ベトナムの電炉某社 半年間は鉄スクラップ輸入不可
ベトナムといえば日本からの鉄スクラップ(ヘビー屑)輸出先として韓国に次いで多いメインの売り先である。
2021年間ではベトナム向けがトップで165万トンが日本から輸出された。2022年では11月までで96万トンとやはり韓国に次いで多いが
数量は2021年比では40%近く減少している。これはベトナムの鉄鋼メーカーの減産および経営危機などもあり減少に至ったのだが、今年の2023年はさらに減少する可能性がある。それが掲題の某電炉メーカー件だが、端的にいえばベトナム政府からスクラップの輸入ライセンスを止められたことにある。しかしなぜ止められたのだろうか?
(日本からの鉄スクラップ(ヘビー屑)輸出向け先 2021暦年)
(日本からの鉄スクラップ(ヘビー屑)輸出向け先 2022暦年(1-11月))
ベトナム現地筋によると、そのべtナムの電炉メーカーは主原料であるスクラップの調達に窮しており、生産は激減しているという。
命綱ともいうべき輸入スクラップのライセンスが発給されず、1月から半年間は輸入スクラップを仕入れることはできないという。何故にそうなったのか?
某社はベトナムのチーバイ(TuiVai)港に出資し、輸入スクラップのスムーズな供給網を構築していたのだが、ここチーバイ港は輸入したスクラップは屋根のある建屋で保管することが義務づけられていたという。しかし某社はそうした建屋があったにも関わらず、仮置きとしてスクラップをいわば野ざらしにしていた模様。
そこにベトナムの「環境警察」が動き、関係者によると「再三中注意したが聞き入れなかった」ということで今回の半年間の輸入ライセンス発給停止、という事態に至ったのだという。
ただ既契約分は荷揚げできるが、新規は不可とのこと。現在、当該某社の鉄鋼生産は通常時から半減しているという。
(IRUNIVERSE/MIRUcom YT)
関連記事
- 2025/07/06 シームレスパイプの輸出量と輸出価格(25年5月)
- 2025/07/05 豪Fortescueの英バッテリー製造事業 損失急拡大も楽観的か バッテリー駆動車の製造など
- 2025/07/04 2025年5月 鉄スクラップ輸出統計分析 累計でその他は大幅前年割れ、ヘビー屑は大幅前年超え継続
- 2025/07/03 鉄鋼・非鉄関連会社の決算発表予日定一覧 :いつもより1週間程度早い
- 2025/07/03 中国、ブラックマスの輸入を解禁へ――8月から正式施行
- 2025/07/03 黒鉛電極:インドの電極出について(25年4月)
- 2025/07/02 Fe scrap watch2025#9 3万円際まで下げ込む夏? 相場よりも生き残り?
- 2025/07/02 三井物産、豪ローズリッジの取得に向け現地子会社を増強 8000億円投資の鉄鉱石事業
- 2025/07/02 韓国 現代製鉄 減産拡大 浦項のH鋼生産は無期限停止 キャタピラ工場は売却
- 2025/07/02 鉄鋼・非鉄関連会社の決算発表予日定一覧 :発表時間を追加