ベステラ(1433) 25/1期決算説明会メモ ニュートラル継続 過去最高益更新続く見通し
25/1期単体最高益更新で16.0%増収51.3%営利増、26/1期19.3%増収、営利3.2倍予想
株価932円(3/14) 時価総額87億円 発行済株8990千株
PER(26/1期DO9.2X)PBR(1.78X)配当(26/1予)30円 配当利回り:3.2%
要約
・25/1期単体が最高益更新で連結収益は16.0%増収51.3%営利増
・26/1期単体の解体・メンテナンス拡大、その他黒字化で19.3%増収、営利3.2倍予想
・長期ビジョンとして売上高1000億円、営利100億円目指す
25/1期単体が最高益更新で連結収益は16.0%増収51.3%営利増
プラント解体専業大手で製鉄所、発電所、石油化学等のプラント解体に強味。3/12に25/1期決算が開示され、同日説明会が実施された。25/1期は売上高108.97億円(期初計画比1.03億円未達、16.0%増)、営業利益3.73億円(同1.27億円未達、51.3%増)、経常利益5.92億円(同0.58億円未達、45.2%増)となった。受注は107.05億円(前期比16.8%減)、受注残は71.97億円(1.6%増)となった。
連結では売上高、売上総利益で過去最高を記録も、子会社の不振で単独では19/1期営利5.09億円をわずかに上回る5.10億円と営利最高益更新も、連結営利以下は最高益には届かなかった。
事業別で完成工事売上105.95億円(16.0%増)、売上総利益18.18億円(27.8%増)、兼業事業売上高3.02億円(17.1%増)、売上総利益0.72億円(25.4%減)に。このうち、単独の解体・メンテナンス売上が90.38億円(19.6%増)、営利5.77億円(2.27倍)となり、単独の解体・メンテナンス収益が過去最高を更新した。一方、グループ会社、その他事業が売上高19.32億円(2.9%増)営業損失1.40億円(1.93億円悪化し赤字転落)となり、足を引っ張る形に。
完成工事高構成比は電力が28%、製鉄23%、石油・化学35%などとなっている。電力、石油・石化で元請けの大型工事、清哲での大型施工でバランスいい構成に。
完成工事に占める元請金額は39.14億円(22.0%増)、下請金額は66.80億円(12.7%増)、元請比率は37.0%(1.9p上昇)に。また総利益率は元請14.3%(1.1p上昇)、下請18.9%(2.0p上昇)と収益性改善。本来元請が利益率で高いが新規顧客獲得のため元請で低採算案件受注した結果とのこと。
規模別ではストック型(継続的な受注案件、同一構内常駐工事)の受注34.96億円(12.6%増)を拡大することで1億円以上の中・大型工事が62.04億円(32.0%増)と大きく伸びている。
地域別では西日本・九州地区での豊富な解体需要を取り込むことに注力し、倉敷、九州事業所など拠点需実効果など同地区で42.67億円(18.2%増)と着実な伸びを確保している。
単独ベースでの工事監督者1人当たり完成工事高は大型工事の拡大で高水準を確保、23/1期0.9億円、24/1期1.3億円に対し25/1期1.14億円(12.3%減)と前年度比減も高水準を維持している。なお単体の工事監督者数は77人(14人増)と順調な採用増となっている。
営業利益の増減要因では、増収で2.43億円、原価改善2.60億円の増益要因に対し、工事監督者増員による人件費増1.32億円があり、総利益3.70億円増益。一方で販管費増2.44億円が減益要因に。
26/1期単体の解体・メンテナンス拡大、その他黒字化で19.3%増収、営利3.2倍予想
26/1期会社予想は売上高130億円(19.3%増)、営利12億円(3.2倍)、経常利益12.8億円(2.2倍)、税引利益9.0億円(2.2倍)とした。具体的な事業別予想の開示は無いが、単独で110億円(21.3%増)、営利11.5億円(2.3倍)予想として、子会社その他で黒字化を目指すとしている。同社は2022年12月に中期計画として「脱炭素アクションプラン2025」を掲げ、26/1期に売上高120億円、営利12億円達成を数値目標とした。
この予想に対し、25/1期で中計売上高については既にクリアした。これに対し、利益面では子会社の不振、大型工事でシェア獲得のための低収益案件の受注なども影響、利益は25/1期で中計予想比(22/12/8修正予想)4.27億円の大幅未達となっている。26/1期は単独で増収効果に加え大型案件含め収益性の改善が進み大幅収益拡大を見込む。また子会社その他事業については事業の選択と集中を進め、統廃合及び売価も視野に黒字化を目指すとしている。
現状、単独の解体・メンテナンス事業については工事監督数92名(15人増)を計画、既に4月末までに7名増員が確保されているとのこと。また元請の収益性で過去の見積もりミスなどの改善が進み収益性が改善する見込みなどで、会社見通しの単独収益予想達成が見込める。但し子会社その他収益においては具体的な改善策が明確化されておらず、営業利益収支均衡が上限とみられる。但し、この不足分、具体的な子会社の事業改革による特損などを政策保有株式の売却により税引利益の確保を行うと見られ、旧中計比較として、売上の上振れ、税引利益の達成が見込まれる。
長期ビジョンとして売上高1000億円、営利100億円目指す
同社は今後の日本の建設施設老朽化で潜在的な解体需要が加速するとみている。その中で脱炭素化に向けた設備の廃止措置、第7次エネルギー基本計画での火力発電所廃止加速、石油・石化業界の高付加価値化に対応した設備の統廃合などが進行、これらの需要拡大に対応し事業拡大を目指す。具体的には脱炭素を睨み解体事業の効率的な運用、廃棄物のリサイクル、またDXを活用したプラントソリューション事業の拡大など、事業の選択と集中を行い、さらに拠点の拡充、元請案件の受注拡大、積極的な工事監督者の増員並びに事業成長可能な年齢構成を維持するなどを推進する。これらの施策により早期に売上高1000億円、営利100億円達成を目指すとしている。
(各資料はベステラ決算説明会、中計説明資料より添付)
株価は25/1Q1、Q2、Q3と過去最高売上を更新してきたことから12/30には1093円の高値を付けたが、全体相場の一服から2/28には919円まで下落、その後3/12の決算発表で26/1期中計利益予想達成見通しを開示したこともあり、株価が反発した状況にある。26/1期について、単独で大幅収益拡大も連結では子会社の黒字化が未達懸念から営業利益未達が懸念される。現在26/1期会社予想EPS101.57円に対しPER9.2倍はイボキン7.6倍、エンビプロ12.3倍の中間に位置する。現状、営業利益で未達、EPSは売却益で確保、10増配し年間30円配とするなどを考慮、最高益更新予想もニュートラル継続としたい。
*イボキン(5899)、エンビプロ(5699)との比較
(iruniverse mirai)
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