ロシア極東カムチャツカ半島付近で7月30日午前、マグニチュード（M）8.8規模の巨大地震が発生した。タス通信などが報じた。日本沿岸部はじめ太平洋各国に津波警報が出ている。現地は金鉱山があるほか、液化天然ガス(LNG)はじめ地下資源は多い。潜水艦基地がおかれるなど軍事面でも重要な拠点で、今後は関連の金属市況に影響が出る恐れもある。

カムチャッカ半島位置

(出所:Wikipedia)

　ロイター通信などの7月30日の報道によると、同半島南東部沿岸で既に高さ3～4メートルの津波が観測された。半島付近でのこの規模の地震は1952年以来だという。沿岸部の水産物工場の建物が流されたり、地震で幼稚園の建物が倒壊する映像も流れている。

　カムチャツカ半島には火山帯が走り、活火山29を含む300の火山を有する。今回の地震は海溝型の巨大地震と伝わる。半島内の地下資源は豊富で、金，銅，鉛，亜鉛，銀，水銀，石炭，泥炭，硫黄などの存在が認められている。ただ、本格的に開発されているのは半島南部のAsacha鉱山くらいで、英国系の外資企業による開発だ。ほかは軍事拠点であることと、漁業・農業への配慮から、大規模な鉱山開発は抑制されているとされる。

(IR Universe Kure)

関連記事