)9.7 %減の2か月ぶりに減少した。一方、台湾は(8.1万トン:うぐいす色棒グラフ)同34.9 %増の8か月連続、中国は(7.2万トン:青棒グラフ)同39.0 %増の2か月ぶりの増加の見通しとなった。

 

 輸出税の還付を撤廃直後は増加した中国からの輸入量は2021年10月をピークに減少傾向を示したが、3月、6月、8月〜10月は6万トンを超えた。11月は6万トンを下回ったが12月は再び超えた。

 

 韓国からの輸入量も、6月から22万トン台超えを維持した。

 

<普通鋼鋼材仕入れ先別 2022暦年速報>

 2022暦年(速報)では、国別にみると、韓国材は263万4,547トンで前年の271万5,996トン比3%減となる見込み。中心となるポスコ材が自動車減産などの影響で21年比約1割強の減少となった模様。

 

 一方、台湾材は79万5,103トンで前年の74万3,041トン比7%増となる見通し。中国鋼鉄(CSC)の販売量は21年には70万トン程度に留まったが、22年は例年並みの80万トン程度にまで戻したようで、時に上期の出荷が順調に推移したことが販売増につながった。

 

 韓国、中国及び台湾からの輸入量を表2に示す。

 

 

<11月の鋼材輸入の動向(確定)>

・ 11 月の鋼材輸入(普通鋼+特殊鋼)は、前年同月比 4.4 %減の40万トンと2か月ぶりの減少となった。国別では、中国(8.6 %増・7か月連続)、台湾(20.0 %増・2か月連続)が増加したものの、韓国(0.7 %減・3か月連続)が減少した。

 

・ 鋼種別では、普通鋼(5.8 %減)が7か月ぶりに減少した一方、特殊鋼(9.3 %増)は4か月ぶりの増加となった。特殊鋼のうち、ステンレス鋼(8.5 %増・3か月ぶり)、その他合金鋼(10.1 %増・4か月ぶり)がともに増加した。

 

 鉄鋼連盟:鉄鋼需給の動き(2023年1月)より、2020年11月から2022年11月迄の普通鋼+特殊鋼の国別推移を図26に示す。

 

 

・7~9月期の鋼材輸入(普通鋼+特殊鋼)は、前年同期比 9.7 %増の122 万トンと 3 期ぶりの増加となった。

・10~11月の鋼材輸入は、前年同期比 0.7 %減の81万トン。

・10月の鋼材輸入(普通鋼+特殊鋼)は、前年同月比 3.3 %増の41万トンと2か月ぶりの増加となった。 国別では、韓国(6.2 %減・2か月連続)が減少したものの、中国(3.5 %増・6か月連続)、台湾(41.4 %増・2か月ぶり)が増加した。

 

・11 月の鋼材輸入(普通鋼+特殊鋼)は、前年同月比 4.4 %減の40万トンと2か月ぶりの減少となった。 国別では、中国(8.6 %増・7か月連続)、台湾(20.0 %増・2か月連続)が増加したものの、韓国(0.7 %減・3か月連続)が減少した。

 

 鉄鋼連盟:鉄鋼需給の動き(2023年1月)より、2022年11月までの普通鋼鋼材輸入量(表9)及び特殊鋼鋼材輸入量(表10)を示す。

 

表9 普通鋼鋼材輸入 2022年11月迄

表10 特殊鋼鋼材輸入 2022年11月迄及び鋼材流通同行(2022年9月迄)

 

 

 

<対前年同月2021年11月の振り返り>鉄鋼連盟 需給の動き(2022年1月より)

○ 2021年11月(前年同月)の鋼材輸入の動向

 

・ 11月の鋼材輸入(普通鋼+特殊鋼)は、前年同月比 9.2 %増の42万トンと2か月ぶりの増加となった。 国別では、中国(20.3 %増・5か月連続)が増加したが、韓国(0.3 %減・2か月連続)、台湾(8.7 %減・2か月連続)が減少した。

 

・ 鋼種別では、普通鋼(16.2 %増)が2か月ぶりの増加、特殊鋼(30.5 %減)は2か月ぶりの減少となった。特殊鋼のうちステンレス鋼(23.6 %増)は7か月連続して増加した一方、その他合金鋼(54.1 %減)では5か月連続の減少となった。

 

 表9 普通鋼鋼材輸入:2021年

 

表10 特殊鋼鋼材輸入 2021年11月迄及び鋼材流通同行(2021年9月迄)

 

<特殊鋼鋼材輸入量>

 特殊鋼鋼材の2022年度11月速報の輸入量は3.6万トンと前年同月比21.7%減、前月比16.4%減と減少した。

 

 4-6月期の輸入量は、前年同期比14.6 %減の13.6万トンであった。2022年4-9月期の輸入量は、前年同月比6.4 %減の26.5万トンとなった。

 

