11月の世界経済 トランプ当確、円安インフレ再燃へ エモリファンド・江守氏
11月5日から投開票が行われた米大統領選は、共和党のトランプ前大統領の当選が確実となった。11月6日の米国市場では、米株や米ドルが急伸するなど早くも影響が出ている。米国の政権交代後、日本や世界はどうなるのか。11月の世界経済見通しをエモリファンドマネジメント株式会社の江守哲・代表取締役兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。
■中国の景気対策も楽観ムードを支援
インタビューの時点では米大統領選の勝敗は定まっていなかったが、江守氏は「誰が新たな米大統領になるとしても」と前置きしたうえで、「一大イベントの通過で不確定要素が減り、世界は安定ムードになるだろう」と予想した。
加えて「中国も9月下旬から矢継ぎ早に景気対策を打ち出し、一時期よりは世界全体が楽観的な雰囲気になる」と話した。
■円150円台継続、金は3000ドル視野に快進撃
米大統領選の日本への影響として気になる為替動向については、江守氏は「円安が再燃する」とみる。「米国が安定して景気が良くなれば強い米ドルに資金が流れ込むことになり、円は売られていく。米国が好景気となり米金利が高止まりすれば、やはり投資資金は米ドルに流れ込む」と、円安要素が増えると予想。「1ドル=160円を上値抵抗線に、150円台の推移が続きそうだ」との見方を示した。
過去1年間のドル円相場の推移(米ドルTTS)(JPY/USD)
米国の好調は米利下げの延期とインフレ再燃にもつながる。金属を含む商品価格は上昇し、中でも「金と銅は上昇基調を続ける可能性が高い」(江守氏)という。江守氏は金について「下落する理由は現時点では見当たらない。年内は厳しいとしても、近い将来に1トロイオンス=3000ドルを突破するのではないか」と話した。
過去1年間のNY金相場の推移($/toz)
また、江守氏は銅は「中国の景気改善期待も買いの手掛かりになる」と指摘する。夏以降はやや弱含むものの勢いを取り戻し、「2024年5月に付けた1トン=1万ドル台を再び試すことになるだろう」と語った。
過去1年間のLME銅相場の推移($/ton)
江守ファンドホームページ: エモリファンドマネジメント株式会社 (emorifundmanagement.com)
(IR Universe Kure)
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