G7共同声明、中国の過剰生産に共同対応へ 重要鉱物の安定供給も強化目指す
先進7カ国首脳会議(G7サミット)がイタリア南部プーリア州で6月13-15日に開催された。6月14日に採択の共同声明では、電気自動車(EV)などでの中国の過剰生産に共同で対応していく方針が示された。重要鉱物を含むサプライチェーン(供給網)の安定強化でも一致し、中国に対し輸出規制などを控えるよう求めた。
首脳宣言全文(英語):Apulia-G7-Leaders-Communique.pdf (g7italy.it)
関連記事: G7でも俎上にあげられた中国の過剰なEV生産、輸出 欧州は関税策で対抗 | MIRU (iru-miru.com)
参考外務省関連ページ: 岸田総理大臣のG7プーリア・サミット及びウクライナの平和に関するサミット出席(令和6年6月12日~16日)|外務省 (mofa.go.jp)
貿易上の危機回避を巡っては、中国を念頭に特定の国や地域に過度に依存しないサプライチェーンを構築するとし、製品の調達にあたっては環境対策や人権上の配慮など価格以外の面も重視する基準を策定していくとした。一方で、中国とは建設的で安定的な関係を追求しており、経済発展を妨げようとするものではないとの記述も盛り込まれ、一定の配慮も示した。
ロシアによるウクライナ侵攻に対しては、ロシアはウクライナの損害を「賠償しなければならない」と断言。引き続き厳しい姿勢で臨むとした。ロシアによるウクライナ侵略への経済制裁で凍結した露資産を活用し、ウクライナに500億ドル(約7兆8000億円)を年内に供与すると表明。「ロシアの軍事機構を実質的に支援」しているとして中国の金融機関などに制裁を科す方針も示した。
また、人工知能(AI)など先端技術がもたらす社会変革を見据え、国際ルール作りを急ぐ方針を明記した。自由で開かれた国際秩序を堅持するためロシアや中国に厳しく対処する姿勢も明確にした。
(IR Universe Kure)
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