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イボキン(5699)24/12期WEB説明会メモ ややポジティブ継続

24/12期は大型解体工事など拡大し11.5%増収36.7%営利増、25/12期緩やかな拡大予想

株価1255円(2/27) 時価総額43億円    発行済株3427千株      

PER(25/12期DO予:6.4X)PBR(0.91X)配当25/12DO予35円  配当利回り:2.8%

 

要約

・24/12期は大型解体工事など拡大し11.5%増収36.7%営利増と上振れて着地

・25/12期8.7%増収0.3%営利増予想と子会社ミツエでコスト増から微増益予想も増額期待

・長期ビジョンで33/12期にグループ従業員350名、売上高300億円、営利25億円目指す

 

24/12期は大型解体工事など拡大し11.5%増収36.7%営利増と上振れて着地

 

 1984年創業の総合リサイクル企業。関西地区を中心にスタート、現在は全国規模で解体、廃棄物処理、金属加工の事業を展開。24/12期決算が2/14に発表され、WEB説明会が2/20に開催された。24/12期は売上高96.58億円(期初計画比4.40億円増額、11.5%増)、営業利益7.98億円(同1.85億円増額、36.7%増)、経常利益8.23億円(同1.99億円増額、36.2%増)と、スクラップ価格が堅調に推移、大型解体工事が拡大し上振れ着地した。

 

 事業別に解体事業が売上高25.32億円(10.9%増)、営利3.60億円(33.1%増)。売上面では上期に風力発電所の解体工事、下期は大規模工場、医療施設解体案件などが寄与した。利益面では大型案件の比率が高まりMIX良化で利益率が高まった。

 

 環境事業は売上高20.97億円(20.6%増)、営利2.81億円(68.5%増)。産業廃棄物処理受託量が19995t(10.2%減)ながら、高付加価値案件の取り込みで売上高は前年並みを確保、再生資源販売取扱量が18287t(19.0%増)となり、取扱量の増加に加え非鉄市況相場も上昇、売上を押し上げた。利益面では非鉄市況高、高付加価値品の取り込みでMIX良化から大幅増益に。

 

 金属事業は売上高50.27億円(8.4%増)、営利1.58億円(7.2%増)に。金属スクラップ取扱量が75871t、このうち同社工場でのスクラップ取扱量が55130t(5.9%増)となった。鉄スクラップの期中平均価格は下落も、非鉄金属市況が上昇、大型解体由来のスクラップ販売が寄与、利益面では非鉄市況の上昇もあり増益を確保した。

 

 全体での営利増減要因では、増収効果で4.34億円の増益要因に対し、労務費、減価償却費、販管費等(合併費用など)のコスト圧迫を補い、2.14億円営利増に。

 

25/12期8.7%増収0.3%営利増予想と子会社ミツエでコスト増から微増益予想も増額期待

 

 25/12期会社予想は売上高105.00億円(8.7%増)、営利8.0億円(0.3%増)、経常利益8.26億円(0.4%増)、税引利益5.57億円(7.1%増)予想と、緩やかな売上拡大、利益横ばいを見込む。事業別予想開示は無いが、解体事業は株式会社ミツエの完全子会社化で売上高が4億円程度膨らむ一方、ミツエの体質強化のためにコストが発生するため、利益横ばいとなるとのこと。ミツエは西播磨エリアにおける解体事業者の名門で、同社が持たないアスベスト除去事業(同社は外注で対応していた)も行っており、ワンストップ化に寄与するとしているが、シナジー効果を加速するためのコストをかける。このミツエの増収分を除くと既存で5%弱の伸びとなる模様。解体工事については大型案件の受注残があり、緩やかな拡大、環境、金属事業については非鉄金属価格の上昇を見ておらず、鉄スクラップについては24年度下期の下落があったものの、現在価格を維持するとの前提。このため、収益では微増収利益横ばいにとどまるとの感触。全体として、解体工事の拡大で会社計画を多少上振れるとみられる。

 

 

長期ビジョンで33/12期にグループ従業員350名、売上高300億円、営利25億円目指す

 

 同社は長期ビジョンとして、静脈産業を統合し社会を変革する能力を持ち、動脈産業と協働し循環型社会への転換を導くことを掲げる。中計としては26/12期に売上高115億円、営業利益9億円を目指し、そして長計として33/12期にグループ従業員350名(現134名)、売上高300億円、営業利益25億円を目指すとしている。事業展開の基本的な考え方として、解体、環境、金属の3事業によるワンストップサービスを推進させるために、解体事業を成長エンジンに据え、環境、金属は安定した経営基盤を作るために事業地域を拡大させる。

 

 具体的に成長エンジンとしての解体事業では大型案件に係る技術開発と蓄積、営業拠点の増設を行う。また解体事業での工事監督者の陣容を現在の31名から25/12期はミツエの子会社化で監督者の育成で4~5名程度増員し、33/12期には98名まで増強する計画。

 

 当面、25/12で多少の収益上振れが見込まれ、26/12期についてもミツエのシナジー効果、工事監督者の増員効果と超大型重機の追加導入による効率化などから、26/12期予想は上振れ達成が期待される。

 

 株価は25/12期会社予想EPS169.28円に対し、PER7.4倍と、要興業(6566)12.8倍、エンビプロ(5698)10.9倍に対し割安、TRE(9247)7.9倍と比較し似通った水準にある。現状、増収営利横ばい予想、配当が記念配5円をなくし32円継続とするなど、実質増配予想となっている。事業展開の潜在的な成長性が期待され、26/12期中計の超過達成も見込まれ、ややポジティブ継続としたい。

 

 

 
(H.Mirai)
 
 
 

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