工作機械工業会7月受注確報 7月8.4%増1239億円と3カ月連続同月比増も力強さ欠く
7月工作機械受注は1239億円(8.4%増)、3カ月連続同月比プラス
8/22の15時に日本工作機械工業会の2024年7月工作機械受注確報が開示された。7月受注は1239億円(同月比8.4%増)と3カ月連続で同月比増加となったが、前月比では7.4%減、再度1300億円割れとなった。外需は中国で大幅増の動き、内需の弱さがある。
外需は17.7%増882.39億円と3カ月連続同月比増、中国65.9%増の295億円と伸張
外需は882.39億円(同月比17.7%増)と3カ月連続同月比増、但し前月比では5.1%減で再度900億円割れとなったが3カ月連続で850億円超は確保した。主要4業種で同月比は一般機械を除き増加、前月比は航空・造船・輸送用機械のみ増加。一般機械は257.9億円(同月比0.2%減)で2カ月ぶり300億円割れ。自動車は173.1億円(同月比1.8%増、前月比8.7%減)と欧米で前月比増もアジアで減少、5ヶ月ぶり180億円割れ。電気・精密は105.6億円(同月比19.7%増、前月比28.9%減)と前月の中南米34.65億円の大型受注の反動減で6カ月ぶりの110億円割れ。航空・造船・輸送機械は97.5億円(同月比90.7%増、前月比28.9%増)と、北米の大型受注で2022年1月以来、30カ月ぶり90億円超に。
主要3極別ではアジアが437.7億円(同月比50.3%増、前月比6.9%減)と、4カ月連続で同月比増。中国が295.0億円(同月比65.9%増)と4カ月連続増で高水準を維持。主要4業種全てで同月比増加、一般機械98.0億円(34.2%増)、自動車75.9億円(47.5%増)、電気・精密52.7億円(31.4%増)など軒並み大幅増。中国の工作機械のNC化向上促進の動きなどが継続している。その他ではインドが49.88億円(同月比43.8%増)、また台湾21.78億円(33.2%増)など高い伸び率に。北米は269.43億円(同月比9.6%増、前月比14.2%増)、アメリカが229.7億円(同月比17.9%増、前月比7.4%増)で3カ月連続200億円超に。航空・造船・輸送用機械が77.1億円(3.2倍)と2022年1月の115.8億円に次ぐ過去2番目の数字となる一方、自動車15.7億円(同月比52.2%減)、一般機械53.8億円(25.2%減)など低調。欧州は147.1億円(同月比23.2%減、前月比15.0%減)と7ヶ月連続同月比減かつ2021年4月の149.6億円以来、39カ月ぶり150億円割れ。ドイツ36.8億円(同月比14.6%減)と8ヶ月連続減、イタリア19.2億円(同月比36.3%減)と10カ月連続減少。イギリスも11.74億円(32.1%減)、トルコ11.48億円(24.0%減)など軒並み大幅減に。主要業種4業種も全て同月比減。一般機械44.6億円(同月比27.3%減)、電機・精密11.0億円(同月比35.4%減)、航空・造船・輸送用機械も13.7億円(同月比18.2%減)、自動車は21.4億円(8.0%減)と唯一1ケタ減に。
外需全体として伸びが鈍化懸念で、欧州など低調に加え円安効果も薄れ気味で、今後、外需は中国での補助金頼みの感もある。
内需は357.03億円(同月比9.3%減)と23ヶ月連続同月比減で再度400億円割れ
内需は357.03億円(同月比9.3%減、前月比12.5%減)と23ヶ月連続で前年同月比減、前月比でも反動減となり再度400億円割れに。主要4業種は同月比で電気・精密を除き減少した。自動車63.7億円(同月比24.8%減)と5ヶ月ぶりに70億円割れ。一般機械は154.9億円(同月比10.4%減、前月比5.9%減)と23ヶ月連続同月比マイナスと2年近く減少が続いており調整局面が継続し回復の動きも鈍い。電気・精密は52.2億円(同月比44.6%増、前月比31.4%増)と4カ月ぶりの50億円超で、半導体製造装置向けなど一部で大口受注も。航空・造船・輸送用機械は13.8億円(同月比5.7%増、前月比49.7%減)と4カ月連続同月比増も4か月ぶりに20億円割れ。全般に内需の弱さが継続している。
7月販売0.9%減1174億円、受注残は3.0%減8137億円と2カ月連続8000億円大台確保
7月販売は1174億円(同月比0.9%減)と低調続くも、1000億円割れの4月からは回復し1100億円台を維持している。受注残高は8137億円(同期比3.0%減)と14ヶ月連続同月比減、但し販売が低調で2カ月連続で8000億円大台を維持。受注回復というよりも、販売減が継続し、受注残高が高止まっている状況が続いている。
工作機械主要4社の7月受注は前年同月比4.2%増の296.55億円で工業会の伸び下回る
日刊工業新聞が8/14にまとめた主要工作機械4社の7月受注実績は296.55億円(同月比4.2%増)と3カ月連続増加となったが、工業会の伸びを3カ月連続下回る。内訳は輸出211.81億円(6.6%増)、国内84.74億円(1.4%減)。地域や仕向け先でまだら模様の状況が続いている。総額でプラスはツガミ73.88億円(18.1%増)、輸出が68.14億円(同月比28.3%増)と5カ月連続増も前月の100億円超の勢いはなく前月比では28.1%減。同社を含め、小型旋盤に強みを持つ同社やシチズン、スター精密などが受注堅調も、多少、一巡感も出てきたとのことで、改めて中国の補助金の推移が気になるところ。国内向けでは牧野フライスが26.32億円(同月比19.3%増)、全体でも85.29億円(2.8%増)で、国内で2輪向けのまとまった受注があったとのこと。各社、半導体製造装置向けなどで受注増加の動きはあるが、全体を牽引するまでには至っていない。
(H.Mirai)
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