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山一電機(6941)25/3Q1WEB説明会メモ ややポジティブからポジティブに変更

25/3Q1スマホ向けTS伸長し71.5%増収、営利7倍で四半期最高更新、25/3期増額修正

株価2854円(8/6) 時価総額 623億円 発行済株21,829千株

PER(25/3期DO予9.0X)PBR(1.53X) 配当(25/3DO予)95円  配当利回り:3.3%

 

要約

・25/3Q1はスマホ向けTS大幅増で71.5%増収、営利7.0倍、四半期で過去最高収益更新

・25/3Q1収益好調を受け上期を増額、25/3期33.7%増収、営利3.0倍予想に増額修正

・26/3期TS上伸、CSも通信・車載向け拡大で収益上伸し23/3期を抜き最高収益更新期待

 

25/3Q1はスマホ向けTS大幅増で71.5%増収、営利7.0倍、四半期で過去最高収益更新

 

 25/3Q1決算が8/6に発表され、同日WEB説明会が実施された。25/3Q1は売上高151.17億円(71.5%増)、営業利益41.79億円(7.0倍)、経常利益44.87億円(6.9倍)、税引利益3.47億円(86.6%減)と、四半期で過去最高収益更新となった。

 

 事業別にテストソリューション事業(TS)は売上高98.66億円(83.7%増)、営利40.20億円(同期比39.01億円増、同期比33.7倍)と伸張した。全体の5割前後を占めるとみられるテスト用ソケットはクアルコム向けが計画を上回り伸長。バーンインソケットもロジック向けでは車載用ADAS分野向けが好調、メモリ向けはDDR-5向けが好調に推移もNANDフラッシュ向けは低調に推移した。利益面では好採算のテストソケットの大幅伸長でMIX良化、増収効果も大きく営業利益率は37.3ポイント向上、40.7%にジャンプアップし大幅増益に。

 

 コネクタソリューション事業(CS)は売上高49.99億円(1.1%増)、営利1.70億円(36.3%減)に。FA関連がシーメンスを中心にCNC装置向けやPLC向けなどインダストリアル4.0の拡大が一服、一方で車載向けは新製品投入などで堅調に推移、テレコム向けも在庫調整の完了から回復基調に。利益面ではFA関連の不振、佐倉事業所増設による諸経費増などもあり営業減益に。

 

 全体を通じ増収効果、MIX良化に加え、円安(ドルに対し18.52円円安の155.88円)による営業利益寄与9.8億円も加わり大幅増益に。

 

25/3Q1収益好調を受け上期を増額、25/3期33.7%増収、営利3.0倍予想に増額修正

 

 25/3Q1の好調を受け、会社側は25/3HI予想を大幅増額、売上高270億円(期初計画比27億円増額、45.1%増)、営利60億円(同13億円増額、199.4%増)予想とした。下期については不透明として従来予想をほぼ引継ぎ、25/3期予想を売上高487億円(期初計画比27億円増額、33.7%増)、営業利益88億円(同13億円増額、3.0倍)予想とした。さらに増額修正に伴い配当も下期15円増配し、年間89円配予想とした。

 

 事業別でTS事業が売上高261億円(同26億円減額、65%増)、営利72.1億円(同13.1億円増額、3.9倍)予想。テストソケットではスマホ向け大幅増が牽引、バーンインもロジックが車載向け好調維持、メモリ向けはDRAM向けの拡大、NAND向けもボトムから回復見通しに。CS事業は売上高212億円(同2億円増額、73%増)と通信向けの拡大、車載向けは新製品の拡大などに加え、新工場の生産性改善などから利益率改善し通期では大幅増益見通しに。

 

 現状、TS事業についてはQ1にスマホ新モデル向けでピーク売上となる季節性から、Q2に減少、下期は準備期間となる見通しとして従来予想並みを見通している。しかし昨今の半導体生産の回復、スマホもAI対応スマホなど、新たなニーズ、データセンタではDDR-5の需要が高まるなどでメモリ向けの拡大も見込める。このため下期のTS事業の上振れが見込まれる。CSについてもAIサーバー向けに800G対応の高速伝送用トランシーバ向け需要も高まっており、収益性の改善がさらに進むとみられ、CSでも利益の増額が期待される。

 

26/3期TS上伸、CSも通信・車載向け拡大で収益上伸し23/3期を抜き最高収益更新期待

 

 同社は昨年新中計として26/3期売上高500億円、営業利益100億円目指している。現在、中計2年目にあたるが、期初計画での25/3期予想は中計計画に対し売上で10億円、営利で9億円未達の予想としていた。しかし今回の増額修正で中計計画に対し、売上で17億円、営利で4億円上回る数字の増額修正予想となった。しかも下期について慎重に見ており、材増額修正が期待される環境にある。

 

 現状、半導体の回復について半期程遅れがあったが、生成AI等の需要が予想以上に盛り上がりを見せ、下期以降の成長が従来予想を上回るテンポで拡大する可能性が高い。また生成AI拡大でAIサーバー需要が急拡大する見通しで、CSではAIデータセンタ向けに800G対応の光トランシーバの売上拡大も見込まれ、26/3期は改めて最高益更新、さらに新中計を上回る収益に期待が高まる。

 

 

 株価は同社24/3期が業績不振も利益で増額着地し、5/14の開示で25/3期の収益変化率が高いアナウンスとなった事で高騰、5/15には500円ストップ高となる3270円で引け、5/20には3865円と2000年来の高値更新となった。その後は半導体関連株の一服もあり、株価が下落、8/3の暴落時には2357円まで売られた。しかし8/6には反騰、2855円とほぼストップ高で引けている。現在、8/6の25/3期修正会社予想EPS294.16円に対しPER9.7倍は、プライム電機PER25.3倍に対し割安感がある。また類似事業を行うヨコオPER15.3倍に対し割安、エンプラスの15.6倍と比較しても割安感がある。会社修正想定に対し下期再増額期待があり、20年来の高値更新ながら、増額修正を評価、今後、先端半導体、AIデータセンタ関連銘柄として評価が高まるとみられ、ややポジティブから改めてポジティブに変更したい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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