阪和興業:2024年3月期 第2四半期決算で連結経常利益は前年同期比48.2%減
阪和興業が11月8日に決算を発表。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比48.2%減の274億円に落ち込んだが、通期計画の500億円に対する進捗率は54.9%となり、5年平均の53.3%とほぼ同水準だった。
阪和興業のリリースによると
第2四半期連結累計期間では、先行きの不透明感から鋼材需要やスクラップ需要などが減少したことに加え、鋼材や非鉄金属、原油などの商品価格が前年同期比では低い水準で推移したことにより、売上高は前年同期比10.3%減の1兆2,012億76百万円となりました。利益面では、食品事業を除く全ての事業セグメントで減益となり、営業利益は前年同期比36.3%減の263億39百万円となりました。また、プライマリーメタル事業を中心に持分法による投資利益が減少したこと、戦略的投資先などからの配当収入が減少したことや前期に差益であった為替差損益が差損に転じたことなどから、経常利益は前年同期比48.2%減の274億44百万円に、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比48.7%減の190億76百万円となりました。
【セグメント別の状況】
鉄鋼事業においては、景気後退懸念などを背景とする鉄鋼需要の低迷の影響もあり、全体として取扱量が減少したものの、国内建設分野などでのソリューション機能の強化に伴い取扱い案件が増加したことに加え、前第3四半期連結会計期間に連結子会社化した田中鉄鋼販売㈱の業績寄与もあり、増収となりました。
一方、利益面では、鉄鋼製品市況下落の影響を受け、海外子会社を中心に利幅が縮小しました。これらの結果、当事業の売上高は前年同期比2.9%増の6,285億71百万円、セグメント利益は前年同期比25.7%減の133億54百万円となりました。
プライマリーメタル事業においては、需要低迷を背景にステンレス鋼板などのステンレス製品の取扱量が減少したことに加え、各種商材価格が調整局面を迎えたこともあり、減収となりました。また、戦略的投資先などからの配当収入の減少や、SAMANCORCHROMEHOLDINGSPROPRIETARYLTD.からの持分法による投資利益の減少が利益を押し下げました。
これらの結果、当事業の売上高は前年同期比11.5%減の1,107億64百万円、セグメント利益は前年同期比43.8%減の70億70百万円となりました。
リサイクルメタル事業においては、各国の景気後退懸念などからベースメタルの国際価格が前年同期に比べ安値で推移したことに加え、ステンレススクラップを中心に需要減退の影響を受け取扱量も減少しました。また、ヘッジ目的の商品先渡取引の評価益の計上額が前年同期比で縮小しました。
これらの結果、当事業の売上高は前年同期比25.3%減の581億85百万円、セグメント利益は前年同期比84.8%減の8億24百万円となりました。食品事業においては、鮭や海老、鶏肉を中心に仕入コスト上昇分の価格転嫁が進んだ一方、カニ相場下落の影響などを受けました。これらの結果、当事業の売上高は前年同期比0.2%減の613億36百万円、セグメント損益は1億22百万円の損失(前年同期は、2億25百万円の損失)となりました。
エネルギー・生活資材事業においては、PKS(パーム椰子殻)やウッドペレットを中心に取扱量は拡大したものの、石油製品価格が前年同期に比べ安値で推移した影響が大きく、収益・利益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前年同期比17.2%減の1,503億13百万円、セグメント利益は前年同期比78.1%減の14億58百万円となりました。海外販売子会社においては、海外における鉄鋼需要の低迷に伴い、インドネシアや米国の販売子会社を中心に取扱量が減少しました。また、鉄鋼製品や非鉄金属製品の市況下落が海外販売子会社全体の利幅を押し下げました。これらの結果、売上高は前年同期比33.2%減の1,703億14百万円、セグメント利益は前年同期比17.4%減の44億85百万円となりました。
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