エネコートが総額55億円の資金調達、INPEXなど出資
2024/07/24 11:38 FREE
ペロブスカイト太陽電池の開発、販売などを手掛けるエネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)は、第三者割当増資で総額55億円の資金調達を実施した、と発表した。石油開発大手のINPEXや、三菱HCキャピタルなどが新たに出資した。今回の増資で、累計調達額は80億円になった。
ペロブスカイト太陽電池技術は、従来のシリコン系を今後、数年で上回る効率を達成する可能性を持っているとされる。国内での産出も多いヨウ素を原材料としており、大量生産した場合には、従来のシリコン系の数分の1の価格となる試算もあるという。
今回の資金調達は、生産、販売体制の構築や事業拡大、太陽光発電のサプライチェーンの多様化など、ペロブスカイト太陽電池技術の開発加速に活用される。新たに出資したINPEXは、エネコートの取り組みと連動して「原料となるヨウ素サプライチェーンの取り組みを強化していく」としている。
また、出資に参画した伯東(東京都新宿区)は、同時に資本業務提携を締結した、と発表した。同社は、国内外メーカーのシリコン太陽電池とパワーコンディショナーなどを再生可能エネルギーの自家消費を目指す企業向けに販売しているほか、自家消費用の再エネ導入時に、初期投資なく電気料金の支払いとして導入できるPPA型での提案なども行っている。
エネコート製のペロブスカイト太陽電池が製品化されれば、こうした提案のラインナップに追加していくという。
エネコートの加藤尚哉社長は「今回の資金調達を活用して、日本を代表する企業との協業を加速し、世界の脱炭素化目標達成に必要不可欠な次世代太陽電池技術を進展させ、今後拡大していく需要に応えていく」とコメントしている。
(IRuniverse Kogure)
関連記事
- 2025/02/07 TRE子会社のタケエイ、産官学の9団体とリサイクル技術推進に向けたCEパートナーシップを締結
- 2025/02/07 船舶による危険物の運送基準等を定める告示の一部改正について
- 2025/02/07 阪和興業:25/3期Q決算し、会社予想を据え置く
- 2025/02/07 MRAI's 12th IMRC 2025 Jaipur 現場レポート④ 船と自動車の解体を手掛ける Anupama Steel Limited
- 2025/02/07 鉛蓄電池とバッテリーリサイクルの国際会議ABCおよびRecycle100 2025年9月マレーシアのボルネオ島にて開催決定
- 2025/02/07 酸化イットリウム輸入Report #42 2024年輸入量3年ぶり増加 中国依存度も高まる
- 2025/02/07 酸化セリウム輸入Report #67 2024年輸入量増加 自動車と半導体需要が支え
- 2025/02/07 日本ポリエチレン ISCC PLUS 認証 全工場で取得完了
- 2025/02/06 揺れる非鉄金属スクラップ問屋経営のいま4 中華系業者から見たヤード条例ー順守できるのは約2割?
- 2025/02/06 黄銅条輸出Report#24 2024年輸出量3年ぶり増加 ただ年後半伸びず緩やかな減速