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工作機械工業会12月受注確報 12月9.6%減1271億円、23年は15.5%減1兆4865億円

12月の工作機械受注が1271億円(9.6%減)、12ヶ月連続で内外とも減少

 

 1/25の15時に日本工作機械工業会の12月工作機械受注確報が開示された。12月受注は1271億円(同月比9.6%減)と12ヶ月連続同月比減となったが季節要因で前月比は9.7%増、1000億円超は35ヶ月連続しており、底割れ状況は避けられている。

 

 

外需は9.6%減888億円と12カ月連続同月比減も3ヶ月ぶりに850億円超に

 

 外需は888億円(同月比9.6%減、前月比6.8%増)と同月比12ヶ月連続減少も前月比増で3ヶ月ぶり850億円超に。主要4業種で同月比は一般機械のみ増加、前月比では航空・造船・輸送用機械を除き増加した。一般機械は319.7億円(同月比12.1%増、前月比21.2%増)と3ヶ月ぶり300億円超、前月比で北米、アジアが伸びて過去3番目の金額に。自動車は214.3億円(同月比18.1%減、前月比11.7%増)と、インドやその他アジアでまとまった受注があり9ヶ月ぶりの210億円超に。電気・精密は114.9億円(同月比0.0%減、前月比33.5%増)と中国など前月比増で3ヶ月ぶり100億円超に。航空・造船・輸送機械は66.7億円(同月比21.6%減、前月比21.9%減)と北米、アジアで反動減となり2ヶ月ぶりに70億円割れに。

 

 主要3極別ではアジアが388.7億円(同月比17.5%減、前月比15.4%増)と、同月比は12ヶ月連続減。国別では中国が241.4億円(同月比18.7%減、前月比9.5%増)と同月比12ヶ月連続減、前月比2ヶ月連続増加し8ヶ月ぶりに240億円超と底堅い動きに。中国の業種では一般機械が104.7億円(12.3%減)、自動車78.4億円(15.8%減)、電気・精密52.9億円(8.0%減)と不振で航空・造船・輸送機械のみ2.2億円(4.2%増)に。その他ではインドが63.2億円(同月比16.9%減)、韓国13.4億円(同月比31.3%減)などが減少。北米は278.7億円(同月比6.6%減、前月比4.4%増)と4ヶ月連続250億円超、アメリカが241.3億円(同月比9.2%減、前月比2.6%増)で5ヶ月連続220億円超と健闘。主要4業種では自動車31.3億円(10.2%減)と7ヶ月ぶりに40億円割れ、一般機械は86.3億円(28.9%増)で本年2番目、電機・精密22.4億円(42.3%増)と反発。欧州は195.4億円(同月比1.3%増、前月比3.2%減)と、2ヶ月ぶり200億円割れに。ドイツが39.1億円(同月比12.4%減)と16ヶ月ぶり40億円割れに。主要業種4業種は一般機械のみ増加。一般機械は55.0億円(同月比19.5%増)と4ヶ月連続50億円超。自動車は21.0億円(同月比35.0%減)で本年最低額に。電機・精密は22.0億円(同月比16.3%減)、航空・造船・輸送用機械は20.2億円(同月比33.2%増)に。

 

 

内需は382.5億円(9.5%減)と16ヶ月連続同月比減も季節要因で前月比は17.0%増に

 

 内需は382.5億円(同月比9.5%減、前月比17.0%増)と16月連続で前年同月比減、前月比は季節要因で3ヶ月ぶりに増加した。主要4業種は同月比で航空・造船・輸送用機械のみ増。自動車99.5億円(同月比1..8%減)と2カ月ぶりに同月比減。一般機械は141.7億円(同月比10.3%減)と16ヶ月連続マイナス。電気・精密は50.3億円(同月比20.7%減)と11ヶ月連続減、但し精密は35.7億円(60.5%増)と21ヶ月ぶりの25億円超に。航空・造船・輸送用機械は26.7億円(同月比81.3%増)に。

 

 

12月販売2.7%増1581億円、受注残12.4%減の7858億円と7ヶ月連続同月比減

 

 12月販売は1581億円(同月比2.7%増)と季節性も有り9月の1561億円を抜いて本年度最高額に。受注残高は7858億円(同期比12.4%減)と7ヶ月連続同月比減、3ヶ月連続同月比2ケタ減、前月比でも4ヶ月連続減少となった。

