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エネコートが総額55億円の資金調達、INPEXなど出資

 ペロブスカイト太陽電池の開発、販売などを手掛けるエネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)は、第三者割当増資で総額55億円の資金調達を実施した、と発表した。石油開発大手のINPEXや、三菱HCキャピタルなどが新たに出資した。今回の増資で、累計調達額は80億円になった。

 

 

 ペロブスカイト太陽電池技術は、従来のシリコン系を今後、数年で上回る効率を達成する可能性を持っているとされる。国内での産出も多いヨウ素を原材料としており、大量生産した場合には、従来のシリコン系の数分の1の価格となる試算もあるという。

 

 今回の資金調達は、生産、販売体制の構築や事業拡大、太陽光発電のサプライチェーンの多様化など、ペロブスカイト太陽電池技術の開発加速に活用される。新たに出資したINPEXは、エネコートの取り組みと連動して「原料となるヨウ素サプライチェーンの取り組みを強化していく」としている。

 

 また、出資に参画した伯東(東京都新宿区)は、同時に資本業務提携を締結した、と発表した。同社は、国内外メーカーのシリコン太陽電池とパワーコンディショナーなどを再生可能エネルギーの自家消費を目指す企業向けに販売しているほか、自家消費用の再エネ導入時に、初期投資なく電気料金の支払いとして導入できるPPA型での提案なども行っている。

 

 エネコート製のペロブスカイト太陽電池が製品化されれば、こうした提案のラインナップに追加していくという。

 

 エネコートの加藤尚哉社長は「今回の資金調達を活用して、日本を代表する企業との協業を加速し、世界の脱炭素化目標達成に必要不可欠な次世代太陽電池技術を進展させ、今後拡大していく需要に応えていく」とコメントしている。

 

 

(IRuniverse Kogure)

 

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