山陽特殊鋼:ESG説明会を開催した模様
12月13日15時、山陽特殊鋼は、ESG説明会を開催した模様。説明に使われた資料はこちら。
<経営理念・中期ビジョン>
〇経営理念「信頼の経営」
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇2025年度中期経営計画見直しにより、企業価値向上を加速
2025年度にROE8%を目指しつつ、早期のPBR1倍を目標とし、グローバルな特殊鋼市場での企業価値・プレゼンスの更なる向上を図る
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇2025年度中期経営計画を見直し、新たな目標に向かう
●中期経営計画の進捗と新たな目標
出所:会社発表資料よりIRU作成
●PBR1倍に向けたROE・PER向上施策
持続的利益成長×更なる成長機会の探索
• 事業基盤の強化とグローバル市場での企業価値及びプレゼンスの向上に資する機会探索
ROE目標の見直し
• 2025年度ROE目標を8%に上方修正(のれん償却除く)
IR活動の強化
• 投資家との継続的な対話を通じ、カーボンニュートラルやESG取り組み状況を訴求
政策保有株式の保有見直し
• 株式の市場流通を促進
配当方針の改定
• 連結配当性向35%程度を基準に
〇同社が認識する重要課題と本日のご説明項目
E:気候変動防止。S:ダイバーシティ経営の推進、健康経営の推進、人材育成、人権の尊重、持続可能な調達の実現。G:コーポレート・ガバナンス
〇感謝を胸に90周年 進め100年 その先へ
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇経営理念・中期ビジョン キーメッセージ
経営理念「信頼の経営」
• マルチステークホルダーに対し「信頼の経営」を実践することで、持続的な成長を実現
2025年中期経営計画見直しにより、企業価値向上を加速
• 2023年7月に中期経営計画を上方修正(2025年度にROE8%)
• ESGの取り組み強化等の施策により、早期のPBR1倍を目指す
同社が認識する重要課題
• E:気候変動防止、S:ダイバーシティ経営、健康経営の推進、人材育成、人権の尊重、持続可能な調達の実現、G:コーポレート・ガバナンスについて、説明
感謝を胸に90周年 進め100年 その先へ
• これまで長年にわたって支えてくださった皆様への感謝を胸に、創業100年に向けさらなる高みへ
<ENVIRONMENT(環境)>
〇2050年カーボンニュートラル実現は経営の最優先課題
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇4つの取り組みでカーボンニュートラル実現を推進
代表取締役社長を委員長とする「カーボンニュートラル推進委員会」を中心に推進
●自社のCO2排出削減施策・・・2030年度削減目標:▲50%以上(2013年度比)
• エコプロセス
エネルギー効率を高める製造技術開発を推進(2023年度より、インターナルカーボンプライシングを導入)
• グリーンエネルギー活用
カーボンフリー電力や脱化石燃料、自然エネルギーの活用(2022年度より、一部再エネ由来電力の活用を開始。 2024年夏頃より、本社工場で太陽光発電を開始予定)
●バリューチェーン等のCO2排出削減施策・・・2030年度削減貢献目標:▲40%相当(2013年度比)
• エコプロセス
需要家のエコプロセスに貢献する商品の開発・供給を推進
• エコソリューション
省エネや生産性向上技術をOvako、SSMI等の海外グループ会社に展開
〇CO2排出削減への取り組み(エコプロセス)
●高効率エアパージバーナーを電気炉に導入
LNG及び酸素使用方法を最適化し、CO2排出削減に有効な高効率エアパージバーナーを電気炉に導入・・・LNG使用量導入前比▲16%
〇CO2排出削減への取り組み(エコプロセス)
●リジェネバーナー式連続加熱炉の導入
蓄熱器を搭載した1対2台のバーナーが交互燃焼を繰り返しながら一方のバーナーからの排気を他方のバーナーの燃焼用空気の昇温に活用することで燃焼効率を改善・・・省エネ効果導入前比▲10%以上
●長寿命軸受鋼
耐久性・信頼性向上による部品の小型・軽量化
長寿命化による故障率低減・メンテフリー化(CO2削減効果は推計で1.3万トン/年)
●工程省略鋼
熱処理の省略・簡略化(高強度肌焼鋼:ECOMAXシリーズ)
新成分+新熱処理技術による部品硬化熱処理負荷の軽減(高硬度高靭性鋼:TOUGHFIT)
●耐熱ステンレス鋼管
高強度化による熱回収効率向上
高耐食性化によるごみ発電高効率化
●ECOMAXシリーズの紹介
工程省略・簡略化に向けた特徴(ユーザーメリット)・・・部品製造工程の省略・簡略化によりCO2排出削減に貢献
①短時間の熱処理で炭化物が球状化・SA(球状化焼なまし)簡略化に寄与
②冷鍛割れが生じにくい特性・ニアネットシェイプと好相性
③優れた耐結晶粒粗大化特性・冷鍛-浸炭プロセスでの焼ならし省略や、高温迅速浸炭に適する
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇海外子会社も含めてカーボンニュートラル実現へ
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇Environment(環境) キーメッセージ
●2050年カーボンニュートラル実現は経営の最優先課題
• 2022年度時点で、2013年度比△36%とCO2排出量削減は順調に推移
• 2024年度にはSBT認定コミット予定。2030年度には、2013年度比▲50%以上の削減目標を達成し、2050年カーボンニュートラルを見据えて次のステップへ
●4つの取り組みでカーボンニュートラルを推進
• 自社並びにバリューチェーン等でのCO2排出削減に資する各種取り組みを加速
●海外子会社も含めてカーボンニュートラル実現へ
• Ovako、SSMIと共に定めた削減目標に向け、先進的な取り組みを推進
(Ovakoはオフセットプログラムの活用により、既にカーボンニュートラル実現)
• グループ内でノウハウを共有し、グループ全体でカーボンニュートラルに貢献
