自然エネルギー財団が同財団の評議員として貢献された坂本龍一さんを偲ぶメッセージを発信した。以下は坂本さんの地球環境を心配する残されたメッセージです。我々も坂本さんの冥福を心から願います。
今一番必要なことは都市を作り変えることだと思う。都市のグランドデザインを刷新しなければならないだろう。都市の萌芽は6000年前ぐらいだろうか。そこは物と人と情報が集積した場所だから、常に疫病や外敵から狙われやすい所だっただろう。しかし大きなリスクを抱えながら人は都市を築き続け、このままでいけば惑星全体を都市化しかねない勢いだ。もちろんそうなる前に生態系の崩壊によって、人間も生存不可能になるはずだが。今回のパンデミックもまさに、資本主義によってドライブされた地球規模の生態系破壊、都市化のなせる技だろう。人はここで一度ストップし、考え直さないといけない。
都市を作り変えるとは、ぼくたちの生きること全てと言ってもよい。住環境、交通、食料の供給、インフラ、情報網、教育、医療、行政システム、セキュリティー、エネルギー供給などなど数え上げたらきりがない。密集した環境がリスクを生むとすれば、それは分散化させるしかない。これは巨大な公共事業だ。無駄なダムなどと違って、これはやる価値のある公共事業ではないだろうか。万人がより空間と時間のゆとりのあり、医療や教育、セキュリティーと文化を享受する権利があると思う。
こんなにみんなから愛された人が残してくれた足跡を、我々は地球の将来像を学ぶ人間として追いかけて行きたい。
(IRuniverse Katagiri)