1月の銅の概況及び2月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 8000-8500ドル →
建値 120万-132万円 →
為替 145~150円 (1か月間TTM) レンジ内
■国際概況
前半12月の米ISM製造業景気指数 結果 47.4 予想 47.2 前回 46.7
12月のADP米雇用者数 結果 16.4万人 予想 11.3万人 などのプラス材料もあったが12月のISM米非製造業景気指数 結果 50.6 予想 52.5だったことなどを嫌気
1月15日時点で8238ドル(セツル)と月初価格より192ドルDOWNの締め。
後半は31日のFOMCでは政策金利を4会合連続で据え置き、次回の3月会合での利下げ実施に慎重な考えを示すなどのマイナス材料もあったが米GDPが前期比年率3.3%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(2.0%増)を大幅に上回ったを好感しUP
月末日 後半スタート価格から224ドルUPの8642ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
142.83 → 148.55(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比+6.7%の70万5248台
輸出は前年同月比+23.1%の41万1108台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-12.4%の33万4838台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,分譲住宅は増加したが,持家及び貸家が減少したため,全体で前年同月比4.0%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比3.1%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 64,586 戸。
・前年同月比 4.0%減, 7か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,018千㎡。
・前年同月比 5.8%減, 11か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 814千戸。
・前月比 3.1%増, 先月の減少から再びの増加
出典 国土交通省統計
◆貿易関連指標
- 銅
【輸出】
電気銅 -5.6%の4万7539t
スクラップ +45%の4万562t
輸出推移
【輸入】
電気銅 -21.4%の22t
スクラップ -25.1%の7986t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■前月の国内指標
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量速報値は5万2,770トン、前年同月比6.3%減少だった。また速報値ペースで年間64万3千トンと、新型コロナの影響が大きかった2020年を下回った。
14品目中5品目が前年同月実績を上回った
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
前年比-0.5%の53100t
うち 国内+3.8% 輸出が -68.7%
出典 日本電線工業会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比+6.7%の70万5248台
輸出は前年同月比+23.1%の41万1108台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-12.4%の33万4838台
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,分譲住宅は増加したが,持家及び貸家が減少したため,全体で前年同月比4.0%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比3.1%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 64,586 戸。
・前年同月比 4.0%減, 7か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,018千㎡。
・前年同月比 5.8%減, 11か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 814千戸。
・前月比 3.1%増, 先月の減少から再びの増加
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量速報値は5万2,770トン、前年同月比6.3%減少だった。また速報値ペースで年間64万3千トンと、新型コロナの影響が大きかった2020年を下回った。
14品目中5品目が前年同月実績を上回った。また、銅条など主力品目もほぼ前年同月並みの生産量となってきた。ただ、12月の生産としては、1975年以来の少ない量である。
自動車関係の需要回復が端子コネクタを中心に着実に回復し、銅条や黄銅条などの生産量回復を支えている。また、コンデンサチューブの需要増加が銅管生産量を、ワイヤカットの需要が銅線の生産回復を支え、大型建設関係の配電盤需要増加が銅板や銅棒の生産を支えている。
銅条
同比16ヶ月連続マイナス。ただ、マイナス幅は縮小している。それでも12月の生産としては2019年以来の少 ない量となった。車載向けの半導体やコネクタが安定して増えている。端子コネクタについては、絶好調の水準にまで伸びている。ただ、民生用のデジタル家電や白物家電向けが低調を続けている。スマートフォンは、米国メーカ分の生産伸びが一服したが、中国や韓国向けの生産が回復してきた。
黄銅棒
同比24ヶ月連続マイナス。1974年以来の少ない生産量となった。住宅設備関連のうち、ガス機器の在庫調整が進んだ。ただ、まだ水栓金具の在庫消化が残っている。自動車向けはティア1まで在庫が調整進んだが、ティア2以降の在庫が残っている模様。
【電線】
前年比-0.5%の53100t
うち 国内+3.8% 輸出が -68.7%
【輸出】
電気銅 -5.6%の4万7539t
スクラップ +45%の4万562t
【輸入】
電気銅 -21.4%の22t
スクラップ -25.1%の7986t
【見通し】
【自動車】
12月の自動車生産が+6.7%。12月国内販売台数が前年比-12.4%
11か月振り減少 ダイハツ トヨタ問題による生産販売低迷が今後しばらく続きそう
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量速報値は5万2,770トン、前年同月比6.3%減少だった。また速報値ペースで年間64万3千トンと、新型コロナの影響が大きかった2020年を下回った。
14品目中5品目が前年同月実績を上回った。また、銅条など主力品目もほぼ前年同月並みの生産量となってきた。ただ、12月の生産としては、1975年以来の少ない量である。
自動車関係の需要回復が端子コネクタを中心に着実に回復し、銅条や黄銅条などの生産量回復を支えている。また、コンデンサチューブの需要増加が銅管生産量を、ワイヤカットの需要が銅線の生産回復を支え、大型建設関係の配電盤需要増加が銅板や銅棒の生産を支えている。
【電線】
前年比-0.5%の53100t
うち 国内+3.8% 輸出が -68.7%
4か月ぶりのマイナス 今後に注視。
【スクラップ景況予想】
流通【一次問屋】
銅建値が125万から130万と上昇傾向だった
在庫は伸銅品生産減 発生減から在庫薄
需要面に関しては回復基調だったが今後は自動車生産販売がダイハツトヨタ問題の影響が長引くと思われる。民生用途も中国を中心に需要の回復が遅れている。
中国への輸出は今後景気後退から減少傾向
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1、米FRBの金融政策
3月のFOMCに向けてマーケットは利下げ期待が台頭してるものの米株式が最高値を更新してること パウエル議長が3月の利下げの可能性が低いことを金融市場に伝えたことから3月は金利据え置き
2、中国の景気
不動産大手の「恒大集団」に対し、1月、清算命令が出されるなど、不動産業への不透明感が増していることや上海総合指数は、先週から6営業日続けて下落し、コロナ禍で株価が暴落した2020年3月を一時下回ったことから景気後退は避けられない
これらを踏まえた今月の銅価格は 8000-8500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は145円~150円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては120万-132万円程度と予測している。
関連記事
- 2025/05/02 銅板輸出Report #67 トランプ関税発動前の駆け込みか 米国向け輸出増加
- 2025/05/02 銅条輸出Report#55 2025年に入って輸出急回復 本物かどうか
- 2025/05/02 銅鉱石輸入Report#36 2025年年初ペルーとパプアニューギニアからの輸入量増加
- 2025/05/02 精製銅輸出Report #69 2025年3月輸出量7万トン超え インド向け一転増加
- 2025/05/02 2025年4月LME銅相場&国内銅建値の推移 序盤の相互関税と報復による急落を取り戻せず、4カ月ぶり大幅反落
- 2025/05/01 米中貿易摩擦緩和期待でLME鉛相場堅調、スタート鉛建値は9円引き上げ342円に
- 2025/04/30 第5回CEシンポジウム in NAGOYA講演詳報1 ――中部経産局、栗田、ケミカルリサイクル
- 2025/04/30 ICSGが最新予測を発表 2025~2026年、銅市場は引き続き供給過剰の見通し
- 2025/04/28 【貿易統計/日本】 2025年3月の電気銅輸出入推移一覧表
- 2025/04/28 【貿易統計/日本】 2025年3月の銅スクラップ輸出入推移一覧表