日本のニッケル鉱石輸入は、2023年の輸入量が過去最低だった2020年の半分以下で推移している。年前半、フィリピンからの輸入無い月が多かったが、年後半になってニューカレドニアからの輸入無い月が増えてきた。
【1】ニッケル鉱石輸入概況
財務省の貿易統計によると、2023年10月のニッケル鉱石輸入量は5万770トン、前月2か月ぶりに10万トンを超えたが、再び大きく割り込んだ。また前年同月比76.9%減少し、2か月ぶりにマイナスに戻した。前月は16ヶ月ぶりのプラスだった。

10月のニッケル鉱石の輸入平均単価は、トンあたり1万50円、前月より1,768円安だった。
2023年1-10月の同累計輸入量は95万5千トン、前年比57.6%減少した。過去最低の輸入量だった2020年でも同累計が200万トンを超えており、それを大きく下回る異常事態継続中である。
【2】輸入先別
今回10月は、フィリピンからの輸入だけだった。ニューカレドニアからの輸入は、2か月ぶりに無かった。これで2023年に入ってニューカレドニアからの輸入が無かった月は、2回となった。同統計が公開されている1988年以降で見ても、ニューカレドニアからの輸入が1年で2回無かったのは、リーマンショック直後の2009年以来である。

2023年10月のニッケル鉱石の主要な輸入先と輸入量、トン当たりの輸入平均単価、前月との単価差は以下の通りである。
フィリピン 5万 770トン 1万 50円(1,989円高)
フィリピンからの同輸入平均単価が1万円を超えたのは、4か月ぶりだった。
【3】税関別
税関別に見ると、今回10月は八戸だけ輸入があった。その八戸の輸入平均単価は、細島や宮津よりも安価で推移している。

※記事内のグラフ・図表は、MIRU.comにて作成
(IRUNIVERSE / K.AKIYAMA)