<SOCIAL(社会)>
〇経営理念を実践するための人的資本戦略
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇人的資本戦略に基づき、各種施策を推進中
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇女性活躍推進は着実に進捗
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇人権方針を策定し、今後PDCAサイクルを回す
●人権尊重を意識した取り組みの実施
• 「人権尊重」をより強く意識付けするコンプライアンス教育
• 自社、グループ会社及びサプライヤー等における人権デューデリジェンス( Ovakoの取り組みも参考に)
• 人権への取り組み状況に関する取締役会での定期的な報告
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇グループ内外で連携し、持続可能な調達を実現
●グループ会社内での発生鉄スクラップ有効活用強化・・・日本製鉄グループならではの強み
●パートナーシップ強化・・・サプライヤー表彰制度、パートナーシップ構築宣言、サプライヤーとの共存(鉄スクラップの安定調達を目指し、出資などを通じてサプライヤーとの関係性を強化。現状、調達量の約半数を資本関係先より確保)
〇Social(社会) キーメッセージ
経営理念を実践するための人的資本戦略
• 社員が活躍できる環境を整備し、「自律考動型人材育成」と「多様な個人による共創」を通じたエンゲージメント向上により、「信頼の経営」を実践できる人材を育成
人的資本戦略に基づき、各種施策を推進中
• 女性活躍推進は着実に進捗。更なる高みに向け、取り組みを加速
• 現中期経営計画最終年度をマイルストンとし、多様な個人による共創体制を整備
人権方針を策定し、今後PDCAサイクルを回す
• 2023年度に人権方針を策定・公表。今後、人権デューデリジェンスのPDCAサイクルを回すことで、実効性を高める
グループ内外で連携し、持続可能な調達を実現
• 親会社や取引先との強固な関係構築により持続可能性を追求
<GOVERNANCE(ガバナンス)>
〇コーポレート・ガバナンスの充実、更なる強化を目指す
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇取締役会実効性向上のための仕組み化
●2022年度の課題と取り組み
① 役員トレーニングの機会充実
• 外部機関専門家及び当社取締役を講師とした講演会実施
② 社内取締役・社外取締役間の対話の場の充実
• 取締役開催日に意見交換会実施
③ 取締役会資料の簡素化・ペーパレス化
• 2022年4月以降、ウェブ会議を活用したペーパレス会議に移行
④ 全社的・中長期的な視野に立った議論の更なる充実
• 中期経営計画(2025年計画)の進捗状況報告を取締役会にて年2回実施
⇒2023年度は、中期経営計画リバイスの内容も議論
●2023年度の課題
① 取締役会メンバーの多様性検討
② 取締役会メンバー間交流の充実
③ 役員トレーニングの機会充実
④ 取締役会資料の更なる簡素化・重点化
⑤ 取締役会開催前における事前説明の効率的運営
〇社外取締役の積極的な経営参加
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇グローバルな対話を通じてガバナンス向上を追求
同社社外取締役×Ovako社外取締役
●アジェンダ
カーボンニュートラル
• Ovakoの水素転換ノウハウを享受しつつ、共にグリーンな製造プロセスの可能性を模索
D&I
• 欧州での女性活躍による企業パフォーマンス向上事例を共有、ダイバーシティの重要性を認識(Ovako 女性管理職比率:約20%)
• 女性雇用の強化は、今後も積極的にかつ根気強く実施する必要性を確認
〇「信頼」を起点としたガバナンスの深化
出所:会社発表資料よりIRU作成
〇Governance(ガバナンス) キーメッセージ
コーポレート・ガバナンスの充実、更なる強化を目指す
• 形式的ではなく、実効性を重視したコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおり、今後も経営として一層の高度化に努める
取締役会実効性向上のための仕組み化
• 第三者機関のアンケートも交え、PDCAサイクルを回すことで、取締役会の機能を継続的に向上
社外取締役の積極的な経営参加
• 社外取締役がリスクマネジメント委員会にも参加する等、ガバナンスを持続的に強化
グローバルな対話を通じてガバナンス向上を追求
• 同社×Ovako社の社外取締役で対談実施。今後も両社社外取締役のコミュニケーションを深め、グループを挙げてガバナンス向上に取り組む
「信頼」を起点としたガバナンスの深化
• 今後もマルチステークホルダーへの真摯な対応を継続し、企業価値向上を図る
(IRuniverse 井上 康 )
関連記事
- 2024/04/29 世界の粗鋼生産量:2024年3月(速報) 1億6千万トンを上回る見込み
- 2024/04/27 韓国2024年3月鉄スクラップ輸出入 日本からの輸入42万トン 輸出2千トン
- 2024/04/27 韓国2024年3月SUSスクラップ輸出入 日本からの輸入2万6千トン、輸出2千トン
- 2024/04/26 東京製鐵:24/3期決算を発表し説明会を開催
- 2024/04/26 【貿易統計/日本】 2024年3月のフェロニッケル輸出統計
- 2024/04/26 【貿易統計/日本】 2024年3月のニッケル(鉱石&地金)輸出入統計
- 2024/04/26 【貿易統計/日本】 2024年3月の日本のステンレススクラップ輸出入統計
- 2024/04/26 【貿易統計/日本】 2024年3月の鉄鋼スクラップ輸出入推移一覧表
- 2024/04/26 LMEニッケル相場 供給過剰構造ながらも23年9月下旬以来の高値へ しかし天井感あり
- 2024/04/26 ニッケルブログ#13 なぜ政策立案者はニッケルに関心を持たなければならないのか?