フルヤ金属 ルテニウム利用の新しい環境触媒開発〜悪臭ガス除去
~ルテニウム粒子をメソポーラスシリカ(SiO2)に担持し、6種類の悪臭ガスが室温で除去可能な消臭触媒~
株式会社フルヤ金属(本社:東京都豊島区、社長:古屋堯民)は、3月17日、新しい環境触媒を開発したと発表した。
新しい触媒はルテニウム粒子をメソポーラスシリカ(SiO2)に担持※1した構造になり、酸性及びアルカリ性のいずれのガスも除去することができる。環境省の環境実証事業(ETV)※2で効果が実証されたことから販売を開始する。同社では家庭向け消臭キットの販売に加えて、食品製造や半導体・エレクトロニクス工場、病院といった産業用の脱臭装置への採用をすすめていく。
臭いのもととなるガスは、酸性とアルカリ性に分別される。そのために酸性のガスの消臭にはアルカリ性の薬剤、アルカリ性のガスの消臭には酸性の薬剤で中和をする必要があるが、実際には酸性のガスとアルカリ性のガスが混合していることが多いことから、より汎用性の高い消臭方法が求められていた。更に一般的な脱臭剤として利用されている活性炭は定期的な交換が必要で、交換後は焼却廃棄されていたことから二酸化炭素も発生させる難点だった。
今回、同社が開発した悪臭除去触媒は当社が培ってきた希少金属を取り扱う技術を活かしルテニウムを使用しているが、「一般的な脱臭剤よりも長期にわたり※3効果が持続し、リサイクルも可能であるメリットがある。この触媒はアンモニア※4、トリエチルアミン※5、メチルメルカプタン※6、硫化水素※7、アセトアルデヒド※8、ホルムアルデヒド※9の6種類の悪臭ガスが室温で除去できる事が特徴。
※1担持:触媒を他の物質に固定化させること。
※2環境省実証事業:既に実用化された先進的環境技術の環境保全効果、副次的な環境影響、その他環境の観点から重要な性能(「環境保全効果等」)を第三者が客観的に実証すること。
※3長期にわたり:使用環境・使用状況によって異なるが概ね1年程度。
※4アンモニア:特定悪臭物質の一つで特有の強い刺激臭がある。
※5トリエチルアミン:強いアンモニア臭がある。
※6メチルメルカプタン:強い玉ねぎのような腐敗臭の原因。
※7硫化水素:腐った卵に似た特徴的な強い刺激臭がある。
※8アセトアルデヒド:一般的には脂肪臭といわれ、「お酒臭い」臭いの原因物質。
※9ホルムアルデヒド:シックハウス症候群の原因の一つで独特のツンと鼻を刺すような刺激臭がある。
(IR universe rr)
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