オガワエコノス アールプラスジャパンへ資本参加~RPFを原料化
株式会社オガワエコノス(本社:広島県府中市、代表取締役:小川勲)は、3月26日、2020年6月から事業開始した共同出資会社「株式会社アールプラスジャパン」に資本参加すると発表した。
同社は脱炭素社会、循環型社会の形成へと変遷する環境課題に、温室効果ガスの削減や廃棄されたプラスチックの有効利用を促進するため、RPF(廃棄されたマテリアルリサイクルが難しい紙やプラスチックを主原料とした化石代替燃料)の製造販売をはじめとした事業を広域に行っている。一方で同社が扱うRPF製品等の中で燃料として利用だけではなく、資源循環ニーズの高まりから新たに原料として利用する取組みも行っているが限定的だ。
今回、この共同出資事業への参画により、使用済みプラスチックの資源循環を推進し、バリューチェーンの一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくという。
◆共同出資事業における取り組みについて
同社が参画する株式会社アールプラスジャパンは、米国のバイオ化学ベンチャー企業であるアネロテック社(Anellotech Inc.)とともに、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進めている。「「すてる」をなくす、「みらい」をつくる。」を企業理念に掲げ、世界で共通となっているプラスチック課題解決に貢献すべく、回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料・食品メーカー、銀行など業界種を超えた連携により、資源循環スキームの構築に取り組んでいる。
◆使用済みプラスチックの再資源化技術について
ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼※1されていると言われている。今回の技術は、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクル※2の技術だ。従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理でき、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待される。この技術が確立できれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再生利用することができると考えられる。
※1 焼却時に発生する熱を回収し、発電や熱供給に活用するサーマルリカバリー(熱利用)を含む
※2 使用済みの資源をそのままではなく、化学反応により組成変換した後にリサイクルする
使用済みプラスチックの再資源化技術
◆共同出資会社の概要
* 会社名 株式会社アールプラスジャパン
* 事業開始 2020年6月5日
* 本社所在地 東京都港区台場2-3-3
* 代表取締役社長 横井恒彦
* 事業内容 使用済プラスチックの再資源化技術の開発・実用化推進
参考:アネロテック社(Anellotech Inc.)について
2008年創業。米国ニューヨーク州パールリバーに本社・研究開発機能をもつバイオ化学ベンチャー企業。非食用の植物由来原料から石油精製品と同一性能を持つベンゼン・トルエン・キシレンを生成する技術を保有している。
(IR universe rr)
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