6月の銅の概況及び7月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 9500-10500ドル →
建値 141万-158万円 →
為替 141~158円 (1か月間TTM) →
■国際概況
イスラエルによるイラン空爆報道で地政学的緊張、「リスク資産売り」「現金化圧力」→ 銅は月初来安値9532.5ドルまで下落。
などの下落要因もあったが「米中通商協議の再開期待や「現物逼迫懸念」が強まり、投機・実需の両方から買いが強まったことを好感しUP
月末日 スタート価格から396ドルUPの10051ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
144.87 → 145.81(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比-2%の60万4356台
輸出は前年同月比+1.4%の28万3581台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+2.5%の24万7653台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比34.4%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比15.6%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 43,237戸。
・前年同月比 34.4%減, 2か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 3,333千㎡。
・前年同月比 35.9%減, 2か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 529千戸。
・前月比 15.6%減, 2か月連続の減少
【伸銅品生産】
5月の伸銅品生産量速報値は、5万3090トンで、前年同月比-0.1%しました。これ3か月ぶりのマイナス
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
出荷量:49600トン(銅量ベース)
前年同月比:3%減
出典 日本電線工業会
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 -3.3%の6万3820t
スクラップ -14.8%の2万4540t
輸出推移
【輸入】
電気銅 +428%の1320t
スクラップ +15%の2万5822t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■国内概況まとめ
【自動車】
【自動車生産】
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比-2%の60万4356台
輸出は前年同月比+1.4%の28万3581台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+2.5%の24万7653台
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比34.4%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比15.6%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 43,237戸。
・前年同月比 34.4%減, 2か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 3,333千㎡。
・前年同月比 35.9%減, 2か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 529千戸。
・前月比 15.6%減, 2か月連続の減少
【伸銅品生産】
2025年5月の伸銅品生産動向(速報値)」によれば、5万3,090トン、前年同月比0.1%減少した。3か月ぶりにマイナスとなった。 国内自動車生産の回復と、北米向けの自動車関連の輸出が増えている。また車載向けの半導体の需要も回復している。スマートフォン向けも好調だが、それ以外のデジタル家電の需要が低調である。また、エアコンは、ビル向けなどの需要が不調である。
市場背景
銅条
同比3ヶ月連続プラス。近年では、22年以来の多い生産量となっている。AI関連と自動車関連の半導体が増えている。ただ、車載向けの半導体の需要は以前よりもまだ少ない。
スマートフォンは、汎用から高級品、地域別に見ても満遍なく需要増加している。最新ゲーム機向けが良いが、それ以外の民生用コネクタの需要はまだ低調である。情報家電向けも中国の購買力低迷の影響が残り、低調である。
黄銅棒
同比5ヶ月ぶりマイナス。需要状況は銅棒と似ている
【電線】
出荷量:49600トン(銅量ベース)
前年同月比:3%減
前年同月比3.0%減少だった。これで7か月連続のマイナスとなった。これだけ長期のマイナスは、前回同出荷量が落ち込んだ2022年23年以来である。
【輸出】
電気銅 -3.3%の6万3820t
スクラップ -14.8%の2万4540t
【輸入】
電気銅 +428%の1320t
スクラップ +15%の2万5822t
【見通し】
【自動車】
5月の自動車生産が-2%。6月国内販売台数が前年比+2.5%
駆け込み需要の反動減と政策支援の持続が拮抗し、プラス成長が見込まれるものの、輸出への不透明感により楽観は禁物の局面と
【伸銅品生産】
総生産5万3,090トン、前年同月比0.1%減少した。3か月ぶりにマイナスとなった
国内自動車生産の回復と、北米向けの自動車関連の輸出が増えている。また車載向けの半導体の需要も回復している来月も続きそう
【電線】
出荷量:49600トン(銅量ベース)
前年同月比:3%減
前年同月比3.0%減少だった。これで7か月連続のマイナスとなった。これだけ長期のマイナスは、前回同出荷量が落ち込んだ2022年23年以来である。
先行き不透明
【スクラップ景況予想】
7月の銅スクラップ需給は「供給タイト+需要強」な構図が継続し、価格は高水準で推移する見通し。ただし、米中政策次第で急変もあるため、動向監視が不可欠。
【LME・為替予想】
LME予想
●米関税・輸入政策の影響
トランプ政権による銅輸入関税が実施されれば、価格が一時10,000ドル超もあり得れば、需給の混乱で一時的に9,000ドル割れを招くリスク
●中国の経済動向
中国の不動産・工業需要が急減すれば、下値圧力が強まり、レンジ後半からの動きとなる可能性
これらを踏まえた今月の銅価格は 9500-10500ドル(セツル)との予想。
●為替予想 144円~147円
7月のドル円は、夏の薄商いとドル圧力で144~147円が中心見通し。
米経済指標次第では150円接近の可能性も、一方でリスクオフや四十日市況で143円台への反動も。
銅建値に関しては141万-158万円程度と予測。
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