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チタン原料市場市況2024年1月 やや値上がり、中国春節控え駆け込み需要

 チタン原料市場は薄日の中で2024年を始めた。1月のチタン原料市場は小幅ながら値上がりしたものが多い。中国の春節を2月初旬に控えて川下業者が駆け込み的に在庫確保に動き、需要増から価格が上昇している。ただ、中長期スパンでは安値圏にあり、本格反発しているとまでは言い難い。

 

チタン精鉱

 

過去3か月間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

 

 チタン精鉱はやや下落。1月11日に仲値で$397.5/tonと12月半ばからの$399.5から小幅に値下がりした。2022年秋以来の安値水準となる。2023年に一貫してだぶつきが言われたが、2024年に入っても同じ状況が続いている。

 現在はクリスマスや元旦といった西洋の休暇と中国の春節のはざまの時期に当たる。春節休暇に伴う工場稼働ストップなどを見込んだ川下の業者は既に大元であるチタン精鉱への受注は終えており、かといって西洋の業者もまだ本格始動とは言えないため、新規注文は出にくい。

 ルチルもほぼ値動きなし。ルチル余りが言われて久しい中、バルクカーゴベースで安値$1400/tonで低迷している。

 

過去1年間のルチル価格の推移(95% Ti02 bulk Fob豪州)(us/ton)

 

 FerroAlloyNetによると、中国国内でもルチルをに関しては価格問い合わせが多く、実際の取引には結びついていないようだ。

 

二酸化チタン

 

過去3か月間の二酸化チタン価格の推移(ルチルTi02 93%min Fob China)($/ton)

 

 チタンの原材料全体の9割近くを占める塗料向けの二酸化チタンは、1月4日に$2180/tonと12月上旬から続いた$2170からやや値上がりした。ただ、2023年夏以来の安値水準にあり、上値は重い。世界の製造業の回復が本格化しておらず、現在は既存の注文の処理が中心。新規受注の発生は難しいようだ。

 

チタンスラグ

 動きの乏しい時期だった。FerroAlloyNetによると。チタンスラグの工場の多くは長期契約をこなしているのみで、新規取引は少ないという。

 

チタンスポンジ

 

過去3か月間の一般産業向けスポンジチタン価格の推移( China)($/kg)

 

 2023年に好調だった金属チタンはここにきてさえない。中国の一般向けスポンジチタン価格は1月11日に$7.178/kgと前日から1%下げた。12月半ばの水準からは2%下落したことになる。中国国内の景気回復の兆しが見えにくく、春節前でも駆け込み購入の動きは抑制的だ。

 航空機向けスポンジチタンの価格は高値横ばい。2023年はコロナ後の航空需要の回復や兵器向けなどの需要拡大で堅調だったが、その勢いは衰えていない。

 

過去3年間の航空機向けスポンジチタン価格の推移($/kg)

 

四塩化チタン

 

過去3か月間の四塩化チタン価格推移(99.99%min EXW China)(Rmb/mt)

 

 四塩化チタンはやや値上がり。1月11日仲値はRmb6250/mtと12月下旬からのRmb6200から小幅に上昇した。ただ、価格自体は2020年秋以来の低水準で、本格反発したとはいいがたい。

  

 フェロチタン

 

過去3か月間のフェロチタン価格の推移(Ti 70% EU)($/kg Ti)

 フェロチタン価格も値上がりした。1月11日に仲値$6.675/kgとそれまで1ヶ月超続いた$6.575から上昇した。価格は2023年8月以来の安値圏にあったが、底打ち感も出ている。中国の製鉄所の1-2月のフェロチタン入札が基本的に確定し、その水準に合わせる形で値上がりした。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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