中国、再生エネルギーへの切り替えに指導意見 太陽光発電やEV促進、再活用活用も
中国国家発展改革委員会(発改委)などの中国政府の6部署は10月30日、ホームページ上で、「再生エネルギーへの切り替えを促進するための指導意見」を発表した。従来の化石燃料から太陽光や風力、バイオマス発電などへの切り替えのほか、電気自動車(EV)普及を含めた再生エネルギー対応のインフラ整備を進め、脱炭素化を促進する。
■砂漠での太陽光発電や農村部での廃棄物発電、電気高速道路
プレスリリース:【关于大力实施可再生能源替代行动的指导意见(发改能源〔2024〕1537号)】-国家发展和改革委员会
「指導意見」では、砂漠地帯などでの大型の風力・太陽光発電所の建設や、海上風力発電のクラスター化開発を推進する。さらに送電網をスマート化し、農村部では農業廃棄物や動物の排せつ物を使ったバイオマス発電も進めるとした。一方、都市部では電動パスの一段の普及を進め、新築ビルは環境負荷に対応した建築基準を守ることを徹底する。運輸産業では、電気船や航空燃料の電動化に取り組み、電気高速道路の導入も見据える。
■中国の鉄スクラップ、2023年に2億6000万トン
気候変動による災害の増加などもあり、中国でも循環型経済(サーキュラーエコノミー)への意識は高まっている。指導意見の発表を受け、発改委の劉柵浩・党位書記主任は11月1日、同委のホームページに「グリーン社会の育成が急がれる」との論考を寄せた。
論考で劉氏は、「中国の経済と社会は、グリーンで低炭素の開発を加速する質の高い発展の段階に入った」と指摘。リユース・リサイクルが進んでいるとし、「 2023年には、中国の鉄スクラップは2億6000万トン、古紙のリサイクルは6750万トンに達した」と説明した。さらに同氏は論考で、家電大手のハイアールが9月に再生工場で展示した廃回路基板で作られた装飾壁を取り上げ、資源再生の重要性を訴えた。
ハイアールが展示した廃回路基板の装飾壁
(出所:発改委ホームページ)
(IR Universe Kure)
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