川崎市 プラ一括回収リサイクルで国の認定を取得~市と市内事業者が連携し
川崎市はプラスチックごみの焼却を減らすことを目的に、令和6年4月から川崎区において、これまで普通ごみとして収集・焼却していたプラスチック製品を、プラスチック製容器包装と共に「プラスチック資源」として一緒に収集してリサイクルする取組を実施している。
同市は12月6日、令和7年4月からの幸区・中原区への実施地域拡大に向けて、市内事業者と連携してプラスチック資源一括回収のリサイクルに関する国の認定を取得したと発表した。
認定の取得により、市内に複数のプラスチックリサイクル事業者が立地する本市の強みを最大限活用した高度なプラスチックリサイクルを安定的に実施することが可能となる。
引き続き、市民・事業者と連携して、市内で発生したプラスチックを市内でリサイクルする「100%プラリサイクル都市」の実現を目指していく。
1 国の認定について
(1)認定日
令和6年12月6日
(2)認定の概要
令和4年4月に施行されたプラスチック資源循環法では、プラスチック資源の分別収集を促進するため、従来の容器包装に加え、プラスチック製品についても一括で回収し、リサイクルすることが可能となった。
同法では、環境大臣及び経済産業大臣の認定を受けることで、従来の日本容器包装リサイクル協会への委託以外に、自らリサイクルを行うことができる仕組みが新たに設けられ、同日、当該認定を取得した。
(3)リサイクル手法
市が収集した幸・中原区のプラスチック資源は、「(株)Jサーキュラーシステム」の川崎スーパーソーティングセンター(所在地:川崎区)に搬入後、中間処理を経てリサイクル原料(圧縮されたプラの塊など)になる。
その後、マテリアルリサイクル事業者である「JFEプラリソース(株)」の水江原料化工場(所在地:川崎区)においてペレット(合成樹脂の粒)などに、ケミカルリサイクル事業者である「(株)レゾナック」の川崎事業所(所在地:川崎区)においてアンモニアや水素などに生まれ変わる。
市民が出したプラスチック資源が市内事業者の連携により、プラスチックの質に合わせて様々な手法でリサイクルされる(市内での100%プラリサイクル)。これは、マテリアルやケミカルリサイクルなど、複数の高度なリサイクル事業者が立地している同市だから実現できるものだ。
【連携事業者】
株式会社Jサーキュラーシステムを代表企業とするグループ※
(代表企業)株式会社Jサーキュラーシステム
本社:神奈川県川崎市川崎区水江町5-1
事業所所在地:同上
役割:事業全体の統括、中間処理及びマテリアルリサイクル等
(構成企業)JFEプラリソース株式会社
本社:神奈川県川崎市川崎区水江町5-1
事業所所在地:同上
役割:マテリアルリサイクル
(構成企業)株式会社レゾナック
本社:東京都港区東新橋1-9-1
事業所所在地:川崎市川崎区扇町5-1
役割:ケミカルリサイクル
※令和5年11月の公募型プロポーザルにて選定
【処理スキーム】
※1幸・中原区で収集したプラスチック資源を収集車で直接「(株)Jサーキュラーシステム」に搬入
※2浮島資源化処理施設で中間処理(圧縮したプラの塊)したプラスチック資源(川崎区分の一部)を「(株)Jサーキュラーシステム」に搬入
※3ポリプロピレン(PP)という素材のプラスチックのみを選別して砕いたもの
(4)契約締結について
国の認定取得に伴い、令和7年4月からの事業実施に向けて、連携事業者とプラスチック資源のリサイクルに関する委託契約を締結します。
2 プラスチック資源の一括回収について
(1) 収集開始日
令和6年4月1日 川崎区
令和7年4月1日 幸・中原区
令和8年4月1日(予定) 高津・宮前・多摩・麻生区
(IR universe rr)
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