エンビプロ・ホールディングス、第3四半期決算は減収減益も「業績は堅調に推移」

エンビプロ・ホールディングスは13日、2025年6月期 第3四半期決算短信を発表した。売上高は前年同期比2.5%減の377億8700万円、営業利益は17.5%減の8億5700万円、経常利益は25.7%減の9億9100万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は4.6%増の10億2100万円。鉄スクラップ価格下落の影響により利益が押し下げられた影響を受け、減収減益となったものの、同社は「(価格下落)以降は資源価格が安定して推移したこともあり、業績は堅調に推移している」としている。
資源循環事業の売上高は1.0%増の158億400万円、セグメント利益は20.3%減の9億1200万円。鉄スクラップの価格急落に加え、人件費や設備費等の固定費増加で利益が減少した。一方で非金属部門やサービス関連事業(解体、プラスチック燃料化、ゴムチップ販売及び施工など)が堅調に推移したことなどにより、売上高は前年同期と同程度となり利益率も回復傾向を示しているという。
グローバルトレーディング事業の売上高は5.9%減の243億7200万円、セグメント利益は40.5%減の1億9200万円となった。うち、物流代行サービスでは、需給バランスを見定め適正価格でサービスを提供したことが功を奏し、業績が堅調に推移した。ただ、金属原料のトレーディング事業は、スクラップ価格下落と為替変動の影響により減収減益となった。
リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は1.4%増の12億1200万円、セグメント利益は7.5%減の1億5800万円。電池材料であるレアメタル相場は前年同期を下回る水準で推移したものの、茨城工場の本格稼働開始と加工受託の取扱量を増加させたことにより、生産数量、売上高は前年同期を上回った。同工場稼働により固定費は増加し利益は減少したが、引き続き国内でのシェア拡大を目指し積極的に投資を推進していく方針だ。
(IRuniverse K.Kuribara)
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