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工作機械工業会6月受注確報 6月21.1%減1220億円、半期15.7%減7684億円と弱含み

6月の工作機械受注が1220億円(21.1%減)、6ヶ月連続で内外ともに減少続く

 

 7/20の15時に日本工作機械工業会の6月工作機械受注確報が開示された。6月受注は1220億円(同月比21.1%減)と6ヶ月連続同月比減、6ヶ月連続で内外ともに減少、しかも2ヶ月連続で2割を超える減少となったが、1000億円超は29ヶ月連続確保している。

 

 

外需は15.5%減812億円と6カ月連続の同月比減で2018年8月813億円以来の低水準

 

 外需は812億円(同月比15.5%減、前月比0.7%減)と同月比6ヶ月連続減少、4ヶ月連続の2ケタ減で2023年の月次最低額となり、2021年2月の751億円以来の低水準に。主要4業種で同月比は航空・造船・輸送用機械のみ増加、前月比では全て増加した(主要4業種以外で前月比減)。一般機械は269億円(同月比9.6%減、前月比5.2%増)、主要3極で北米のみ前月比減少、250億円をなんとか維持した。自動車も181億円(同月比27.7%減、前月比0.5%増)で北米が前月比増で前月比微増に。電気・精密は115億円(同月比16.6%減、前月比1.2%増)と2ヶ月連続で120億円割れ。航空・造船・輸送機械は58.9億円(同月比24.8%増、前月比8.8%増)と米国で大型受注により増加したが2ヶ月連続で60億円割れと勢いはない。

 

 主要3極別では前月比でアジアのみ減少、同月比では欧州が大幅増、アジアが大幅減に。アジアは333億円(同月比35.5%減、前月比7.5%減)、同月比6ヶ月連続減、31ヶ月ぶりに250億円割れとなった。国別では中国が190.9億円(同月比45.1%減、前月比18.8%減)と4月に中国最大の工作機械展示会(CIMT2023)が開催された後ながら6ヶ月連続減、前月比でも3ヶ月連続減と冴えない動きで、2020年8月以来、34ヶ月ぶりの200億円割れに。中国の業種では一般機械が79.9億円(32.8%減)、自動車63.2億円(51.8%減)、電気・精密も35.2億円(35.4%減)と軒並み大きな減少、航空・造船・輸送機械はキャンセルで0.7億円マイナス。その他では韓国28.4億円(23.5%減)、台湾19.9億円(42.6%減)など厳しい。なおインドは39.99億円(31.2%増)と3ヶ月連続30億円超。北米は262.4億円(同月比3.6%減、前月比3.5%増)と6ヶ月連続同月比減ながら、4ヶ月連続で250億円は確保し堅調を維持。アメリカが222.8億円(同月比8.8%減、前月比0.3%増)。主要業種で「航空・造船・輸送用機械」のみ増加し41.2億円(同月比2.0倍)と大口受注が寄与。一方で自動車30.6億円(28.1%減)、一般機械63.6億円(11.3%減)、電気・精密25.1億円(33.0%減)と厳しく、金利高、インフレ進行、景気後退懸念もジョブショップで政府補助などから底抜けはない形に。欧州は193.7億円(同月比28.3%増、前月比8.2%増)と、2ヶ月ぶりに190億円超。主要業種では航空・造船・輸送用機械を除き同月比増加。一般機械67.2億円(57.2%増)で、ドイツ18.7%増、イタリア32.1%増、フランス2.1倍、イギリス23.6%増など軒並み増加。電機・精密も19.4億円(59.0%増)、自動車は23.5億円(1.5%増)に。国別ではドイツ51.9億円(10.8%増)、フランス24.6億円(2.0倍)などが増加、一方イタリア28.7億円(17.8%減)、イギリス14.5億円(17.8%減)などが減少。

 

 

内需は10ヶ月連続同月比減で408.5億円(30.4%減)と内需の弱さが継続

 

 内需は408.5億円(同月比30.4%減)と10ヶ月連続で前年同月比減、9ヶ月連続で500億円に達せず、内需の弱さが継続している。主要4業種は全て同月比で減少、前月比では一般機械、電機・精密が増加。自動車が72.9億円(40.1%減)と8カ月連続減少、前月比でも6ヶ月連続減少。半導体不足が緩和も23年は100億円を超える月がなく設備投資の盛り上がりに欠ける。一般機械は192.9億円(21.9%減)と10ヶ月連続マイナスも、R4補正省エネ補助金一次公募分などで前月比では8.0%増。電気・精密は48.1億円(40.1%減)と5ヶ月連続減、半導体関連減速継続で厳しさ続く。航空・造船・輸送用機械は12.6億円(30.2%増)と3ヶ月ぶりに減少。なお全11業種中同月比、前月比減少が10業種ある。

 

 

6月販売1.8%増1427億円、受注残が1.8%減の8426億円となり2021年4月以来の減

 

 6月販売は1427億円(1.8%増)、6月として2018年の1478億円に次ぐ2番目の金額。部材不足や検収遅れ等の影響が緩和された効果もあるとみられる。なおBBレシオは5月95.8、6月には85.5まで低下、受注残高が8426億円(同期比1.8%減)と、2021年4月以来の同月比減少に転じた。

 

 

2023年上半期の工作機械受注は7684億円と同期比13.5%減、前下期比9.4%減

 

 2023年上半期の受注総額は7684億円(同期比13.5%減、前下期比9.4%減)となり、前年同期比では5半期ぶりに減少、前期比では2半期連続で減少となった。総額として8000億円割れは4半期ぶりとなる。内訳は外需5164億円(同13.5%減、同7.7%減)、4半期連続で5000億円超を確保した。一方で内需は2521億円(同19.9%減、同12.7%減)と、2半期連続で3000億円割れとなっている。全体として内需の弱さが目立っている。

 

 

主要5社6月受注は17.6%減の340億円は6ヶ月連続同月比減少、全社内外全て同月比減

 

 日刊工業新聞がまとめる主要工作機械6社の3月受注実績は340億円(17.6%減)と6ヶ月連続での減少。内訳は輸出240億円(11.6%減)、国内99億円(29.2%減)と内外とも減少。5社全て内外、全体で同月比減少に。

 

 2023年半期では2130億円(9.5%減)、内訳は国内662億円(18.7%減)、輸出1467億円(4.6%減)となった。企業別では5社全てが総額で同期比減少、国内は5社全てが同期比減少に。但し輸出では牧野フライスが0.3%増と微増、オークマは13.9%増と複合加工機などの寄与で2ケタ増を記録した。

 

 なお業界動向として、ニデックが三菱重工工作機械(23/3期受注額344億円)、OKK(23/3期受注額224億円)に続き国内で新たに旋盤中堅のTAKISAWA(23/3期受注額277億円)にTOBを提案。3社合計で845億円の年間受注額となり、規模的にジェイテクトの工作機械部門(旧豊田工機)の23/3期513億円を上回り、ツガミの23/3期950億円に近づく。今後も本来は収益性の高い(ニデックは規模が100億円~200億円では量産効果が出ない)工作機械について、株主価値を高めるためにも企業価値を高めることを怠っている企業について技術を持つ会社の買収を続けるとしている。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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