世界貿易機関(WTO)は6月23日、ホームページ上で、電気自動車(EV)や農水産物への追加関税を巡るカナダと中国双方からの提訴について、裁判の「一審」に相当する紛争処理小委員会(パネル)をそれぞれ設置すると決定した。
カナダは2024年10月、中国製EVに100%、鉄鋼とアルミニウムに25%の追加関税を課した。これに対し、中国は2024年3月にカナダ産の菜種油など8品目の関税を100%引き上げ、豚肉や水産物など64品目には25%を上乗せした。中国とカナダの両国は、それぞれ相手方をWTOに提訴していた。
パネルはWTO紛争解決機関のもとに設置される審議会。3-5名の委員によって構成される。公正中立を旨として判断を下すが、当事国がパネル判断を不服とした場合は、裁判における控訴に似た手続きを取り、パネルの上位機関である上級委員会に申し立てることができる。
(IR Universe Kure)