アフリカ・コンゴ民主共和国の国有鉱山会社ジェカミンは4月11日、「半導体向け材料の採掘のための新たな温式精錬ユニットの設置のため、7500万ドルの資金を確保した」と明かした。同日付のロイター通信など外電が伝えた。
新設備が導入されるのは、コンゴ南東部にある同国第二の都市であるルブンバシのスラグ鉱山。銅カッパーや水酸化コバルト、沈殿ゲルマニウム、銀濃縮物、酸化亜鉛などの生産に使用する計画だ。特に半導体材料として重要なゲルマニウムの増産に結び付くといい、既存の設備の寿命も約30年間伸びる見通し。同社は同設備を2022年夏から準備していた。アフリカ企業によるアフリカ産金属の加工は初めてとされる。
新設備の導入は早くも商社の購買意欲を誘っている。ジェカミン側によれば、シンガポールの仏系資源商社トラフィグラは既にジェカミン側に2000万ドルの前払い金を支払い、酸化亜鉛の独占取引契約を延長した。トラフィグラはロイター通信に対し、冶金濃縮物の処理能力を向上させる目的でジェカミン側と協力できると話したという。
(IRuniverse Kure)