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銅価格が再上昇 LME先物5か月ぶり1万ドル超え、米関税前に確保 中国景気回復も期待

2025/03/21 13:09

 銅価格が再上昇している。ロンドン金属取引所(LME)の3か月先物は3月20日に一時、$1万46.5/tonと、2024年10月以来約5か月ぶりに節目の$1万を上回った。米国を中心とした関税の応酬による貿易面での不確実さを嫌気し、先回りして銅を確保しようとする動きが鮮明化している。

 

過去6か月間のLME銅価格の推移($/ton)

 

 LME銅3か月先物は1月2日に付けた直近安値($8795)から3か月余りで14%上昇した。NYの商品先物市場(COMEX)での銅価格も追随した動きで、2024年5月に付けた過去最高値をうかがう水準に上昇している。

 

過去1年間のNY銅価格の推移($/lb)

 

 トランプ米大統領は2月末、米国の銅輸入を巡り新たな調査を命じた。銅が米国で輸入関税の対象になるとの警戒が広がり、米国での先回り買いを誘っている。オーストラリアメディアのフィナンシャル・レビューは3月20日に、「既に大量の銅を積んだ船舶が米国に向かっている」と伝え、米国での銅確保の動きが強まっているとの見方を報じた。

 

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 銅は中国景気も反映しやすい。中国当局が3月17日までに発表した中国の2月までの主要経済指標は薄日を感じさせる内容で、特に不動産の悪化に歯止めがかかった兆しがあった。建材や製造業材料としての銅需要の回復を期待して銅を買う動きも強まっている。

 

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(IR Universe Kure)

 

 

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