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バルカー(7995) 24/3Q1決算メモ  ポジティブ継続

24/3期0.3%減収15.5%営利減予想は増額含み、25/3期は再度最高益更新期待

株価3830円(8/8) 時価総額716億円 発行済株18,689千株

PER(24/3DO予:12.2X)PBR(1.48X) 配当(24/3予)150円  配当利回り:3.9%

 

要約

・24/3Q1高機能樹脂拡大で先端産業向け一服も8.6%増収2.2%営利減と収益高水準確保

・24/3期予想に変更なく0.3%減収15.5%営利減予想は増額含みで増収確保見通し

・創業100年に向け長期目標として27/3期に売上高800億円、ROE15%を目指す

 

 

24/3Q1高機能樹脂拡大で先端産業向け一服も8.6%増収2.2%営利減と収益高水準確保

 

 24/3Q1は売上高154.89億円(8.6%増)、営業利益20.01億円(2.2%減)、受注161.45億円(0.5%減)、受注残高145.86億円(1.8%増)と先端産業向け一服も8.6%増収2.2%営利減と収益高水準を確保した。

 

 事業別にシール事業は売上高98.14億円(2.4%増)、営利11.72億円(32.4%減)、受注88.23億円(15.9%減)、受注残57.91億円(9.8%減)に。受注は高シェアのエラストマー製品でフッ素樹脂ガスケットやOリングなど半導体産業向け等が  一服、市場別売上では先端産業向けが36億円(11.1%減)と減収に。一方で機器市場向けは37億円(13.8%増)と一般産業向け販売が増加した。利益面では先端産業向け減少でMIX悪化から大幅減に。機能性樹脂製品は売上高48.95億円(24.8%増)、営利8.34億円(2.5倍)、受注  は64.13億円(29.3%増)。先端産業向けが売上高22億円(10.0%増)と、スクリーンなど好調を維持した洗浄装置向けなど堅調に推移、機器市場も8.5億円 (21%増)と拡大  した。またプラント向けが17.5億円(52.2%増)と高機能品化学品の輸送用途などが伸長した。利益面では高機能製品の拡大、生産拠点整備完了に伴う効率アップ、MIX良化から大幅増益に。再生ウエハ事業他は売上高7.78億円(2.6%増)、営業損失0.05億円(0.15億円改善)、受注9.08億円(16.0%増)に。主力のウエハ再生事業が拡大もH&S事業は停滞、利益は新規事業の停滞が続き黒字転換には至らず。

 

 全体を通じ市場別で先端産業向けが61億円(3%減)と一服、構成比も44.2%から高39.4%に4.8ポイント低下し利益率が低下、2ケタ減益を余儀なくされた。但しプラント向けが46億円(21%増)と健闘、売上を支える形に。

 

24/3期予想に変更なく0.3%減収15.5%営利減予想は増額含みで増収確保見通し

 

 24/3期会社予想に変更はなく、売上高620億円(0.3%減)、営利75億円(15.5%減)、経常利益75億円(16.9%減)、税引利益53億円(21.4%減)予想を据え置いた。

 

 事業別ではシール事業が売上高397億円(1.1%減)、営利55億円(18.4%減)予想。昨今の半導体製造装置の減産を受け、受注回復が遅れOリングなどの需要が減退、先端市場向けが減収見通し。プラント市場向けも大規模メンテナンス向けがウラ期のため減少予想。利益面では減収影響、MIX悪化で利益率の低下を見込む。機能樹脂事業は売上高190億円(0.9%増)、営利20億円(10.6%減)予想。フッ素樹脂特殊タンクの伸びが牽引、自動車生産の回復で一般産業向けの回復も見込まれる。但し利益面ではフッ素樹脂価格上昇などの影響、MIX悪化で23/3期比では微減益見通しとしている。その他事業は売上高33億円(5.9%増)、営利0億円(1億円改善し収支ゼロ)予想。

 

 市場別では先端市場向けが286億円(1.0%減)、機器事業166億円(横ばい)、プラント市場163億円(0.6%増)予想。先端産業向けは半導体分野の低迷でシール事業の減退が主因。機器市場は自動車、産機向けが堅調で、シール、機能性樹脂とも横ばい見通し。プラント関連はシール製品が減少、機能性樹脂はタンク事業などの寄与で横ばい、メンテナンス事業などで拡大予定から、全体では売上横ばい見通しとしている。

 

 利益面では先端市場向けが伸び悩む中で機能樹脂製品の生産効率向上効果、タンク需要拡大によるMIX良化などが寄与、最低限の減益に収まる見通し。

 

 現状、Q1が比較的堅調で、特に機能樹脂製品事業が生産効率の向上などでQ1での営業利益進捗率が41%に達しており、加えて為替前提が1$=130円に対し円安で推移、全体として会社予想に対し若干の上振れが見込まれる。

 

創業100年に向け長期目標として27/3期に売上高800億円、ROE15%を目指す

 

  25/3期は、半導体産業向けの回復が期待され、特に国内での半導体新設工場、関連する化学、ガスなどの新設設備投資が加わり、先端産業向けの再拡大で収益の拡大が見込まれる。このような環境でTSMCなどの国内半導体工場新設を睨み、機能樹脂特殊タンク製品の国内生産能力拡大を目指し愛知県田原市に新工場建設を行う等で対応、再度、最高益更新の期待が高まる。

 

 また同社は創業100周年に向け、長期計画として27/3期に売上高800億円、ROE15%を目標として掲げている。当初の24/3期中計でM&Aを含み売上高700億円、営業利益75億円を目標としていたが、M&Aが不透明ということで売上高620億円、営業利益は変更無く75億円と修正していた。しかし長期計画ではM&A・提携の積極的な実行で売上高800億円へのチャレンジは変更無しとしている。事業としては25/3期に再度最高収益更新が見込まれ、M&Aの実行が計画通りに行われれば、長期経営目標の達成は十分可能とみられる。  株価は24/3期会社予想EPS302円に対しPER12.7倍と、日本ピラー工業の11.5倍、イーグル工業の10.9倍と似通った水準にある。プライム市場機械平均PER16.6倍に対し割安であり、来期は収益の回復が見込まれ最高益更新が期待されることから、ポジティブ継続としたい。

 

 

 

 

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9月1に弊社主催の第1回半導体サミットinTOKYOが開催されます。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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