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2023年9月(速報) 鉄鋼生産概況(銑鉄及び粗鋼生産 詳細)

 2023年10月23日、日本鉄鋼連盟が9月の鉄鋼生産概況(速報)を発表した。

 2023年9月(速報)の粗鋼生産量は702.0万トン、前月8月実績(714.7万トン)比1.8 %減、前年同月(714.0万トン)比でも1.7 %減となり、前年同月比では2か月連続の減少の見通しとなった。9月(速報)によれば1日当たり粗鋼生産量では23.4万トンとなり、8月の同23.1万トンに比べ約3千トン増加し、1.5 %増となる。

 

 2023年1月~2023年9月(速報)の粗鋼生産量は6,538.7万トン、暦年換算では、8,718.3万トンとなり、2022暦年:8,922.7万トン)を下回る見通し、

 9月速報によれば、2023年度上半期の粗鋼生産量(速報)は、4,376.3万トンとなり、2022年度上半期(4,480.4万トン)を下回る見通しとなる。

 

 北野鉄鋼連盟会長は、2023年5月の定例会見で、2023年度の粗鋼生産量を『9千万トン~9,500万トン」と予測し、22年度に比べ若干上振れするとの見方を示していたが、9月26日の定例会見にて、「粗鋼生産ベースでは9千万トンを割るレベルになるのでは」と修正した。国内においては、半導体など部品供給網の正常化に伴い、自動車向けが回復しつつある一方、人手不足や資材価格高騰などで建設向けが弱含んでいることがその要因の一つであり、海外に関しては、中国の動向が懸念材料になっている。

 

 表1に全国鉄鋼生産高 2023年9月(速報)及び2023年8月実績(確定)を示す。

 

表1 全国鉄鋼生産高 2023年9月(速報)2023年8月実績(確定)

8月実績(確定)は、前月速報値を修正(黄色マーカー部)粗鋼生産量も速報から修正されている。

 

○ 銑鉄生産は 508.4万トンと前月比5.5 %減、前年同月比0.5 %増となり、前年同月比では2か月ぶりの増加。

○ 粗鋼生産は702.2万トンと前月比1.8 %減、前年同月比1.7 %減となり、前年同月比では2か月連続の減少となった。9月の1日当たり粗鋼生産は23.4万トンで、8月の同23.1万トン比1.5 %増。

○ 炉別生産では、転炉鋼が514.4万トンと前月比6.6 %減、前年同月比0.1 %増、電炉鋼が187.7万トンと前月比14.5 %増、前年同月比6.2 %減となり、前年同月比では転炉鋼は2か月ぶりの増加、電炉鋼は14か月連続の減少。

○ 鋼種別生産では、普通鋼が557.0万トンと前月比3.7 %減、前年同月比1.5 %減、特殊鋼が165.1万トンと前月比 5.2 %増、前年同月比2.2 %増となり、前年同月比では普通鋼は21か月連続の減少、特殊鋼は2か月連続の減少。

○ 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は632.7万トンと前月比0.2 %減、前年同月比1.3 %増となり、前年同月比では2か月ぶりの増加。

○ 普通鋼熱間圧延鋼材の生産は492.8万トンと前月比2.7 %増、前年同月比1.6 %増となり、前年同月比では4か月連続の増加。

○ 特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は139.9万トンと前月比9.7 %増、前年同月比0.3 %増となり、前年同月比では2か月ぶりの増加

 

<銑鉄生産高>

 

 図1に、1925年~2023年9月(速報)までの銑鉄及び粗鋼生産推移(昭和1年~令和4年度は月換算)を示す。

 

図1 銑鉄及び粗鋼生産推移 2023年9月(速報)まで[昭和1年~令和4年度(確定)は月換算]

 

 銑鉄(青色 折れ線)の月生産量は、2021年度では5月のみ600万トン台を上回ったが、その後は600万トンを下回る減少傾向を示し、2022年度は520万トンを前後しながら推移した。2023年は、微増傾向にあったが、9月(速報)は減少の見通し。

 

 2023年1~3月期の銑鉄生産量は、1,567万トンと前年同期(1,675万トン)比6.4 %減となった。月換算522.3万トン。

 2023年4~6月期の銑鉄生産量は1,591.7万トンと前年同期(1,628.2万トン)比2.2 %減となった。月換算530.6万トン。

 2023年7~9月(速報)期の銑鉄生産量は1,595.0万トンと前年同期(1,574.2万トン)比1.3 %増の見通し。月換算531.7万トン。

 

 2023暦年上期(1~6月期累計)の銑鉄生産量は3,158.7万トンと前年同期(3,303万トン)比4.4 %減となった。月換算526.5万トン。

 2023暦年上期[1~9月(速報)期累計]の銑鉄生産量は4,753.7万トンと前年同期(4,877.2万トン)比2.5 %減の見通し。月換算528.2万トン。

 