 2022暦年(速報)では、51.9万トンと前年同期比10.3%減となる見通し。一方、ステンレス鋼は、30.9万トンで同10.1 %増の見込み。

 

・11月確定の特殊鋼鋼材仕入れ先別では、韓国(1.3万トン)、台湾(0.6万トン)、中国(1.9万トン)となった。

 

 2022年4-6月期の特殊鋼仕入れ先別輸入量は、中国4.7 万トン(前年同期比34.0 %減)、韓国5.4万トン(前年同期比15.4 %減)と減少した一方、台湾2.3万トン(前年同期比44.3 %増)と増加した。

 

 2022年4-9月期では、中国9.0 万トン(前年同期比19.8 %減)、韓国10.8万トン(前年同期比12.7 %減)と減少する一方、台湾4.2万トン(前年同期比39.3 %増)と増加した。

 

 2022年4-12月期の世界計では37.7万トンとなり、中国14.2 万トン(前年同期比8.3 %減)、韓国14.3万トン(前年同期比23.4 %減)と減少する一方、台湾5.2万トン(前年同期比9.1 %増)と増加した。

 

<ステンレス鋼鋼材輸入量>

 ステンレス鋼鋼材の22年度12月(速報)の輸入量は1.89万トンと前年同月(2.91万トン)比35.2 %減、前月(2.33万トン)比では18.9 %減となる見通し。

 

 ステンレス鋼鋼材の2022年度11月(確定)の輸入量は2.33万トンと前年同月(2.14万トン)比8.9 %増、10月(1.85万トン)比では8.4 %増となった。

 

 2022年1-6月期の輸入量は、前年同期比23.0 %増の16.9万トン、4-6月期の輸入量は、前年同月期比26.4 %増の8.5万トンと、ともに増加した。2022年4-9月期の輸入量は、前年同月期比21.5 %増の16.5万トン、2022年4-12月期の輸入量は、前年同月期比6.9 %増の22.6万トンと、ともに増加した。

 

 2022暦年(速報)累計では、30.9万トン。前年同期比で10.1 %増の見通し。

 

・11月確定のステンレス鋼鋼材仕入れ先別では、韓国(3.83万トン)が、台湾(0.54万トン)、中国(1.19万トン)となった。

 

 特殊鋼及びステンレス鋼鋼材の輸入量推移を図3に示す。ステンレス鋼鋼材の輸入量は国内のニッケル系の価格急騰により、安価な輸入品を求めたが、それらの価格も高騰してきたため、1月をピークに減少傾向を示した。6月及び7月に再び急増し3万台となったが、8月及び9月は2万台に戻し、10月(確定)では2万台を下回った。

 

図3 特殊鋼及びステンレス鋼鋼材の輸入量推移(月率換算)2016年度~2022年12月

 

 ポスコの浦項製鉄所が台風による冠水被害を受けた影響で韓国からのステンレス鋼冷延鋼板類の輸入が大幅に減少しているが、その代替としてポスコ張家港不錆鋼のある中国からの輸入が増加した。

 業界情報によると、

 ステンレス冷延鋼板類の輸入量は、22暦年と2年連続で過去最高となることが確実となった。

 ニッケル系SUS304を中心とするステンレス冷延鋼板類輸入は2022年11月入着分でも1万3千トンと高い水準が続いた、国内店売り市場が在庫調整局面にある中で、さらに増えることはないとみる向きも多いが、輸入材は店売り市場で一定シェアを占めており、当面は二重価格構造が続く見通し。

 

 ポスコの浦項製鉄所が台風による冠水被害を受けた影響で、10月輸入は9千トンに低下して2年ぶりに1万トン台を下回ったが、ポスコ張家港不錆鋼の活用が軌道に乗っていることから中国からの輸入が増えている。11月のステンレス冷延鋼板類の輸入量は1万3,481トンで、過去最大であった21暦年の月平均に対して1割近く多い。

 

 財務省が12月27日に公表した、貿易統計によると11月の国別輸入量は、韓国が1,622トン、台湾が3,750トン、中国が6,640トン。中国は6月の7,631トンに次ぎ過去2番目の数量で、全体の49%を占め、ニッケル系鋼種に限れば、51 %を占めた。

 

 通関ベースでは9月のSUS304冷延コイル(厚さ1mm超え3mm未満でニッケル含有量7%以上10%未満の広幅冷延コイル)の平均価格は、7月入着分がピークで11月入着では、韓国及び中国が5月〜6月並み、台湾は4月並みに低下した。

 

<対前年同月2021年11月の振り返り>

 ステンレス協会 統計データによると

 ステンレス鋼材(鋼板類、条鋼類、鋼管類、線製品)の2021年12月の輸入は前年同月(1万9,268トン)比61.1 % 増の3万1,051トンだった。内訳は、条鋼類2,624トン、鋼板類24,700トン、鋼管類1,799及び線製品1,928トン。

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

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