阪和興業、使用済み真珠養殖カゴの持続可能なリサイクルスキームを構築

阪和興業は21日、同社グループ会社の西部サービスや有限会社アルファフォルムとともに、使用済み真珠養殖カゴの循環型で持続可能なリサイクルスキームの構築・実施に成功したと発表した。環境負荷に関わるライフサイクルアセスメント(LCA)においてCO2 削減に寄与する取り組みであることが証明されたという。
今回の取り組みでは、回収した真珠養殖カゴをシュレッド処理によりフレームの鉄スクラップ部分とプラスチック類に分別。鉄スクラップは電炉メーカ-で電炉鋼材の生産用に使用する。電炉メーカーで製造された線材は鋼材加工会社で鉄線にし、養殖カゴメーカーで新たな製品としてよみがえり、廃カゴ拠出元の真珠養殖業者が使用するサイクルとなる。
プラスチック類で構成される網部分は、RPF(Refuse derived Paper and plastics densified Fuel)にして再資源化製品へリサイクルする。このリサイクルスキームを構築したことで、これまで埋め立て、あるいは放置されていた廃漁具をリサイクル可能な資源として有効利用することが可能となった。今回のリサイクル実績は、LCAにおいてCO2 排出量が 27.8%相当削減されると認定された。環境負荷軽減への貢献も十分見込める。
シーフードショーにも出展
阪和興業が出品したサーモン製品
鉄鋼系総合商社として業界をけん引する阪和興業だが、水産業界にも古くから参入しており、漁具リサイクルだけでなく、水産品の流通にも力を入れている。20~22日にかけては東京ビッグサイトで開催された水産展示商談会「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」にも出展。「アタカマソルトサーモン」のトリムC(切り身)などのPRを行った。チリ現地で定塩加工したこだわりの製品で、水産物を水揚げ後、一度だけ冷凍するワンフローズン原料であるため、刺身用途で利用できることも強み。
(IRuniverse K.Kuribara)
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