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トランプ再来、世界の鉱業どう変わる? 米国第一? 化石復活? IRAは?  海外報道 

 

 

 米大統領選は共和党のトランプ元大統領の圧勝で終わった。「またトラ」で米国内外の鉱業はどう変わるのか。世界のメディアから関係者やアナリストらの声を拾ってみた。

 

■鉱業でも「米国第一」

 

 Mining.comなどの海外メディアは11月7日、トランプ氏が率いる米国政府は鉱業セクターにとって朗報」(銅探査会社ファラデー・コッパーのポール・ハービッジ最高経営責任者(CEO)との声を伝えた。理由は、トランプ氏は鉱業分野でも「アメリカ・ファースト(米国第一)」を貫くと考えられるためだ。

 MSNニュースが11月7日に鉱物コンサルタント企業の幹部の発言として伝えたところでも、「バイデン政権の鉱物政策は国際協力を大きく特徴としているが、次期トランプ政権は、米国でより多くの鉱山、処理施設、製油所を建設することを大幅に優先するだろう」との声がある。

 

 具体的には、バイデン政権で滞っていた鉱山開発プロジェクトなどの審査や認可のスピードが上がる可能性がある。11月7日のロイター通信は、英豪資源リオ・ティント幹部の話として、「トランプ次期政権は、エネルギー転換のための十分な銅を確保するために、許可プロセスの迅速化に焦点を当てるべきだ」と伝えた。リオは米アリゾナ州で銅鉱山の開発を申請中。なかなか認可が下りずにいる。MSNによると、黒鉛企業のノーザン・グラファイトのトップもトランプ新政権に対し「より多くの鉱山が許可され、より早く生産できるようになる可能性がある」と期待を寄せた。

 

■化石燃料に逆戻り?

  従来型の化石燃料関連が恩恵を受けるとの見方も浮上している。パリ協定からの再度脱退を公言しているとおり、トランプ氏は環境問題については民主党ほどには熱心ではない。ただ、気候変動による災害増加などの影響を受けているのは米国も同じで、ある程度の環境保護政策は超党派の動きだろう。トランプ氏の方がハリス氏よりも「おそらく進展が少ない」(MSN7日)だけだ。

 MSNは、現在の拙速さが修正されることになる環境保護政策は「化石燃料部門と鉱業部門の両方に利益をもたらす可能性が高い」とも指摘する。トランプ氏は前回の大統領就任中に原子力産業での米国の地位復権を目指した経緯があり、米国内のウラン交渉の拡大も検討していた。

 

■気になるIRA、資源貿易どうなる

 

(出所:ドナルド・トランプ公式ホームページ)

 

 沸き立つ米国内の鉱業関係者に比べ、海外の視線は複雑だ。トランプ氏は中国製品をはじめ海外からの輸入品に対する関税の大幅引き上げを公言している。

 まず、現在の脱中国依存の方向は続くとの見方が多い。MSNは、ノーザン・グラファイトのトップの話として「中国からのグラファイト輸入に最初に関税を課したのはトランプ政権であり、彼は米国の産業を保護するために関税をさらに使用するだろう」との見方を伝えた。

 

 一方、米インフレ抑制法(IRA)の電気自動車(EV)優遇措置は巻き戻される可能性がある。MSNは、グローバルデータのアナリストが「EVに対する7500ドルの税額控除など、特定の条項を廃止するよう推進する可能性がある」と話したとも伝えた。IRAの優遇措置を視野に世界の自動車大手が米国内やメキシコなどに工場を設置するが、再考を迫られるケースも出てきそうだ。

 

 輸出国側は困惑する。インドネシアメディアのジャカルタグローブは選挙前の11月5日、「インドネシアのニッケル産業にとってはトランプよりハリスの方が好ましい」との記事を掲載していた。インドネシアは同国産のニッケルを使用した車載電池がIRAの控除対象になるように交渉中で、「もしトランプ新政権がIRAを終了または延期すれば、米国へのニッケル製品輸出の支障となる」(ジャカルタグローブ)との懸念がある。

 

■「環境保護」もお金になれば

 トランプ氏の環境保護に無頓着な姿勢は脱炭素を見据えて需要拡大を見込んできた金属業界を震撼させてはいる。ただ、それでも期待する声も散見される。

 オーストラリアのメディアは11月7日、Fortescue Metals Groupの創設者兼会長であるアンドリュー・フォレスト氏が株主総会後のインタビューで「トランプ氏は現実的な経済人」と指摘したと伝えた。フォレスト氏は、「グリーンエネルギーは競争力が高い。それが変化するわけではない。(お金を生む分野ならば)トランプ氏は資金を注入するだろう」と話したという。

 

 全米鉱業協会(National Mining Association)幹部も期待する。「トランプ氏は前回の大統領時代に複数のプロジェクトを開始するなど一貫性があった。対してバイデン時代はあるプロジェクトが移動し、別のプロジェクトが停止するなど一貫性に乏しかった。新政権では、不安定さが払しょくされることを願う」(米E&Eニュース7日)。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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