ザンビア、24年のコバルト生産6倍に 銅も12%増、活気づくアフリカ
アフリカ南部ザンビア共和国の鉱山・鉱物開発省は1月21日、ホームページ上で、2024年の鉱物生産量を発表した。それによると、コバルトの生産量は1409トンで前年の6.8倍に増えた。銅は12%増の82万676トン。政府支援と欧米や中東勢などによる投資で、金属生産が活発化している。
■ニッケルやマンガンも倍増、錫は減少
(出所:ザンビア鉱山・鉱物開発省HP)
ザンビアは2024年にニッケルも2.6倍増の2万1039トン、マンガンは2倍増の13万4932トンと生産を増やし、マイナーメタルの生産が好調だった。金やエメラルドなど貴金属の生産も増えた。一方、石炭や錫の生産は7割減った。
カナダのバリック・ゴールドが投資するルムワナ鉱山で銅などの生産量が増えた。アラブ首長国連邦(UAE)企業傘下のモパニ銅鉱山と、インド系出資の多国籍企業ヴェダンダ・リソーシズが運営するコンコラ銅鉱山は生産を再開。英企業が投資するミンブラ鉱山も操業を開始した。
ザンビアの2024年の金属・鉱物生産状況
(出所:ザンビア鉱山・鉱物開発省HP)
■銅生産300万トンが目標、サウジと協力で覚書
ザンビアはアフリカの「カッパーベルト」に位置し、コンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)と並ぶアフリカの主要な金属生産国。ザンビア政府は銅の生産量を2031年までに300万トンに引き上げる計画だ。
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ただ、現状では地元の採掘企業は小型・零細にとどまり外資による投資に頼らざるを得ない上、物流をはじめとするインフラの未整備や、干ばつなどの天災にも悩まされる。中国資本による投資も多いが、コンゴが中国資本に囲い込まれる現状などもある中、中東勢との協力にも熱心で、1月半ばにはサウジアラビアとの間に探査をはじめとする鉱業分野での協力で覚書を交わした。
(IR Universe Kure)
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