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RSテクノロジーズ(3445)24/12Q3決算説明資料メモ ポジティブ継続

24/12期5.8%増収17.7%営利増予想に変更なく円安もあり増額期待で経常更新へ

株価3460円(12/30)   時価総額918億円       発行済株26,375千株

PER(24/12DO予想11.2X)PBR(1.49X)配当DO予37円 配当利回り1.07%

 

要約

・24/12Q3は5.2%増収1.9営利増と四半期で増収増益に転じる

・24/12期5.8%増収17.7%営利増3.2%経常増予想変更せず下期増額で経常最高益期待

・中計ベースプラン26/12期売上高641億円、営利168.3億円は上振れ期待

 

 

24/12Q3は5.2%増収1.9営利増と四半期で増収増益に転じる

 

  24/12Q3は売上高144.85億円(8.6%増)、営業利益35.86億円(12.7%増)、経常利益31.79億円(25.7%減)、税引利益17.61億円(14.1%減)と、営利増益もQ3期末円高から為替差損7.01億円計上で経常利益が2ケタ減益に。

 

 セグメント別ではウエハ再生が売上高62.63億円(同期比16.5%増)、営利24.31億円(2.7%増)と堅調を持続、売上はフル操業状況で営業利益も5四半期連続で同期比営利増に。半導体生産の回復、新設の半導体工場もあり新製品立上げの際のテストニーズ増など、日本及び台湾の能力拡大に沿った収益拡大が続いている。営業利益は投資負担増の中で期末円高などから伸びは限定的。なお生産推移での開示は300mmウエハだけとなっているが、全体で2023年の月産55万枚から2024年には月産59万枚に拡大、ほぼフル操業となっているが、同社最大ユーザーのTSMC等への増収効果が大きいとみられる。

 

 プライムウエハ事業は売上高50.50億円(同期比11.7%増)、営利15.62億円(同92.1%増)と、中国市場で大幅に収益が回復している。これはCZ法製品に加え、単価の高いFZ法ウエハ拡大、Q2より原材料の調達先を中国国内に統一し調達コスト削減、また生産工程の見直しによる歩留まりアップもあり大幅な利益回復に。

 

 半導体その他事業は売上高31.27億円(同期比8.6%減)、営利0.30億円(同86.8%減)と、ユニオンエレクトロニクスソリューションにおいて利益率の高い特定商材の発注がなかったことから大幅減収減益に。

 

 全体を通じ、再生ウエハ事業がフル生産の中で増収効果、プライムウエハ事業が中国での収益回復が寄与した。なお利益面では期末円高影響から営業外で為替差損7.01億円があり、同期比8.95億円悪化となってことで経常利益では2けた減益を余儀なくされた。

 

24/12期5.8%増収17.7%営利増3.2%経常増予想変更せず下期増額で経常最高益期待

 

 24/12期会社予想の売上高549億円(5.8%増)、営業利益140億円(17.7%増)、経常利益154億円(3.2%増)、税引利益76億円(1.3%減)に変更はなく、Q3累計での進捗率は売上高で81.2%、営業利益69.10%、経常利益71.9%水準となっている。

 

 現状、再生ウエハは生産能力増強効果がフルに寄与、12インチにおいては幅広い出荷先を確保している。但し最大手出荷国として台湾向けが全体の48.1%を占め、最大ユーザーのTSMCの生産が順調に推移、24年11月は同月比34%増となっている。TSMCにおいては先端半導体投入に伴う立上げ向けにテストウエハ使用量も増加する環境にあり、再生ウエハ事業は引き続きフル生産状況が続こう。プライムウエハ事業は8インチウエハ生産能力のアップが寄与、8インチウエハは安定生産13万枚/月に加え新た5万枚/月の能力増強が前倒しで実行され18万枚/月の能力に達し、売上拡大に寄与しよう。またエッチング関連部材がエッチング装置の生産拡大で回復が見込まれる。このため24/12Q4について売上高の増額が見込まれ、営業利益も若干の増額が期待される。また経常利益については9月時点の1$=142円に対し円安に推移、営業外で為替差益に転ずる見通しで、経常利益も増額見通しで最高益更新が期待される。

 

中計ベースプラン26/12期売上高641億円、営利168.3億円は上振れ期待

 

  同社は新中計でベースラインとして26/12期に売上高641億円、営業利益168.3億円、経常利益182.3億円を目標としている。

 

   ウエハ再生事業は2026年までに月産89万枚の生産能力の確立を目指す。投資額としては最大手ユーザーであるTSMCを睨み、台湾での投資を60億円見込み、また中国は本格的に再生ウエハ需要が発生するとの見通しで61億円の投資を実施予定。さらに日本においては、JAMSの第2、第3工場、ラピダスの稼働などを踏まえ、中計以降の国内需要拡大に対応すべく、9月に三本木工場の第7工場増産計画を発表した。2029年度にかけ月産17万枚を製造する計画で、投資総額151億円を投入予定としている。

 

 

 プライムウエハ事業では8インチで既に18万枚を実現、2028年に月産28万枚を目指す。また12インチ2028年には月産21万枚を目指す。なおプライムウエハ事業の中には半導体製造装置向け部材が含まれ、同部門収益に大きく寄与しよう。

 

 全体として半導体生産の拡大、またAI半導体など、開発案件の拡大などが期待され、再生ウエハでは最大ユーザーがTSMCであり、中計ベースプランは上振れ達成が期待される。

 

 同社は中計のアップサイドプランとして、バナジウムレドックスフロー電池事業と新たなM&A実施により、2026年12月期に売上高1311億円、営利242億円を目標値と定めている。新事業の柱はバナジウムレドックスフロー電池(VRFB)用高効率低単価を実現するバナジウム電解液事業。最大市場の中国市場に進出、26/12期に売上高240億円、営利率20%を目指す。現状24/12期については電解液の受注を獲得し出荷の準備を整えていた案件の計上が、顧客の都合で2025年に後ろ倒しになり、2024年の達成が難しくなった。しかし中国での引き合いは活発であり、2026年の目標達成に向け設備増強を推進するとしている。またM&Aについても積極的に対応する計画で、2026年までに430億円規模を計画している。10月には中国厦門で投資性公司を設立、前回、ヘリオステクノHDのTOBは価格が折り合わず見送りとしたが、12月30日には収益寄与は小さいが、光学ピックアップモジュール・車載カメラモジュールの製造・販売を行う艾索精密部件(惠州)有限公(RSPDH)について子会社化を完了した。今後もビジネスチャンスがあれば積極的にM&Aを実行するとみられる。

 

 

 株価は全体相場暴落時の8/5に安値2600円を付けた後、四半期で増益を継続してきたこともあり日経平均に対し上回り10/7には4095円まで上昇。しかしその後は一時的な円高で24/12Q3が経常減益となり、日経平均並みの動きに落ち着いている。現状24/12期会社予想EPS288.34円に対しPER12.0倍はプライム金属17.2倍、化学19.8倍に対し割安感がある。またプライムウエハの信越化学19.8倍、SUMCO20.5倍に対し割安、フェローテック7.9倍に対し割高となっている。24/12期は会社予想増額から最高益更新が期待され、グループ上場企業持分の時価総額を加えると企業評価価値は実質的なPBRで1を割り込む状況が続いており、ポジティブ継続としたい。なお最大手ユーザーがTSMCであることを再評価、アップサイド計画が順調に推移した場合は定置型2次電池関連株の評価も加わり、株価が大きく変化してくる可能性がある。

 

*信越化学(4063)、SUMCO(346)、フェローテック(6890)との比較

 

 

(H.Mirai)

 

 

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