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工作機械工業会12月、23年暦年受注 12月9.9%減1266億円、23年15.5%減1.48兆円

工作機械12月受注は1266億円(9.9%減)、12ヶ月連続内外減少

 

 1/15の15時に日本工作機械工業会の2023年12月受注速報が開示された。12月受注は1265.73億円(同月比9.9%減)と12ヶ月連続減、前月比では年末月でもあり9.2%増となった。なお確報は1/25公表予定。

 

 内訳は外需が887.42億円(同月比9.7%減)と中国の景気回復遅れ等で12ヶ月連続減も2ヶ月連続で1ケタ台のマイナスに止まった。但し4月以来900億円割れが続いている。内需は378.31億円(同10.5%減)と16ヶ月連続同月比減少、11ヶ月連続で2ケタ減が継続している。なお前月比では15.7%増と11月の前年最低額からは脱した。全体として半導体製造装置向けの反動減、自動車関連の低調から内需の弱さが継続している。

 

 

2023年受注1兆4860億円(15.5%減)と3年ぶり減少、2024年工業会1.5兆円予測

 

 2023年受注は1兆4860億円(15.5%減)と、DO予想1兆4800億円並みで着地。全体として世界的な景気減速感、金利上昇などの影響に加え、半導体向けの回復の遅れなどが重なり、工業会予測1兆6000億円(9.1%減)に対し1140億円未達に終った。特に内需が4764億円(21.0%減)と1736億円未達成となっており、3年ぶりに減少、しかも5000億円大台も割り込んだ。国内設備投資が多少堅調と言われる中で、DX等の情報化投資や非製造業での投資回復の動きに対し、工作機械に向かう投資が自動車産業の生産回復遅延や半導体製造装置向けの落ち込みなどが影響し伸びなかったと見られる。一方、外需は1兆96億円(12.7%減)と2ケタ減ではあるものの、工業会予測を596億円上ぶれて着地した。3年ぶりの減少ながらコロナ前の2019年の7367億円を上回った。この背景には中国向けの不振があるものの欧米向けの落ち込みが想定より小さかったこと、また円安効果が大きく寄与し、実質的には円安効果を除けば工業会予測並みだったとも言えよう。

 

 工業会では1/5に2024年の工作機械受注を1兆5000億円(0.9%増)と予測するとの会長談話が出された。背景には2023年第4四半期が第3四半期に対し2.3%減と減少幅が縮小、大きな落ち込みがなかったものの、ボトムを確認出来るまでではなく、本格回復は2024年後半もしくは2024年度下期に半導体やEV向けの需要が拡大、工作機械受注の下支えをするとしている。なお内外別での公表は不明。

 

 現状、海外向けでは欧米、中国での景気減速、EV投資も活発化が期待されるものの一部で見直し機運も生まれており不透明感が増す環境にある。更に為替については円安修正の可能性もあり、金額ベースで伸びが見込みにくい。但し、半導体向けでは昨今の生成AIブームを背景にAI半導体関連で世界的に半導体設備投資の再燃の動きがある。また国内ではTSMC熊本やパワー半導体を含め半導体新工場の投資本格化している。更に自動車生産もトヨタが2023年世界で約1000万台強の生産となった模様で過去最高の生産となったとともに、2024年は世界で約1030万台生産を計画、国内が340万台としており、国内雇用維持に必要な300万台の基準を超える等で設備投資の活発化が見込め、半導体不足解消で漸くEV関連投資の本格拡大に踏み切る動きなども見られ、少なくとも2024年上期にボトム確認となろう。このためDO予想としても上期ボトムに下期回復し、工業会並みの1兆5000億円程度の受注を見込む。

 

 

鍛圧機械12月受注は32.2%減の169億円で23年最低額、23年暦年は2.6%減2770億円

 

 金属加工機械である鍛圧機械の12月受注(1/15発表)は169.33億円(同月比32.2%減)、11月の180.68億円を下回り3カ月連続で2023年の最低額更新となり、21/5の162.48億円以来の170億円割れの低水準となった。国内が96.66億円(同月比40.4%減)。金属製品のみプラス、輸送、電気、一般、鉄鋼が軒並み減少した。輸出は72.67億円(同月比17.0%減)となった。同月比では中国向けが久しぶりにプラスも北米が41.0%減、欧州27.0%減、韓国30.7%減など大きく落ち込んだ。機種別でプレス系が81.18億円(同月比40.3%減)。同月比超大型、大型、油圧プレスの大幅減が響いた。板金系は88.14億円(同月比22.5%減)。全体的に低調で同月比レーザ・プラズマ16.5%減、パンチング20.9%減、プレスブレーキ29.2%減と軒並み減少した。工業会では9月にサービス込みで400億円超となった反動が続き12月は248億円まで低下、サービス込みで12月は2月の252億円を下回り2023年最低額となった。

 

 また2023年暦年受注額は2770億円(2.6%減)と減少し、7月時工業会予測2850億円(0.2%増)に対し80億円未達と前年比減少に転じたものの大きな差が無く着地した。機種別ではプレス系が1539億円(予測比11億円未達、0.1%減)、板金系1231億円(同69億円未達、5.5%減)となっている。

 

 

23年度鍛圧機械工業会受注予測は2.5%減2800億円、24年暦年1.1%減、24年度0.4%増

 

 23年12月27日に鍛圧機械工業会では23年度受注減額修正予想、24年暦年、24年度受注予測を開示した。

 

 23年度予測については、昨今の受注伸び悩み継続を受け、従来予測を50億円引下げて2800億円(2.5%減)、サービス込みでは40億円引下げ3690億円(1.8%減)予想とした。

 

 また2024年暦年予想については2780億円(0.4%増)、サービス込みでは3670億円(0.1%増)予想。機種別ではプレス系1560億円(1.3%増)、板金系1220億円(0.9%減)予想とほぼ横ばい予想と、工作機械工業会同様に上期ボトムに下期に回復し横ばい予想の模様。

 

 

23年11月の工作機器生産は31%減と12ヶ月連続減、主力のボールネジ、直動軸受低迷

 

 工作機械に関連する工作機器は、日本工作機器工業会1/10発表の23年11月生産額が130.7億円(31%減)と12ヶ月連続同月比マイナス、前月比でも2.4%減と底這い状況に。主力ボールネジが21.63億円(43%減)、直動軸受も37.08億円(45%減)と工作機器全体よりも大きな落ち込みに。特にボールネジは生産本数が9.49万本と20年12月の8.65万本以来の10万本割れに。両製品とも工作機械に加え、受注急落が続く半導体製造装置向けの影響を強く受けている。工作機械受注、鍛圧機械受注など、2024年もほぼ横ばい予想と、ボトム脱出は24年度にずれ込む見通し。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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