 

 

2023年受注1兆4865億円(15.5%減)と3年ぶり減少、2024年工業会1.5兆円予測

 

 2023年受注は1兆4865億円(15.5%減)と、世界的な景気減速感、金利上昇、半導体向けの落ち込みなどが重なり、工業会予測1兆6000億円(9.1%減)に対し1135億円未達に終った。受注総額は暦年受注として過去7番目の水準。特に内需が4768億円(21.0%減)と1732億円未達成となっており、3年ぶりに減少、5000億円大台も割り込んだ。一方、外需は1兆97億円(12.7%減)と2ケタ減も、工業会予測を597億円上ぶれて着地した。3年ぶりの減少ながらコロナ前の2019年の7367億円を上回り、3年連続の1兆円超え。この背景には中国向けの不振があるものの欧米向けの落ち込みが想定より小さく、また円安効果が寄与し、実質的に円安効果を除けば工業会予測並みだったと言えよう。

 

 

 外需は主要3極で欧州が2335億円(1.1%増)と3年連続増で過去4番目の記録。ドイツが565億円(6.3%増)と健闘、トルコ227億円(38.9%増)、スイス148億円(27.9%増)などが高い伸びに。北米は3206億円(6.9%減)も2年連続で3000億円を超え、過去3番目の記録。米国が2820億円(9.6%減)もメキシコ199億円(15.3%増)、カナダ187億円(15.3%増)などが寄与している。一方、アジアは4276億円(23.2%減)と中国の2740億円(27.3%減)が影響、インドが511億円(26.5%増)と初の500億円超えで過去最高額となるも、その他は減少に。

 

 国内は主要4業種で航空・造船・輸送用機械のみ前年比増加、但し航空機が85億円(46.9%増)とコロナの低迷からの反動で上伸したため。全11業種でも同様に減少、内需の弱さが目立つ。電機・精密が577億円(33.3%減)、特に電機は363億円(36.3%減)、自動車も1006億円(25.3%減)など生産回復の遅れやEV関連投資の低調などで厳しい。一般機械も2036億円(16.4%減)と、建機向けなどが8.9%減も、その他は軒並み2ケタ減と苦戦した。

 

 

 機種別受注では全11機種中9機種で減少した。主要機種では旋盤が5071億円(12.8%減)と3年ぶり減少も3年連続5000億円はキープした。マシニングセンター(MC)は6147億円(15.3%減)と2年ぶり減少も3年連続6000億円超は守った。特に5軸以上の製品は1574億円(2.4%減)に止まり、5軸以上の比率が3.4ポイント上昇し25.6%まで高まりを見せ、省人化、複合加工のニーズが高まっている。

 

 機種別販売では部品不足等の影響が徐々に解消、1兆6166億円(3.1%増)となり、3年連続増、5年ぶりに1兆6000億円を超え過去2番目の数字に。機種別では11機種中6機種が増加、旋盤が3.4%増も、MCは0.8%減と部品不足の影響が残った格好。

 

 工業会では1/5に2024年の工作機械受注を1兆5000億円(0.9%増)と予測した。内訳は海外9700億円(3.9%減)、国内5300億円(11.2%増)予想。背景には2023年第4四半期が第3四半期に対し2.3%減と減少幅が縮小、大きな落ち込みはないが、ボトムを確認出来ず、本格回復は2024年後半もしくは2024年度下期に半導体やEV向けの需要が拡大、工作機械受注を牽引するとしている。

 

 

主要4社12月受注は13.9%減299億円と10ヶ月連続同月比減少

 

 日刊工業新聞が1/16にまとめた主要工作機械4社の12月受注実績は299億円(同月比13.9%減、前月比0.8%増)と同月比10ヶ月連続減少。内訳は輸出219.05億円(11.4%減)、国内79.98億円(20.1%減)。特に国内は14ヶ月連続で同月比減、本年最低額更新し21/5の75.68億円以来の80億円割れに。輸出、国内とも4社全てで同月比減少している。オークマが国内41.41億円(23.5%減)で2ヶ月連続本年最低額、21/5の38.88億円以来の低水準。中国中心のツガミは再度70億円割れに。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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