豊田通商 米Radius Recycling, Inc. の全株式取得――北米の再生資源事業を強化
豊田通商は14日、豊田通商アメリカ(Toyota Tsusho America, Inc.:TAI)を通じ、米NASDAQ上場のRadius Recycling, Inc.(本社所在地:オレゴン州ポートランド)の全株式をおよそ1,344億円で取得することで同社と合意、併せて合併契約を締結したと発表した。買収実行は、2025年第3四半期になる予定。Radiusの合併により、再生資源を軸としたクローズドなサプライチェーンを構築し、北米での高品質な再生資源の供給態勢を一層強化するという。
買収は、TAIが買収のために設立する完全子会社TAI Merger CorporationとRadius が合併する、逆三角合併の方法をとり、合併後の存続会社はRadius になるという。買収は、Radiusの株主による合併の承認、規制上の承認の取得などを条件としている。
Radius は、北米トップクラスのリサイクル企業で、米、カナダ、プエルトリコに100 か所を超える拠点網(自動車解体施設、金属リサイクル施設を含む)を持ち、オレゴン州に電炉も保有しているという。2024年度には、使用済み自動車66万台、中古パーツ380万部品、鉄鋼完成品50.9万*ショートトンを含む、鉄リサイクル品450万*ロングトン、非鉄リサイクル品33.4万ロングトンを取り扱ったという。
*ショートトンは2,000ポンド(約907.185kg)、ロングトン2,240ポンド(約1,016.05kg)に相当
豊田通商では、「Radius 社は来期中(2026年3月期)に当社の連結子会社となる見込みだが、当社の連結業績に与える影響については現在精査中であり、開示すべき事項が今後発生した場合には、速やかに知らせる」としている。株式取得に必要な資金は、手元資金や借入金などで調達予定だという。
(IRuniverse G・Mochizuki)
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