<2023年9月 銑鉄生産高 (速報)>

○ 銑鉄生産は 508.41万トンと前月(538.1万トン)比5.5 %減、2022年9月(505.7万トン)比では0.5 %増となり、前年同月比では2か月ぶりの増加の見通し。

 2022暦年の銑鉄生産量の月平均は534.6万トン、2022年度の月平均は525.6万トンであり、9月(速報)は、これらを下回る見通し。

 

<2023年8月 銑鉄生産高 (実績)>

○ 銑鉄生産は 538.1万トンと7月(548.4万トン)比1.9 %減、2022年8月(541.8万トン)比0.7減となり、前年同月比では2か月ぶりの減少となった

 

<粗鋼生産高>

 

 2022年度粗鋼生産量実績:炉別では、転炉鋼が6,432.6万トン[前年(7,115.2万トン)比9.6 %減]、電炉鋼が2,351.1万トン[同年(2,448.5万トン)比4.0 %減]となり、前年度比では、転炉鋼、電炉鋼ともに2年ぶりの減少となった。粗鋼合計(8,783.7万トン)に占める電炉比は26.8 %と前年の25.6 %から1.2ポイント上昇した。

 

 2023年1~3月期の粗鋼生産高は、2,162.3万トンと前年同期(2,301万トン)比6.0 %減となった。

 2023年4~6月期の粗鋼生産高は、2,221.4万トンと前年同期(2,298.4万トン)比3.4 %減となった。

 2023年7~9月(速報)期の粗鋼生産高は、2,155.0万トンと前年同期(2,182万トン)比1.2 %減の見通し。

 

 2023暦年上期(1~6月期)の粗鋼生産高は、4,383.7万トンと前年同期(4,600万トン)比4.7 %減となった。

 2023暦年上期[1~9月(速報)期)の粗鋼生産高は、6,538.7万トンと前年同期(6,781.6万トン)比3.6 %減の見通し。

 

<2023年9月 粗鋼生産高 (速報)>

○ 粗鋼生産 は702.0万トンと前月(714.7万トン)比1.8 %減、前年同月(714.0万トン)比1.7 %減となり、前年同月比では2か月連続の減少の見通し。

9月の1日当たり粗鋼生産は23.4万トンで、8月の同23.1万トン比1.5 %増の見通し。

 

 2022暦年の粗鋼生産高の月平均は743.6万トン、2022年度では732万トンであり、8月(速報)では、暦年及び年度月平均を下回る見通し。

 

<2023年8月 粗鋼生産高 (実績)>

○ 粗鋼生産 は714.7万トンと前月(738.3万トン)比3.2 %減、前年同月(735.9万トン)比2.9 %減となり、前年同月比では2か月ぶりの減少となった。

8月の1日当たり粗鋼生産は23.1万トンで、7月の同23.8万トン比3.2 %減。

 

《炉別粗鋼生産高》

 2023年1~3月期の転炉鋼生産高は、1,601万トンと前年同期(1,708万トン)比6.3 %減となった。

 2023年1~3月期の電炉鋼生産高は、561万トンと前年同期(594万トン)比5.6 %減となった。

 

 2023年4~6月期の転炉鋼生産高は、1,619.8万トンと前年同期(1,669.7万トン)比3.0 %減となった。

 2023年4~6月期の電炉鋼生産高は、601.5万トンと前年同期(628.8万トン)比4.3 %減となった。

 

 2023年7~9月(速報)期の転炉鋼生産高は、1,626.4万トンと前年同期(1,606.6万トン)比1.2 %増の見通し。

 2023年7~9月(速報)期の電炉鋼生産高は、528.6万トンと前年同期(575.4万トン)比8.1 %減の見通し。

 

 2023年1~6月期の転炉鋼生産高は、3,221万トンと前年同期(3,377万トン)比4.6 %減となった。

 2023年1~6月期の電炉鋼生産高は、1,162.7万トンと前年同期(1,222万トン)比4.9 %減となった。

 

 2023年[1~9月(速報)期]の転炉鋼生産高は、4,847.5万トンと前年同期(4,984.1万トン)比2.7 %減となった。

 2023年[1~9月(速報)期]の電炉鋼生産高は、1,691.2万トンと前年同期(1,797.7万トン)比5.9 %減となった。

 

<2023年9月 炉別生産高 (速報)>

○ 炉別生産 では、9月は、転炉鋼が514.3万トンと前月(550.7万トン)比6.6 %減、前年同月(513.9万トン)比0.1%増、電炉鋼が187.7万トンと前月(163.9万トン)比14.5 %増、前年同月(200.0万トン)比6.2 %減と、前年同月比では転炉鋼は2か月ぶりの増加、建築向けが多い電炉鋼は伸び悩み14か月連続の減少の見通しとなった。

