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イワキ(6237) 25/3Q1決算メモ ポジティブ継続

25/3期6.8%増収1.8%営利減予想もMIX良化で増額含みから連続最高益更新期待

株価2898円(8/16)   時価総額651億円   発行済株22490千株

PER(25/3DO14.2X)PBR(1.16X) 配当(25/3DO予)62円  配当利回り:2.1%

 

要約

・25/3Q1は医療機器向けが牽引しMIX良化もあり1.0%増収10.3%営利増

・25/3期6.8%増収1.8%営利減予想も医療機器向け増額等で連続最高益更新期待

 

 

25/3Q1は医療機器向けが牽引し、MIX良化もあり1.0%増収10.3%営利増

 

 半導体、医療機器向けの強味を持つケミカルポンプ専業・総合メーカー。25/3Q1決算を8/10に発表、同日説明資料が開示された。25/3Q1は売上高112.20億円(1.0%増)営利14.31億円(10.3%増)、経常利益16.66億円(2.4%増)と緩やかながら増収増益を確保した。

 

 地域別では同期比日本・欧州を除き減収に。国内は53.35億円(6.0%増)で、医療機器向けの伸長が寄与した、欧州は15.60億円(15.8%増)となったが、冷却用途分野での寄与が大きかった。一方、米国は医療機器向けが好調も主要市場の水処理市場が減少し16.04億円(7.2%減)、中国は景気低迷で15.92億円(6.3%減)、アジアも半導体・液晶向けが減少し6.87億円(16.7%減)と低迷した。      

 

 市場別では水処理が米国中心に不調で24.62億円(5.6%減)、半導体・液晶向けは20.05億円(10.7%減)と空気駆動ポンプが伸び悩むも、24/3Q4比では33.7%増と復調している。医療向けは国内中心に拡大、米国向けも好調で24/3Q4比でも9.7%増に。その他は25.31億円(11.6%増)と欧州向け冷却向けが寄与した。化学向けは11.56億円(11.3%増)で2次電池材料の製造設備や高付加価値製品開発向けに堅調な伸びとなった。

 

 製品別では主力製品のマグネットポンプが37.55億円(6.6%増)と順調に拡大、定量ポンプも18.59億円(0.5%増)と微増収を確保、回転容積ポンプは医療機器市場の好調を受けて8.33億円(26.1%増)と伸張、エアーポンプも医療向け回復で6.89億円(6.9%増)となった。一方、空気駆動ポンプ(空気駆動でベローズ構造の往復動ポンプ)は半導体洗浄工程向け減で15.32億円(4.7%減)に止まった。

 

 利益面では収益性の最も収益性の高い定量ポンプが微増、次に採算の良いマグネットポンプの伸びが順調、3番目の収益性を持つ回転容積ポンプが伸長、一方で低採算の空気駆動ポンプが減収となり、MIX良化で総利益率が2.7ポイント改善し41.1%となり、経費増で販管費比率が1.6ポイント高まったものの、営業利益率が1.1ポイント改善した結果10%営利増に。なお営業外では持分利益が1.33億円(36.4%減)と韓国、台湾を中心とした持分利益減が影響し経常利益の伸びは2.4%増に止まった。

 

25/3期6.8%増収1.8%営利減予想に変更なく半導体向け増等で増額し連続最高益期待

 

 25/3期会社予想に変更はなく、売上高475.75億円(6.8%増)、営利53.67億円(1.8%減)、経常利益58.21億円(6.4%減)、税引利益41.93億円(6.0%減)予想を据え置いた。アジア向け半導体・液晶市場の回復が下期になる見通しと、原料調達価格や輸送費増、加えて大型展示会費用が嵩むことから、25/3H1を3.7%増収ながら15.5%営利減と想定、25/3H2は10%増収12.6%営利増を見込むも全体では営利微減益予想とした。また持分利益が減少、為替差益も無くなる前提で経常利益は減益率が若干高まるとした。

 

 市場別売上面では新エネを除き増加を見込む。水処理は米国向け拡大で9.3%増予想。半導体向けは83.63億円(6.6%増)と下期からの回復を想定。医療機器向けは2.0%増、化学は電池製造部材や高機能化学品向け増で9.8%増を見込む。製品別ではその他を除き1桁成長を見込む。収益性の高い定量ポンプ5.0%増、マグネットポンプ7.5%増、回転容積ポンプ8.1%増を見込む。なお国内が3.4%増、海外が9.7%増と米国や欧州の拡大、アジア向けの回復等を見込む。

 

 利益面では増収ながら原価率の悪化で相殺、これを為替差益2.35億円カバーするものの、展示会費用等の増加で微減益予想とした。経常利益では持分法の投資利益の減少を見込み、減益幅が多少広がる予想としている。

 

 現状、25/3H1予想に対し25/3Q1の進捗率は売上で48.2%も、営業利益では60%、経常利益も64%と、利益進捗率が高い。これは採算の良い定量ポンプが微増収を確保、マグネットポンプや回転容積ポンプが伸びているためで、現状も堅調を維持している模様。また計画に対し色行き来向けが大きく伸長、これも現在好調を持続している。半導体については下期回復、特に日本においては新工場建設が相次ぎ、半導体製造装置向けに加え工場投資に係わる需要も見込まれ、国内は会社計画を上回る需要が見込まれる。また台湾では先端ロジック投資、韓国でもHBM投資、中国では半導体設備増強継続見通しで、全体として下期に半導体関連の増額が見込まれる。加えて2次電池も設備増強も国内メーカーの投資が始まり、拡大が見込まれる。一方、水処理は米国などが緩慢な動きのようで計画未達懸念がある。

 

 全体として25/3H1は収益の営利減予想に対しMIX良化継続で営利増が見込まれ、下期は収益性が低いもののウエハ洗浄装置向けの空気駆動ポンプの拡大、さらには収益性の高いマグネットポンプも増額が期待され、25/3期は会社予想を上回り、増収増益を維持し4期連続の最高収益更新が期待される。

 

 株価は5/13の本決算開示で25/3期減益予想が示され、2638円から5/24には2180円まで低下、その後は半導体関連株の暴騰で7/16には3345円の高値更新となった。しかし市場の波乱もあり8/5には2100円まで下落した後、3000円まで急回復している。現在、25/3期会社予想EPS189.92円に対しPER15.3倍は、東証プライム機械平均PER17.9倍に対し割安感がある。なおタクミナ(6322)の13.3倍、日機装(6376)の7.7倍に対し割高感、帝国電機(6333)16.4倍に対し割安となっている。現状、25/3期も増額修正期待で4期連続最高益更新期待があり、半導体関連、医療機器関連に成長余地があり、26/3期も最高益更新が見込まれることからポジティブ継続と考えたい。

 

 

(H.Mirai)

 

 

 

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