バッテリー鉱物のパン・アジア・メタルズ、チリのアタカマ塩湖でリチウム資産買収
2024/01/04 09:16
タイやシンガポールに拠点を置くバッテリー材料鉱物の探査・生産企業のパン・アジア・メタルズ(Pam Asia Metals、PAM)は1月2日、上場するオーストラリア証券取引所(ASX)で、「南米チリのアタカマ塩湖のリチウム鉱山資産を買収する」と発表した。2024年初めにもチリの政府当局とリチウム開発について協議する。
発表によると、買収するのはチリ北部に位置するアタカマ塩湖の「タマ・アタカマ・リチウム・ブライン・プロジェクト」。該当地域は12万ヘクタールもの広さで、南米最大規模のリチウム塩水プロジェクトとされる。PAMが買収した地区でも、南北160キロメートルにわたる広範囲でリチウムの生産が可能という。PAMはもともと、同地域の鉱物権に関し優先権を持っていた。
チリは電気自動車(EV)向けバッテリー材料の増加期待を視野に、国家を挙げてリチウム生産を進める。アタカマ塩湖のリチウム資産を巡っては、2023年12月、チリ政府系で銅世界最大手のチリ銅公団(コデルコ)と、チリの民間企業でリチウム生産世界2位のソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ(SQM)が、官民提携すると発表したばかりだった。
関連記事: チリ(南米)のボリッチ大統領のリチウムビジネスの展開を発表:事実上の国営化 | MIRU (iru-miru.com)
今回の買収はPAMにとって収益拡大の好機と評価され、発表直後のASXでPAM株は急伸した。
(IR Universe Kure)
関連記事
- 2025/08/21 欧州からの風:August 2025 「使用済自動車規則案:議会・委員会による修正案採択に対する欧州自動車工業会の反応は?」
- 2025/08/21 チタン:中国スポンジチタンの輸出について(25年6月):米国向け5ヵ月連続ゼロ
- 2025/08/20 レアメタル千夜一夜 第72夜 技術立国日本の未来—レアメタル技術の新たな時代を切り拓く
- 2025/08/20 バッテリー動向・関税などのマクロ経済の視点で語られる②、日本からは棚町氏―GBRC 2025 SMM#2
- 2025/08/20 国内よう素PSI実績Report #7 2025年前半国内販売量 3年ぶり増加
- 2025/08/20 国内酸化チタンPSI実績Report #40 2025年前半アナテーゼ型販売量大幅減少
- 2025/08/20 欧州からの風:July 2025 「欧州委員会、金属スクラップの輸出入監視を導入」
- 2025/08/20 GBRC 2025 SMMバッテリーリサイクル・循環産業大会アーカイブ
- 2025/08/19 チタン:英国スポンジチタン国別輸入量(25年6月)
- 2025/08/19 バッテリー動向・関税などのマクロ経済の視点で語られる①――GBRC 2025 SMM#1