 

 2022暦年の転炉鋼生産高の月平均は、545万トン、電炉鋼生産高の月平均は198.6万トン。2022年度では、転炉鋼が536.1万トン、電炉鋼が196万トンとなり、

 9月(速報)では、転炉鋼、電炉鋼共に下回る見通し。

 

<2023年8月 炉別生産高 (実績)>

○ 炉別生産 では、8月は、転炉鋼が550.7万トンと前月(561.4万トン)比1.9 %減、前年同月(557.7万トン)比1.3 %減、電炉鋼が164.0万トンと前月(176.9万トン)比7.3 %減、前年同月(178.3万トン)比8.0 % 減と、前年同月比では転炉鋼は3か月ぶりの減少、建築向けが多い電炉鋼は伸び悩み13か月連続の減少となった。

 

 図2には、平成17年度からの銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材の月別生産高推移(平成17年~令和4年度実績は月換算)を示す。

 

図2 銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材の月別生産高推移(平成17年度~令和4年度実績は月換算)
 

 図2に示すように、電炉比(濃青 折れ線 右軸)は、2022年1月は25.0 %を下回ったが、6月に28.8%と最高値を示した。夏季定修の8月は24 %台に減少したものの、その後は約28 %台を推移した。1月13日にJFE-Sの第6高炉が火入れにより稼働を再開し、2月以降は約2 %減となり、8月(実績)は、電炉の夏季定修もあり、電炉比は22.9 %に落ち込んだが、9月(速報)では、26.7 %に戻す見通し。

 

 表2に比較データ 粗鋼炉別構成比を示す。

 

表2 粗鋼炉別構成比推移

 

<鋼種別粗鋼生産高>

 2023年1~3月期の普通鋼合計は、1,692万トンと前年同期(1,665万トン)比1.6 %増。

 2023年1~3月期の特殊鋼生産高は、470.3万トンと前年同期(476.3万トン)比1.3 %減となった。

 

 2023年4~6月期の普通鋼合計は、1,734万トンと前年同期(1,782.4万トン)比2.7 %減。

 2023年4~6月期の特殊鋼合計は、487.4万トンと前年同期(516万トン)比5.5 %減となった。

 

 2023年7~9月(速報)期の普通鋼合計は、1,658.7万トンと前年同期(1,670.2万トン)比0.7 %減。

 2023年7~9月(速報)期の特殊鋼合計は、496.3万トンと前年同期(511.8万トン)比3.0 %減の見通し。

 

 2023年1~6月期の普通鋼合計は、3,426万トンと前年同期(3,545.5万トン)比3.4 %減。

 2023年1~6月期の特殊鋼合計は、957.7万トンと前年同期(1,054.1万トン)比9.1 %減となった。

 

 2023年[1~9月(速報)期]の普通鋼合計は、5,074.8万トンと前年同期(5,215.7万トン)比3.5 %減。

 2023年[1~9月(速報)期]の特殊鋼合計は、1,445.1万トンと前年同期(1,565.9万トン)比7.7 %減の見通し。

 

 図3に2019年1月からの、銑鉄、粗鋼及び熱間圧延鋼材の月別推移を示す。

 

図3 銑鉄、粗鋼及び熱間圧延鋼材の生産高推移 月別実績(2023年9月は速報値)

 

<鋼種別生産 2023年9月(速報)>

○ 鋼種別粗鋼生産 では、普通鋼が537.0万トンと前月(557.8万トン)比3.7 %減、前年同月(545.2万トン)比1.5 %減、特殊鋼は165.1万トンと前月(156.9万トン)比5.2 %増、前年同月(168.8万トン)比2.2 %減と、前年同月比では普通鋼は21か月連続の減少、特殊鋼は2か月連続の減少の見通しとなった。

 

2022暦年の普通鋼の月平均は573.5万トン、特殊鋼が170.2万トン。2022年度では、普通鋼の月平均が567.4万トン、特殊鋼が164.5万トン。

 9月(速報)では、普通鋼は暦年及び年度月平均を下回る見通しとなったが、特殊鋼は年度月平均並となる見通し。

 

<鋼種別生産 2023年8月(実績)>

○ 鋼種別粗鋼生産 では、普通鋼が557.8万トンと前月(564.0万トン)比1.1 %減、前年同月(560.6万トン)比0.5 %減、特殊鋼が156.9万トンと前月(174.3万トン)比10.0 %減、前年同月(175.4万トン)比10.5 %減と、前年同月比では普通鋼は20か月連続の減少、特殊鋼は2か月ぶりとなった。

 

 表3に比較データ 8月(確定)までの粗鋼生産高月換算値推移示す。

 

表3 比較データ <2018年度~2023年度8月確定 粗鋼生産量:月換算>

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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