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東京製鐵 2025年6月契約売出 3カ月ぶりの全品種据え置き

 東京製鐵は19日、2025年6月契約の鋼材販売価格について、3カ月ぶりに全品種で据え置くと発表した。4月契約分からみると角形鋼管(コラム)のみが値下げされていない状況となる。

 

 生産予定については5月全体で24万5000トン(前月予定比から5000トン減)、H形鋼が7万5000トン(横ばい)、ホットコイルは12万トン(横ばい)[内、輸出は3万トン(5000トン減)]、厚板4万トン(5000トン減)。

 

 物件価格や在庫販売価格については前月から変更なし。H形鋼が11万7000円、異形棒鋼が8万7000円、厚板が10万円(建値と同額)。5月19(月)午後より販売開始した。

 

 

 東京製鐵の基調コメントの概要は以下の通り。

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海外マーケットは、各国の保護主義政策の硬直化に加え、貿易摩擦の長期化と国際金融市場の不安定さから、世界全体の経済動向は下振れリスクが高まっている。特に、アメリカとの関税交渉においては、中国のみならず各国の産業にもマイナス面が大きく作用し、鉄鋼や鉄鋼関連製品への悪影響が強まっている。このため、一部の鉄鋼メーカーで値上げに取り組む動きがあるものの、世界的に供給過剰感は否めず、国際市況は停滞局面が続く。一方、中国では貿易摩擦の1つの要因である鉄鋼の過剰生産の解消へ向けた動きもある。今後の世界と中国の経済動向や金融政策、鉄鋼需給の変化について慎重に注視していく。

 

国内マーケットは、建設コストの高止まりと施工期間の長期化が継続しており、建設見直しなどの動きが建材市場へ消極的に影響。足元でも建設用鋼材の市況は全国的に軟調傾向が続いている。他方で、新規出店に伴う見積もりの増加や、これまで延期となっていた案件の着工を受け、止まっていた鋼材手配に動きが出始めていることから、需給バランスは保たれると予想される。鋼材市況の早期底打ちに加え、遅れている物流をはじめとした諸々のコストの転換に向けた動きに期待したい。

 

鋼板市場においては、国際市場の混乱による各種産業の輸出動向への影響がいまだ定まらない状況にあることから、国内市場は荷動きが低調となっており、輸入鋼材の動向にも変化がなく、注意が必要な状況にあるため、現状の商況感は停滞ムードが漂っている。一方、国内鉄鋼メーカー各社の供給抑制姿勢の具体的取り組みと流通各社の慎重な購入姿勢は、市中在庫量の抑制につながると考えられることから、需給バランス改善と市況の持ち直しが待ち望まれる。

 

以上のような状況のもと、各種鋼材を取り巻く環境を鑑み、早期の市況底入れを図るべく全種据え置きとした。

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 また、小松﨑裕司取締役常務執行役員営業本部長は基調コメントに補足する形で以下のように見解を示した

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海外市場は、米中の貿易協議の急激な進展があったものの、アメリカの関税政策を見定める意味合いもあり、海外マーケットは停滞基調にあると認識している。また、各国で実施されているAD(アンチダンピング)措置により、輸入鋼材の締め出しが行われているが、その状況にしては、各国での需要の盛り上がりにも欠ける状態にある。

 

海外市場を個別にみるとアメリカでは需要面に不透明感が出始めていることから市況も天井感が強まってきた。中国では6月以降に鉄鋼の減産が進むという可能性もあることから、鉄鋼需給のバランス改善に向けてどのような実効性のある政策が示されていくのかを注視していく。

 

国内市場を見ると、5月はGWの影響で稼働日が少ないこともあり、全体的に市況や商況は軟調傾向にある。足元では、関税問題による先行きの不透明感を懸念する見方が強い。一方で需給バランスは保たれていると考えており、商況においても“下げ渋り感”が出てくることを期待したい。

 

鉄スクラップは足元、トルコや台湾などの海外相場は回復基調にあるが、今後の動きは鋼材価格次第といえる。国内では為替動向の影響も踏まえ、目先の相場は様子見横ばい。

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 2025年6月契約の品種別販売価格(O/T NET ベース価格、トン当たり円)は以下の通り。

 

H形鋼及び形鋼:2023年4月契約において3,000円の値上げ後、1年5か月連続で、価格据置としたが、2024年10月契約にて1万2,000円値下げ。今回の2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げ。

H形鋼=11万2,000円(2024年10月契約にて1万2,000円値下げし、2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げ。)

縞H形鋼=12万2,000円(2024年10月契約にて1万2,000円値下げし、2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げ。)

I形鋼=11万3,000円(2024年10月契約にて1万2,000円値下げし、2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げ。)

溝形鋼=10万8,000円(2024年10月契約にて1万2,000円値下げし、2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げ。)

 

角形鋼管(コラム):2022年9月契約において5,000円値下げ後、2年連続で、価格据置としたが、2024年10月契約において、更に1万円の値下げ。

角形鋼管=11万8,000円(2024年10月契約にて1万円値下げ。)

 

U形鋼矢板:2023年4月契約にて3,000値上げ後、1年と5カ月連続で、価格据置としたが、2024年10月契約において、1万2,000円値下げ。今回の2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げ。

U形鋼矢板=12万4,000円(2025年5月契約にて3000円値下げ。)

 

異形棒鋼:2024年10月契約において、1万円の値下げ。以降は5カ月連続で横ばいとなり、2025年4月契約は3000円の値下げ。

異形棒鋼=8万5000円(2025年4月契約にて3000円値下げ。)

 

 

厚板:2023年7月契約にて1万円下げ後、1年と2か月連続で価格据置としたが、2024年10月契約において、更に1万5,000円の値下げ。今回の2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げ。

厚板=10万円(2025年5月契約にて3000円値下げ。)

 

コイル類4品種:2024年10月契約で1万5,000円の値下げ。以降は5カ月連続で横ばいとなり、2025年4月契約で酸洗コイル5000円、他は3000円の値下げ。

ホットコイル=8万9000円(2024年10月契約で1万5,000円の値下げし、2025年4月契約にて3000円値下げ。)

縞コイル=9万2000円(2024年10月契約で1万5,000円の値下げし、2025年4月契約にて3000円値下げ。)

酸洗コイル=9万5,000円(2024年10月契約で1万5,000円の値下げし、2025年4月契約にて5000円値下げ。)

溶融亜鉛めっきコイル=12万1,000円(2024年10月契約で1万5,000円値下げし、2025年4月契約にて3000円値下げ。)

 

以下カットシート類(2024年10月契約で1万5,000円の値下げ。以降は5カ月連続で横ばいとなり、2025年4月契約で3000円の値下げ)

熱延鋼板=9万4,000円(2024年10月契約で1万5,000円の値下げし、2025年4月契約にて3000円値下げ。)

縞鋼板=9万7,000円(2024年10月契約で1万5,000円の値下げし、2025年4月契約にて3000円値下げ。)

酸洗鋼板=10万4,000円(2024年10月契約で1万5,000円の値下げし、2025年4月契約にて3000円値下げ。)

 

[申込締切日:2025年5月21日(水)12時まで]

 

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

 

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