三井化学と旭化成新設企業のエム・エーライフマテ 家庭でコンポスト可能不織布(生分解プラ)開発
エム・エーライフマテリアルズ株式会社(所在:東京都中央区、代表取締役社長:簗瀬 浩一)は、5月8日、グローバルでのホームコンポスト需要の拡大に向けて、一般家庭のコンポストで堆肥化できる生分解性プラスチック(以下、生分解性プラ)を使用したスパンボンド不織布を開発した。2024 年内に本不織布(レギュラータイプおよび熱成型タイプ)の生産体制を確立し、食品に接触する飲料用フィルターや包装材料、農業資材等、各産業分野における展開を目指す。
今回開発した生分解性プラの特徴は、28℃程度のホームコンポスト環境下で不織布が生分解される点。
■生分解性プラとは
生分解性プラは、通常のプラスチックと同様の耐久性がありつつ、使用後は自然界に存在する微生物の働きにより、水と二酸化炭素にまで分解される性質を持つ。生分解性プラが生分解性を発現する環境としてコンポスト、土壌環境、水環境などがあり、どの環境下で分解するかは生分解性プラの種類によって異なる。
■ホームコンポストとは
コンポストとは、菌や微生物の力を利用して有機ゴミを堆肥化させること。家庭から出た生ゴミや落ち葉などを肥料に変えて活用できる仕組みとして認知が広がっており、環境問題への関心が高い欧米を中心に需要が拡大している。生分解性プラのコンポストには、都市型ごみ処理場において工業的に高温でコンポスト処理する「インダストリアルコンポスト」や、一般家庭のコンポストで堆肥化が可能な「ホームコンポスト」がある。
■エム・エーライフマテリアルズの環境負荷に配慮した素材開発について
エム・エーライフマテリアルズでは、環境にやさしいスパンボンド不織布「ECORISE™(エコライズ™)」を展開。エコライズ™は、植物由来の生分解性プラスチックである PLA(ポリ乳酸)を主原料としており、インダストリアルコンポスト条件下での生分解・堆肥化が可能です。BPI(米)や TUV AUSTRIA(ベルギー)、JBPA(日)など国内外の認証機関※ の基準を満たし、“生分解性プラ”や“バイオマスプラ”に関する認証を取得している。高い均一性や通気性、柔軟性、熱プレスによる成型加工など多様な機能を付与できる特性は、お茶・コーヒーフィルターに使われる食品包装資材から農業・産業資材に至るまで幅広い分野で高く評価されている。
■会社概要
優れた技術力で社会のニーズを形にする世界の不織布リーディングカンパニーを目指し、三井化学株式会社と旭化成株式会社の不織布事業に関する共同新設分割により 2023 年 10 月に設立、営業開始した。1970 年代初頭より衛生材料分野から産業材料、生活資材分野に至るまで幅広い用途で独自性ある製品をグローバルに提供してきた両社の技術やノウハウを融合させ、シナジーの最大化を図る。日々のくらしに欠かせない不織布製品でのソリューション提供を通じて、社会課題の解決と人々の QOL 向上に貢献する。
(IR universe rr)
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