カーボンニュートラル技術をビジネスマッチング、環境省が支援事業者を募集
環境省は、政府が掲げる2050年カーボンニュートラルに向けて、優れた二酸化炭素(CO2)排出削減技術や資源循環に関する技術などを持つ事業者を、ビジネスマッチングさせる支援事業を進める。これまで同省の助成を受けるなどして技術開発には成功していても、販路の確保や資金面での障害が残り、実用化などに至っていないケースが出てきているという。そうした事業者を対象とし、同省が「つなぎ役」(同省地球温暖化対策事業室)となって、普及などを後押しする。今月末まで支援を希望する事業者を募集している。
政府は、温室効果ガス削減として、30年度に46%削減を目標とするなど、早期の脱炭素社会の実現を掲げて対策に取り組んでいる。
そのためには、CO2排出削減技術の高効率化や低コスト化などが技術的課題として浮上。解決を進めていき、実社会に普及させていくことで、将来的な地球温暖化対策につなげていくことが欠かせない。
関わる領域は資源循環システムの構築なども含めて多岐にわたり、統合的な取り組みを通じてイノベーションを次々に創出することが必要になってきている。環境省では、民間企業や公的研究機関、大学などによる技術開発や実証を助成するなどして支援してきており、すでに事業者からは数多くの製品や商品が生まれているという。
ただ、一部の事業者では、技術開発には成功しているものの、販路確保や資金獲得などの面で壁にぶつかることがあり、社会実装にまでに至っていない例があるという。そうした背景から、同省では、カーボンニュートラル技術を持つ事業者を、リース会社や金融機関、投資会社、需要家などとマッチングする支援を進め、実際の実用化を後押ししていき、次世代技術の普及促進につなげることを目指す。
具体的には、支援事業者に対し、同省が技術やその企業にいわば「お墨付き」を与えて、同省側がマッチング先に提案、紹介などを進める。これまでビジネスマッチング会などを催したことはあったが、同省側がマッチング先に売り込むような形での個別支援は、今回が初めてになるという。
支援を希望する事業者は8月末まで専用のホームページから申し込みを行う。同省が有望な数社程度を選定したうえで、9月~12月にかけて支援を実施することを想定している。参加費は無料。
主催する環境省地球温暖化対策事業室の担当者は「個別支援は、どういう効果が出るか、探りながらではある。せっかくすばらしい技術でも、世の中に出ていないものもあり、売り込みなどを少しお手伝いすることで、技術の普及を早めていきたい」と話している。
(IRuniverse Kogure)
関連記事
- 2025/06/16 豪Livium社 レアアースリサイクル推進へ 複数の抽出技術開発企業と協議中
- 2025/06/16 環境大臣政務官が、自動車リサイクルの最前線リバー川島・ELV川島事業所を視察
- 2025/06/16 アーバンエナジーの太陽光発電コーポレートPPA サービス導入100MW突破
- 2025/06/13 DOWA子会社が村田製作所からサプライヤー表彰を受賞―リサイクル金属の循環スキームを共同構築
- 2025/06/13 日本が中国製ソーラーパネル調査開始
- 2025/06/13 環境省 中環審の脱炭素型資源循環システム構築小委員会開催〜高度化法概要について
- 2025/06/13 トクヤマ他 使用済太陽光パネル資源循環推進・北海道コンソーシアム設立
- 2025/06/13 レゾナック、日本製鉄他 排出 CO2 の有効活用によるグリシン製造研究開発が、NEDO 採択
- 2025/06/13 自動車リサイクルサミットⅣ 講演者紹介: Power eee 株式会社 取締役副社長 芋生誠 氏
- 2025/06/12 エンビプロHD、新社長に佐野文勝副社長が就任へ