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チタン原料市場市況2023年10月 中国連休で停滞、川下需要の鈍さも重荷

 2023年10月のチタン原料市場では、全体に動きの鈍さが目立った。中国市場が中秋節と国慶節(建国記念日)の大型連休で休止し、国際市場も取引は縮小した。10月第2週に入り徐々に再開したが、世界景気の減速懸念が根強い中、川下需要も鈍い。国際会議に出席した関係者からは「航空機向け需要は堅調だが、一般材向けは今一つ」との声が聞かれた。

 

チタン精鉱

 

過去3か月間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

 

 

 国際チタン精鉱価格は9月にやや上げ幅を広げたものの、10月に入ってからは横ばい。仲値1トン= 408.5ドルで推移している。世界経済の減速懸念から需要の先行きが不透明で、価格押し下げ圧力が強まっている。川上企業が値下げを拒み、膠着状態となっている。

 中国 国内のチタン精鉱市場もさえない。川下でコスト縮小を目指して輸入物を増やす動きが見られ、国内川上企業への発注が減少している。特に板渓地域産のチタンの受注状況がふるわず、中国のチタン精鉱全体の価格押し下げ圧力となっている。

 チタンの原材料となるルチルも川下需要の低さから余り気味。一部では価格引き下げの動きもあったようだ。

 

二酸化チタン

 

過去3か月間の二酸化チタン価格の推移(ルチルTI02 93%min Gob China)($/ton)

 

 国際二酸化チタン価格は9月下旬に仲値で1トン=2300ドルに上昇した後、10月に入ってからは横ばいが続く。5月以来の高値水準となっている。

 中国国内の二酸化チタン工場は連休前の受注の処理にかかっているところ。中国のルチル型二酸化チタン市場の現在の主流価格は16500-17300元/トン、アナターゼ型二酸化チタン市場の主流価格は1トン=1万4800-1万5600元程度が中心だ。

 

チタンスラグ

 これまでの中国のチタン精鉱の価格上昇や電気料金の上昇などの要因により、酸性チタンスラグ企業の新規注文価格は地合いが強め。現在の見積もりは非常に強く、その中で雲南省地域の酸性チタンスラグの価格は主に1トン=4850〜5000元となっている。

 

チタンスポンジ

 

過去3か月間のチタンスポンジ価格の推移(99.7% Ti China)($/kg )

 

  国際価格は8月下旬に1kg=6956元の直近安値を付けてから小反発。9か月下旬からは7521元と8月初旬以来の高値圏で推移する。ただ、この水準は抜けきれず、勢いは鈍い。中国の川下企業の需要が鈍く、必要なだけの少量注文が中心となっている。国際市場を含め全体に取引量が少なく、価格の変動も乏しい。

 

四塩化チタン

 

過去3か月間の四塩化チタン価格推移(99.99%min EXW China)(Rmb/mt)

 

 

 9月下旬に仲値で単位当たり6550元を付けてから横ばい。2020年秋以来ほぼ3年ぶりの低空飛行が続く。中国北東部にある工場からの供給は減少しているが川下の需要も限られ、需給ともに縮小している。川上企業の顧客は古くからの馴染み客に限られている状況だ。

 

フェロチタン

 

過去3か月間のフェロチタン価格の推移(Ti 70% EU)($/kg Ti)

 

 国際価格は10月5日に仲値1kg=6.45ドルとほぼ2か月ぶりの水準に上げた。ただ、一段の上昇の勢いは鈍い。連休明けから中国の製鉄所がフェロチタン入札を再開し、全体的な購入数量は比較的増加している。原材料価格の上昇も追い風に価格を支えるが、川上企業の競争が激しく、価格の上値を抑えている。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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