出光 e-メタノールの供給網構築に向け、HIF Global 社へ出資
日本企業として初出資、合成メタノール(e-メタノール)事業を推進
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤俊一)は、5月13日、南米・北 米・豪州などで合成燃料(e-fuel)・合成メタノール(以下、「e-メタノール」)のプロジェクト開発を行う HIF Global 社(本社:米国テキサス州)へ出資(出資金額 114 百万米ドル)すると発表した。HIF 社 への日本企業による出資は初となる。
同社は今後、同出資を通じ、合成燃料およびカーボンニュートラル燃料やその原料等として汎用性の高 い e-メタノールの国内外におけるサプライチェーン構築を推進し、カーボンニュートラル社会への貢献を進めていく。
出光興産は、2050 年のカーボンニュートラル社会実現へ向け、ブルーアンモニアや SAF※などとともに e-メタ ノールへの投資を重点的に検討している。
大気中などから回収した CO2 と再生可能エネルギー由来の水素を合成することで生成する e-メタノール は、今後も需要が拡大すると見込まれる船舶燃料として直接利用が可能。さらに合成ガソリン・合成ディー ゼル・合成 SAF などの合成燃料や、合成化学品を選択的に製造することができる。これらの点を踏まえ て、同社は e-メタノールを戦略的に重要な製品であると位置づけている。
HIF 社は、南米・北米・豪州など多拠点かつ大規模に e-メタノールをはじめとする新しいエネルギーの事業開発を進めており、将来的には e-メタノール換算で約 400 万トンの生産規模を見込んでいる。出光興産は、2023 年に HIF 社と合成燃料分野における戦略的パートナーシップに関する MOU を締結し、その後も e-メタノールに関する共同検討を開始するなど、e-メタノールおよび合成燃料の早期社会実装に向けた検討を進めてきた。
今回、同社は HIF 社に出資し、海外拠点における e-メタノールおよび合成燃料の製造・開発を推進する。同社から HIF 社に対して取締役を派遣するとともに、マーケティングやプロジェクト開発分野においても 人財を派遣することで、HIF 社が有する e-メタノールや合成燃料の製造プロジェクトに対する開発・マネジメ ント等の最先端の知見やノウハウを獲得するという。
さらには、同社の既存の燃料油事業における供給・販売のネットワークを活用して、e-メタノール事業の市 場形成と導入を早期に実行し、2035 年に国内外の拠点において 50 万トン規模を目安に e-メタノールの供 給体制を構築することを目指す。
■HIF について
HIF Global は、低コストの再生可能エネルギーをベースに、水素を既存のインフラで輸送・利用可能な合成燃料に変換するプロジェクトを推進する、世界有数の企業。HIF という社名は「地球の脱炭素化を可 能にする Highly Innovative Fuels を提供する」という会社の理念を表しており、グローバルに事業を展開している。2022 年 12 月にチリのマガジャネスにある Haru Oni 実証プラントから初めての合成燃料の生産を成功させている。今後は、米テキサス州の Matagorda、豪州の Tasmania、ウルグアイのPaysandú、チリの Magallanes において商業規模のプラントの建設を計画している。
名称:HIF Global LLC
住所:711 Louisiana Street, Suite 1100 Houston, Texas 77002
代表:Cesar Norton, President & CEO
(IR universe rr)
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