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新金属協会 賀詞交歓会兼表彰式 甲辰の願い叶う年へ

 

2024年1月15日、東京都内のホテルにて一般社団法人新金属協会による「令和6年賀詞交歓会及び第24回表彰式」が開催された。
開催に先立ち、1月初頭に発生した令和6年能登半島地震の被災者に対する黙祷が捧げられ、厳かな空気の中賀詞交歓会がスタートした。
最初に表彰式が行われ、元株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン所属の鈴木啓二氏と、JX金属株式会社の三浦浩氏が、それぞれ第24回協会事業功労賞を受賞する事となった。

 



表彰式の様子

 

表彰式後は会長の挨拶となり、会長である諏訪邉 武史氏が登壇された。
始めに能登半島を中心とする地震における被害を悼むと共に、本賀詞交歓会が新型コロナウイルス感染症の影響もあって4年ぶりの再開となった事をアピールした。



諏訪邉 武史氏

 

挨拶抜粋

 コロナ禍の収束に伴う活気の復調は見られるものの、ロシアとウクライナ情勢を始めとした国際情勢の悪化や地政学的リスクが経済に暗い影を落としている。
新金属協会としては、足元における電子機器需要の低下や核燃料加工業界の向かい風が強い中でありながら、中長期的な産業の展望をもたらす高機能素材産業は日本のストロングポイントとして現在も脈々と続いている。

 政府が経済安全保障推進法に基づいた重要鉱物や半導体、永久磁石の強靭化を図る姿勢を受けて、新金属協会としても懸念国からの供給途絶をリスクとして見据えたサプライチェーンの補完や優れた素材の安定供給の為の連携を旨としていく。
また磁石用希土類リサイクルに携わる部会と研究会を立ち上げ、部会は9つへと増加し関連する研究開発を積極的に行っていく予定である。

 


続いて経済産業省 製造産業局 内閣官房審議官である浦田 秀行氏が挨拶を行った。
能登半島における災害復興の為のプッシュ型支援、コンビニエンスストアを始めとした店舗への支援の強化や被災地の中小企業に対する支援策の設定を行っていくと力強く語りスタートした。

 


浦田 秀行氏
 


挨拶抜粋

 昨年の国内経済については、ポストコロナの社会経済に活気が戻り始めた。本イベントの様な新年賀詞交歓会が開催されていることは、何よりの証左と言えるだろう。
企業における設備投資額も100兆円規模と見込まれており、昨年のハイレベルな賃上げも相まって潮目の変化を感じている。
コストカット型の経済体制から、成長型経済への転換を果たしていく為昨年末はGXや経済安全保障等の後押しを行う経済対策を発表させて貰った。

 経済安全保障製作に対する関心が高いと思われるが、米国大統領選挙等多くの重要な選挙が控えている事もあって国際社会の動きは慌ただしい。
特定の国や地域に依存しない自立性の高い経済構造と研究開発による技術・産業面での競争力の向上、技術リースの為の投資といった側面から強化を図っていく。
産業基盤を守るのは政府の責任であり、産業界の各企業の強化も欠かせない為、政府も積極的に後押しをしていきたい。
永久磁石や半導体といった物についても、経済安全保障推進法を軸に設備投資や研究開発を進めていく為、製造業を始めとした産業界との対話を継続していくつもりである。
今年は十干十二支の甲辰(きのえたつ)にあたり、これまでの努力が実り夢が叶いやすい年とされている。
かつて1964年の甲辰の年には東京オリンピック開催や東海道新幹線の開通といった大事業が為されていった。
本年も日本経済の新たな幕開けとなる一歩を踏み出して行きたい。


 また最後には一年後に開催の迫る大阪万博についてもアピールを行い、改めて恙無い進行の為の協力を求めていた。

 


 挨拶の後に乾杯となったが、今回は能登半島における震災があった点も鑑みて乾杯の発声は無く、テーブルに用意された飲み物を各自で頂くという静かな始まり方で歓談の時間が設けられた。
しばらく後に表彰受賞者からのスピーチが行われ、最初に元株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン所属の鈴木 啓二氏が登壇された。
同氏は元々新金属協会の核燃料加工部会 ウラン廃棄物対策推進チームに所属していた事もある来歴を持つ。

 


鈴木 啓二氏
 

 

スピーチ抜粋

新金属協会に居たときは、関係者とも喧々諤々になる事もあったものの色々な取り組みを前に進める事が出来た。
新金属協会は昭和31年発足、法人になったのが昭和32年で私の誕生年と同じである。
今回クロークの番号も32番という事もあり、私は32という数字と縁があるのかもしれない。
というのも昭和32年は東京タワーが建設中、完成間近の時代であり技術的には今でこそ当たり前の金属加工技術、その中でも量産に関する技術が学会で研究され始めた時であった。
私が2010年に新金属協会の門を潜ったときは、東京スカイツリーが完成間近というタイミングであった。
こういった建造物建築の経緯を見るに、日本は世界一の金属加工技術を持っているし、日本にしかない技術が確立されていると言っても良い。

私は約10年程新金属協会に居て、放射性廃棄物に関連する活動を行っていた。
今回この活動の努力が実り受賞したのではないだろうかと考えている。
昨年9月に新金属協会を去ったが、私が産まれた時は東京タワーが、新金属協会に来た時は東京スカイツリー、そして去る時には日本一高い高層ビルである麻布台ヒルズが開業直前であった。
こういった「天に伸びていく物」に縁があると考えているし、新金属協会も今年は高みに向かって昇っていって欲しい。


続いて登壇したのはJX金属株式会社の三浦 浩氏である。
同氏は1987年に日本鉱業株式会社の研究開発本部 半導体材料開発部という部署に所属し半導体と関わりを持ってきていた。

 


三浦 浩氏
 

 

スピーチ抜粋

 今では半導体はインターネットや光通信、AIやデータセンター、果ては衛星通信といった宇宙開拓事業まで成長した事を非常に嬉しく思っている。
新金属協会が一時期「新機能化合物半導体懇談会(JAMS–CS)」と名前を変えた時期に最も長く携わっていた為つい口に出てしまうが、2度ほど部会長を務めさせて頂いた事もある。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり貢献出来たかという点では恥ずかしくなるが、それでも今回表彰頂いた事は喜ばしく感じている。

昨年の4月に実戦から退いているものの、化合物半導体については入社以来携わってきた事もあり、思いだけは人一倍持っている。
化合物半導体市場は、やっと長いトンネルを抜けられる状況になってきたのではないかという動きが見えてきている。
新金属協会も含め、ますますの発展を祈念させて頂く。

 

 参加者から話を伺った所、新金属協会は部会ごとの独立性が強く、それだけにこういった賀詞交歓会等の歓談の場が重要だという。
各参加者は口々に今年こそ雄飛の一年となる事を期待し交流を深めていた。

 


会場の様子

 

(IRuniverse Ryuji Ichimura)
 

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