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INTERMOLD2023 第15回 学生金型グランプリ

 2023年4月12日から開催されているINTERMOLD 2023/金型展2023[主催(一社)日本金型工業会]では、第15回「学生金型グランプリ」~次世代のモノづくりを担う学生による金型製造技術の発展~が開催されている。金型学生グランプリでは、金型を学ぶ学生がプラスチック用金型、プレス金型のそれぞれ課題にそって、金型設計から製造、成形品の製造までを行い、金型及び成形品の出来栄えを競う。

 

出展テーマ

プラスチック用金型部門課題:名刺ケース

プレス用金型部門課題:ラック用金具

審査協力:精密測定機器の総合メーカーであるミツトヨ

出題協力:超精密技術(金型設計・製造、プレス技術、CAE解析技術などを有する大垣精工

     MDC

参加校

プレス用金型部門(3校)

岩手大学

大阪工業大学

岐阜大学

プラスチック用金型部門(4校)

大分県立工科短期大学

大阪電気通信大学

九州工業大学

栃木県県央産業技術専門校

 

 

<岩手大学>

 

 

 岩手大学には、日本勇逸の金型・鋳造プログラム[修士課程]岩手大学大学院 総合科学研究科 地域創生専攻 地域産業コースがあり、参加校3校の中で最も、技術的にめぐまれている。

 

 東北は、南部鉄瓶にみられるように、歴史的には鋳造技術が進んだ地域である。この地域でなぜ金型なのか?お聞きしたところ、岩手県にはプレス加工業者が多く、金型の設計、加工、表面処理などの要素技術とプレス加工等の研究開発を通じて、地域へ貢献するとのこと。

 

 CAE解析により、あらかじめ変形を見越した展開設計を行うなど、知識及び設備に恵まれ、更に金型技術研究センターからも指導されており、無駄なく金型設計ができており、苦労した点が分かりにくかったが、プレス機の小型化を図ったことが、ポイントとのこと。

 

<大阪工業大学>

 

 一方、大阪工業大学は、実際に試験用金型を製作し、90°曲げとフランジ曲げを行った際に発生するシワの様子の確認から始めた。

 その結果、部品を上下稼働式とすることで、曲げとフランジ曲げを同時に行うことでシワが回避できることを解明した。

 二次元の設計図を、金型メーカーの協力を得て、3Dモデル化して、製作。

 東大阪は、金型メーカーが多く、近隣のメーカーの設備を借用して、製作にあたっている。

 大学内だけでなく、近隣の協力を得ており、良い経験になったのではと思いながら、説明をお聞きした。

 

 

<大分県立工科短期大学校>

 プラスチック用金型部門では、学生の居ないブースが気になり大分県立工科短期大学校でお話をお聞きした。

 

 3枚の詳細なパネルを展示していた。左のパネルは、学校紹介。

 

 臺(だい)校長にお話を伺った。指導教員である機械システム系川崎准教授は、夜に東京へ来て、同じく午後から参加できた元学生の二人とプレゼンの打合せをするとのこと。

 短期大学校のため、皆就職先で新入社員研修中であり、会社の都合で1名は参加できないが、他の2名は会社の協力により参加できるようになったとのこと。

 

 機械システム系(生産技術科)金型エンジニアコースでは、金属部品を作り出す「プレス技術」とプラスチック部品を作り出す「射出成形技術」の基礎を身につけることで、第一線で活躍する人材を育成する。

 卒業後は、ダイハツ九州、日産自動車九州など自動車関連会社を始め、大分キャノン、吉野プラスチックスなど、希望先に就職しているとのこと、プラモデル関連もあるとのこと。

 平成10年の開校以来、就職率はほぼ100!を達成。

 2年制の学校で、4年制の国立大学工学部と同等の授業時間数を確保している。

 

 今回の課題に対して、各寸法を公差内にする(樹脂流動解析を用いた。)ことは当然であるが、金型の小型化を図った。金型の小型化においては、アンダーカットにはスライドユニットを使用せず省スペース化を図るため、傾斜コアを採用。購入すると高価なため、自作したそうだ。

 

 さらに、新たな製品価値を作り出すことも検討。

 

 

 名刺入れは、名刺を押出すための穴があるので、小物ケースとして穴無しも製作し、ゼムクリップケースも展示した。課題品においても、名刺以外に救急バンケースにも応用。筆者も、両者を頂いた。

 

 初日の閉展間際に、製作したお二人にお逢いすることができた。改めて説明をお聞きしていたが、17時を迎え、“ほたるのひかり”が流れてしまい、せっかく説明いただいていたが、中断させていただいた。お二人ともデザイン系(設計系)のメーカーに就職したため、直接射出成形の知識技術が直接活かされることはないが、新入社員教育で使用される専門用語を理解できたそうだ。実際に製作するときの難しさを理解しているデザイナーは貴重な存在だと思う。

 

 本日4月13日15:00~ 第15回学生金型グランプリ発表講演会が開催される。

 審査結果発表は16:25分からとなる。残念ながら取材にお伺いできないが、講評者には製作者がなっとくできる評価をお願いしたい。

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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