6月の銅の概況及び7月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 9500-10500ドル →
建値 156万-177万円 ↑
為替 160~165円 (1か月間TTM) 円安
■国際概況
5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比で0.2%下落し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.1%上昇)に反してマイナスとなったこと、・6月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数 結果 100.4 予想 100.1 前回 101.3(102.0から修正)だったことによる利下げ観測などのプラス材料もあったが5月の中国・製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.5となり、景況感の分かれとされる50を3カ月ぶりに下回ったこと、
米実質GDP(確報値)(2024年 第1四半期)
結果 1.4% 予想 1.5% 前回 1.3%(実質GDP・前期比年率)
だったことによる利下げ観測の後退をうけてDOWN
月末日 スタート価格から508ドルDOWNの9476.5ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
157.74 → 162.07(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比+4.4%の61万6678台
輸出は前年同月比-0.3%の27万9655台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-7%の24万1561台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,持家,貸家、分譲住宅が減少したため、全体で前年同月比5.3%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比7.6%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 65,882 戸。
・前年同月比 5.3%減, 先月の増加から再びの減少
○新設住宅着工床面積は 5,198千㎡。
・前年同月比 5.3%減, 先月の増加から再びの減少
○季節調整済年率換算値では 813千戸。
・前月比 7.6%減, 先月の増加から再びの減少
出典 国土交通省統計
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 -6.3%の5万7046t
スクラップ -6.2%の2万8788t
輸出推移
【輸入】
電気銅 -77.2%の250t
スクラップ +36.7%の1万3145t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■前月の国内指標
【伸銅品生産】
5月伸銅品生産量速報値は5万3,400トン、前年同月比7.6%増加だった。29か月ぶりにプラスに転じた
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
前年比+6.3%の48200t
うち 国内+11.4% 輸出が -3.4%
出典 日本電線工業会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比+4.4%の61万6678台
輸出は前年同月比-0.3%の27万9655台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-7%の24万1561台
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,持家,貸家、分譲住宅が減少したため、
全体で前年同月比5.3%の減少となった。また,季節調整済年率
換算値では前月比7.6%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 65,882 戸。
・前年同月比 5.3%減, 先月の増加から再びの減少
○新設住宅着工床面積は 5,198千㎡。
・前年同月比 5.3%減, 先月の増加から再びの減少
○季節調整済年率換算値では 813千戸。
・前月比 7.6%減, 先月の増加から再びの減少
【伸銅品生産】
5月伸銅品生産量速報値は5万3,400トン、前年同月比7.6%増加だった。29か月ぶりにプラスに転じた
2024年5月の伸銅品の生産量は、14品目中11品目が前年同月実績を上回った。
自動車向けが年初からのデータ不正問題に端を発した国内自動車減産の影響が無くなり、端子コネクタの生産が回復してきた。ただ、今回6月に新たに認証問題に関連した自動車減産が起きてい。この影響が今後出て来るかもしれない。
銅条
同比2ヶ月連続のプラス。半導体向けの需要に回復が見られる。一方、半導体でもこれまでけん引してきた車載向けに自動車減産の影響が出て下振れにしてい。内需が弱い。民生用コネクタもデータセンター向けの需要が増えている。ただ、デジタル家電などのメインの需要が低調である。
黄銅棒
同比29ヶ月ぶりプラス。ただ、住宅着工件数が伸びない。政府の給湯器補助金による需要増加を期待しているが、まだ見えてこない
【電線】
前年比+6.3%の48200t
うち 国内+11.4% 輸出が -3.4%
銅
【輸出】
電気銅 -6.3%の5万7046t
スクラップ -6.2%の2万8788t
【輸入】
電気銅 -77.2%の250t
スクラップ +36.7%の1万3145t
【見通し】
【自動車】
5月の自動車生産が+4.4%。6月国内販売台数が前年比-7%
販売が5か月連続減少 ダイハツ トヨタ問題による販売低迷ではあるが生産が5カ月ぶりに回復した。
来月以降さらに回復との予想
【伸銅品生産】
5月伸銅品生産量速報値は5万3,400トン、前年同月比7.6%増加だった。29か月ぶりにプラスに転じた。
2024年5月の伸銅品の生産量は、14品目中11品目が前年同月実績を上回った。
自動車向けが年初からのデータ不正問題に端を発した国内自動車減産の影響が無くなり、端子コネクタの生産が回復してきた。ただ、今回6月に新たに認証問題に関連した自動車減産が起きてい。この影響が今後出て来るかもしれない。
銅条
同比2ヶ月連続のプラス。半導体向けの需要に回復が見られる。一方、半導体でもこれまでけん引してきた車載向けに自動車減産の影響が出て下振れにしてい。内需が弱い。民生用コネクタもデータセンター向けの需要が増えている。ただ、デジタル家電などのメインの需要が低調である。
【電線】
前年比+6.3%の48200t
うち 国内+11.4% 輸出が -3.4%
5カ月連続プラス 今後に注視。
【スクラップ景況予想】
流通【一次問屋】
銅建値が162万から一時157万へ下落
前月在庫は伸銅品生産減 発生減から在庫薄
需要面に関しては引き締まり。
伸銅品生産量が29カ月ぶりに回復 今後に期待
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1.米FRBの金融政策
米6月の非製造業(サービス業)景況感指数が48.8と5月(53.8)から低下し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(52.8)を下回った。2カ月ぶりに好不況の境目である50も割り込んだ。
また6月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月比で15万人増と、市場予想(16万人増)を下回ったことから
潮目が変わるかも(利下げ方向へ)
2.日銀の金融政策
財務省の神田真人財務官は行き過ぎた動きには必要な対応を取っていく」と投機的な動きをけん制したものの現在162円付近と防衛ラインとされる160円をあっさり割り込んだ。
次の防衛ライン165円までは一旦落ちる可能性あり
160―165円でのレンジ内に動きになるのではないか
これらを踏まえた今月の銅価格は 9500-10500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は160円~165円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては156万-177万円程度と予測している。
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