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どうなる中国経済 4月データ悪化で金属相場は大打撃、銅4か月半ぶり安値

 金属の国際相場が揃って弱含んでいる。背景にあるのは5月初旬までに発表の中国の2023年4月の経済指標の悪化だ。金属の一大消費国である中国の経済回復が鈍いとの見方から、LMEの銅が2023年1月以来およそ4か月半ぶりの安値に落ち込んだ。LMEではアルミや鉛の価格も下げている。中国国内のレアアース価格もさえない。中国の景気回復への失望感が幅広い鉱種の相場に打撃となっている。

 

急速にしぼむゼロコロナからの回復期待

 

 2023年の中国の主要経済指標

 

注)輸出入の1~2月分は春節の影響をならした合計、輸出入と新車販売は前年同期比の伸び(%)

 

 中国国家統計局が5月11日に発表した同年4月の物価統計は失望感を誘った。卸売物価指数(PPI)は前年同月比で3.6%低下し、2020年5月以来ほぼ3年ぶりの大幅な低下となった。折しも4月30日発表の4月の製造業景況感指数(PMI)が49.2と3ヶ月ぶりに好不況の境目となる50を下回り、製造業従事者の心理悪化が懸念されていたところだった。製品の出荷価格が下落し、製造業が不振にあえいでいる様子が見て取れる。

 貿易を見ても特に輸入の低迷が続き、内需が傷ついている様相が濃い。内需の低迷は元建融資の落ち込みからも見て取れ、企業の余裕のなさがうかがえる。

 

金属相場はメタメタ

 これを受け、LME銅の現物は5月14日に1トン=8.240ドルと2023年1月初旬以来の安値に落ち込んだ。銅は用途の広さから「ドクター・コッパー」と呼ばれ景気の先行指標とされるが、世界景気の悪化懸念がくすぶっていたところに中国景気に対する失望感が加わった形だ。

 

 過去6か月間のLME銅価格の推移(US$/ton)

 

  アルミ価格は2022年11月以来およそ半年ぶりの安値。こちらも用途が広く、特に中国の需要は世界の6割とされる。

 

 過去1年間のLMEアルミ価格の推移(US$/ton)

 

 鉛価格もほぼ2か月ぶりの安値となった。

 

 過去3ヶ月間のLME鉛価格の推移(US$/ton)

 

 中国国内を見ても、中国稀土行業協会が発表した4月のレアアース指数は前月比で13%低下した。

 

 過去1ヶ月間のレアアース指数の推移(中国稀土行業協会)

 

16日発表の工業生産高に注目

 懸念が強まる中國経済だが、冷静な声も多い。中国の2023年1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4.5%成長し、2022年10~12月期(2.9%成長)を上回っていた。4月の停滞は一時的で、中期的な回復方向に変わりはないとの見立てだ。

 ある香港の証券会社のストラテジストはIR Universeの取材に対し、4月のデータについて「やや足踏みがみられるものの、全体として景気回復に向けて歩を進めているのに変わりはない」と話した。実際、新車販売は2月から前年同月を上回る伸びを維持し、4月は大幅増となった。

 5月16日には工業生産高など残りの4月の主要経済指標が発表となる。中国政府は内需振興を景気回復のばねとしたい考えだが、コロナで傷んだ小売売上高などがどこまで回復するかが注目だ。また、固定資産投資が改善していれば、金属を含む素材価格にも影響する可能性がある。

 

 

(IRuniverse Kure)

 

 

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