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山一電機(6941)23/3Q3WEB説明会メモ Q3で半導体検査向け急減24/3期収益減速へ

23/3期営利上振れ修正も半導体テスト調整色、24/3期コネクタカバーも利益減懸念

 

株価1819円(2/3) 時価総額 424億円 発行済株23,329千株

PER(23/3予6.3X)PBR(1.04X) 配当(23/3予)87円  配当利回り:4.8%

 

要約

・23/3Q3はTS大幅減しかもMIX悪化から2.6%減収48.9%営利減と利益急減

・23/3期予想を営利2.5%増額もTS事業がQ3に続きQ4さらに収益悪化

・24/3期TS事業の回復遅れ懸念、CS事業収益確保も利益低迷懸念

・株価は24/3期利益低迷懸念で中立からややネガティブに引下げ

 

23/3Q3はTS大幅減しかもMIX悪化から2.6%減収48.9%営利減と利益急減

 

 23/3Q3決算が2/3に開示され、同日WEB説明会が実施された。23/3Q3は売上高98.91億円(同期比2.6%減、Q2比29.2%減)、売上総利益32.70億円(同23.1%減、同43.0%減)、営業利益11.86億円(同48.9%減、同65.5%減)と会社想定通りに収益急落となった。

 

 事業別にテストソリューション事業(TS)は売上高42.55億円(同18.9%減、同47.7%減)、営利7.91億円(同59.4%減、同72.5%減)に。テスト用ソケットがスマホ向けが失速、収益性が高くMIX悪化、バーンインソケットもメモリ向けがNAND、DRAMともに減速、ロジックで車載向けが堅調も補いきれず。全体で減収、MIX悪化、円安一巡で収益大幅悪化。

 

 コネクタソリューション事業(CS)は売上高52.52億円(同24.5%増、同2.6% 減)、営利6.57億円(同2.1倍、同2.0倍)に。FA関連がシーメンスを中心にCNC装置向けやPLC向けなどインダストリアル4.0の拡大に伴う需要が堅調、テレコムで米国向けの増加があり、MIX良化から利益が大幅回復した。

 

 全体ではTS事業の大幅悪化をCS事業の利益回復で補えず利益急減に。

 

 

23/3期予想を営利2.5%増額もTS事業がQ3に続きQ4さらに収益悪化

 

 同社はCS事業の利益増を踏まえ11/4の修正予想を修正、売上高464億円(期初計画比61億円増額、11/4比6.5億円増額、17.2%増)、営利82.5億円(同8.5億円増額、同2.5億円増額、1.5%減)、経常利益86億円(同12億円増額、変更なし、1.7%減)予想とした。経常利益で増額となっていないのは為替か円安一服となったため。11/4計画に対してはTS事業で営利0.2億円減額、CS事業で売上7億円、営利33.3億円増額、オプト事業で営利0.1億円減額とし、大半がCSでの増額修正となった。但し、下期だけでは収益大幅悪化、Q3に続きQ4は一段と厳しいとみている。

 

 TS事業は売上高、最大ユーザーのクアルコムのQ3売上がほとんど無い状況が継続、収益性の最も高いとみられるテストソケットの収益が激減、バーンインソケットもメモリ低迷を受け収益が大きく落ち込む見通しとなったことが影響するが、11月時点の想定並みに推移している模様。なおTS事業はQ4では2023年モデル向け新製品向け発注があるとみられ、一応、Q4がボトムとなる見通し。コネクタ事業は通信向けでファーウェイ向けが不透明も欧米での需要増で利益が回復、Q4は一時的に発注が減少するとしているが全体としてMIX良化で利益増額に。

 

 現状、利益面ではTSでの環境悪化が急激で、加えて円安修正も利益減影響が大きく、CSでの利益増額があるものの、会社修正予想並みの収益が見込まれる。

 

24/3期TS事業の回復遅れ懸念、CS事業収益確保も利益低迷懸念

 

 24/3期はTS部門では先端半導体投資の拡大、またテスト項目の増加、多ピン化などで、上期は23年モデル向けに従来通り発注があるとみられるものの、スマホ数量減が影響、23/3上期を下回ろう。但し、下期は今下期に対しスマホ向けは例年並み、メモリなどは回復が見込まれ、ロジックも車載向けの拡大、インテル向けもさすがに新モデル向けが拡大、下期挽回で売上維持が見込める。CS事業は通信向けで中国ファーウェーイ向けが不透明も、既に欧米向けのウエイトが高くなっている。しかも今回、VLCプラットフォームに対応した垂直型OSFP コネクタ「OSFP-VLC」を開発、従来の長距離高速大容量光通信向けに加え、データセンター向けの拡大などが期待され、高収益の通信向けの拡大で収益拡大が見込める。同社は需要増に対し2022年10月には増床が完了、テストソケットの生産能力は21年度比倍増、24/3期は能力増強が寄与しよう。また佐倉事業所内に新棟建設を決議、2月に着工、2024年4月より生産開始を目指し24/3期以降、TS事業の更なる先進化、CS事業の多用化するニーズに合わせた能力増強を行う。このため24/3期は投資負担増が見込まれ、TSでは営利減が見込まれ、CSは通信向けの拡大で収益性の回復が期待されるものの、全体として営利減が避けられないとみられる。

 

 

 

(H.Mirai)

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

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