工作機械工業会 受注速報 12月18.4%増1412億円、2024歴年0.2%減1兆4832億円
12月受注1412億円(同月比18.4%増)、3カ月連続同月比増、2024年で月次最高額
1/15の15時に日本工作機械工業会の2024年12月受注速報が開示された。12月受注は1412.59億円(同月比11.2%増、前期比11.2%増)と3カ月連続で同月比増加となり、2024年の月次最高額、12月としては2017年の1659億円、2014年の1442億円に次ぐ数字となり、底入れに期待が高まる。なお確報は1/28公表予定。
内訳は外需が1013.39億円(同月比14.1%増、前月比19.2%増)と2022年5月1038億円以来の1000億円超となった。内需は399.20億円(同月比4.4%増、前月比16.3%増)と2ヶ月連続で同月比プラスに。11月のJIMTOF開催のプラス効果も寄与の可能性もあり、今後の受注増に期待がかかる。なお2024年では1兆4832億円、12月の大幅増加が寄与し前年比0.2%減となり、工業会予測1.5兆円にわずかに届かなかったものの、ほぼ工業会予測通りに着地した。
2024年工作機械受注は0.2%減の1兆4833億円、2025年予測は7.9%増の1兆6000億円
2024年受注総額は1兆14833億円(前年比0.2%減)となり、工業会予測1兆5000億円に対し167億円未達成も、ほぼ計画通りの着地となった。内訳は外需1兆417億円(工業会予想比717億円増額、3.2%増)、国内4415億円(同885億円未達、7.4%減)と、内需の弱さが目立つ。外需は中国が健闘、米国も高水準で推移、欧州は低調となった。なお外需は円安効果寄与も大きいとみられ、ドルベースでは必ずしも本格回復とは言えない。
2025年工業会予測は7.9%増の1兆6000億円となる予想を示した。人手不足を背景に省人化、自動化ニーズが高く、年後半には受注が高まるとの見通しとした。なお業界内ではニデックの牧野フライスへのTOB表明など、受注動向に加え業界再編などで大きな変化も。
鍛圧機械12月受注は同月比16.8%増197.8億円
金属加工機械である鍛圧機械の12月受注(1/14発表)は197.80億円(同月比16.8%増、前月比29.3%増)と、4カ月ぶりに同月比増加、11月の本年最低額から脱出。国内が120.77億円(同月比24.9%増)と4カ月ぶりに同月比増加。一般機械34.8%増、電気52.8%増、金属31.6%増、鉄鋼3.1倍も、主力の輸送は19.8%減と不振続く。輸出は77.03億円(同月比6.0%増)。北米58.0%増、東南アジア98.4%増、インド3.1倍、一方で欧州56.7%減、中国20.1%減に。
機種別でプレス系が101.3億円(同月比24.7%増)で小型プレス73.2%増、超大型プレス11.8倍、油圧プレス41.7%増、一方で中型・大型・自動化装置は減少が減少、板金系は96.5億円(同月比9.5%増)、パンチング29.5%増、ブレーキ・シャー12.1%増もレーザ・プラズマ9.7%減に。なお12月はサービス等が77.46億円(同月比1.1%減)でサービス等が5カ月連続で同月比減、3カ月連続で80億円割れとなっている。
鍛圧機械2024年は10.0%減2493.72億円、2025年工業会予測は1.1%増2520億円
2024年の鍛圧機械受注は10.0%減の2493.72億円(期初計画比286億円未達、7/31工業会修正予想比106億円未達)と、2年連続で減少した。内訳は国内が1474.75億円(7/31予想比5億円未達、7.7%減)、輸出1018.97億円(7/31予想比81億円未達、13.1%減)と内外ともに2年連続減少している。機種別ではプレス系機械が1343.86億円(期初計画比216億円未達、7/31予想比106億円未達、12.7%減)と2ケタ減に。内外ともに牽引役であった自動車のEV化対応の手控えが影響した。一方でOEMやティア1における大型機械投資は堅調に推移した。板金系機械は1149.88億円(期初計画比70億円未達、7/31予想比計画通り、6.6%減)に。国内は半導体関連の低迷、輸出も海外の景気減速が影響した。全体として機種別でも2年連続で減少した。なおサービスを含めた受注総額では3430.68億円(期初計画比239億円未達、7/31計画比119億円未達、6.4%減)となっている。
日本鍛圧機械工業会が12/24に発表した2025年鍛圧機械受注予想は1.1%増の2520億円を見込む。国内が1460億円(1.0%減)、輸出1060億円(4.0%増)予想。国内はEV関連の停滞、一方では半導体関連での増加を見込むが、全体では微減にとどまる見通しに。輸出は中国・欧州・米州でのEV不振を懸念も、トランプ政権下でのインフラ投資、インドの伸長に期待している。なお年度予想では、2024年度予想の2450億円(9.9%減)に対し2025年度は6.1%増の2600億円を見込む。暦年と比較し下期に回復が高まる見通しとしている。
11月工作機器生産は4%減と24ヶ月連続減も主力ボールネジ、直動軸受は3カ月連続増
工作機械に関連する工作機器は、日本工作機器工業会1/7発表の24年11月生産額が126.16億円(同月比4%減)と24ヶ月連続同月比マイナスと低迷が続いた。この中で主力ボールネジは27.18億円(26%増)、直動軸受も40.90億円(10%増)といずれも3カ月連続同月比増、しかも3カ月連続2ケタ増となっている。両製品とも工作機械はボトム形成の中で、半導体製造装置向けの受注回復の寄与を受け、同月比プラスの定着が期待され、工作機器全体よりも回復が明確に高待っている。
米国11月工作金属加工機械受注は同月比12.4%増の4億8800万ドル
1/13に発表された米国金属加工機械11月受注は4億8800千万ドル(同月比12.4%増、前月比16.8%減増)。11月としては2021年以降最高額に。
(H.Mirai)
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