タイと中国 大規模リチウム鉱床発見に湧く
2024年1月19日にAFP通信が報じた所によると、タイ政府は19日、大規模なリチウム鉱床が見つかったと発表した。
リチウムの埋蔵量は約1500万トンで、ボリビアとアルゼンチンに次ぎ世界3位規模となる。
政府の副報道官はテレビ局ネーションに対し「鉱床は南部パンガー(Phang Nga)県内の2か所で見つかったもので、推定される埋蔵量は1480万トンである。」と明らかにした。
ただし、「発見した資源のうちどれだけが利用できる品質かは調査中であり、全容の解明には時間がかかる。」とも説明している。
一方で中国においても大規模なリチウム鉱床発見の報が挙がっている。
タイでのリチウム鉱床発見の報道から遡る事二日前の1月17日、中国天然資源省は、四川省ガルゼ県雅江県で100万トン近いリチウム資源を発見したと発表した。
このリチウム鉱床は単一のリチウムペグマタイトの鉱床としては、現状アジアで最大規模の物になると見られている。
四川省第3地質旅団は、このリチウム資源を発見・確定するために過去5年間にわたり探鉱プログラムを実施し、累計4万メートル以上の掘削作業を完了した。
鉱床の平均Li2O品位は1.62%で、経済価値は140億米ドルを超えると推定される。
四川省には豊富なリチウム資源があり、中国の総資源の57%を占め、国内第1位である。
採掘権のある鉱物資源埋蔵量は現在1億5800万トンに達する。2027年までに、四川省はリチウムイオン電池産業の主要省として、「リチウム資源開発-リチウム電池材料-電池製造-システム統合-エンドユーザーアプリケーション-廃棄電池リサイクル」というサイクルの完全垂直統合型産業クラスターとエコシステムを構築するという明確な目標を掲げている。
今回のリチウム資源の発見は、四川省が国家レベルのリチウム資源産業基盤を構築する上で、さらなる安定供給源となる。
アジア圏において2つの大きなリチウム鉱床が見つかった事で、リチウム市場にまた新しい流れが生まれるものと期待されている。
(IRuniverse Ryuji Ichimura)
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